【全文掲載】成田凌「痛いことが嫌だなと」、伊藤沙莉「生意気な子供だった」人生で後悔していることとは?

MC:引き取ります(笑)。そして上杉さんなんですが、中澤は27歳までの10年間、武道館2daysという公演を夢見たバンドマンを演じられていますけれども、ラーメンを作っている姿も出てきましたけれども、台本を読まれた時はいかがでした?

上杉:まず、歌うんだ?って思ったのが最初だったんで。「大丈夫ですかね」って話から入ったんですけど、やるってなったらやるしかないんで。とは別に僕自身も今、夢の途中ですけど、いろんなことを選択してこなかった夢もあるし、諦めてきたものがたくさんあるから、なんかそういうのはスッと、27歳の中澤も30歳の中澤も共感できたところが多かったんで、一回読んだ時に中澤に一番何かを感じました。

MC:ラーメン屋さんのシーンの撮影後に、劇中でお客さん役だった皆さんにラーメンを振舞われたんですよね。

上杉:そうですね。店主の方が「ラーメン、お前作れるからやってみろ」って言われて、全員分作って出して食べていただきましたね。練習は事前に一回ぐらいなんですけど、でもやっぱりプロがすごくて。なかなかうまくはいかないですけど、一日ぐらい教えてもらいました。中澤は裏での練習が多かったですね。

MC:続いて前田さんは、島田まさみなんですが、人気アイドル八木今日子のものまね芸人という役柄でしたが、「夏色のメモリー」という楽曲を歌っている姿、さすがでございましたが、ご自身で踊られて歌ってみていかがでしたか?

前田:久しぶりな感覚ではありましたね。高いヒール履いて(笑)。

MC:これまでは、ご自身がものまねされることはあっても、アイドルものまねする役というのは。

前田:普段はきんたろうさんがモノマネしてくれてるので(笑)。実際、ものまねをしてくださっている方が来てくれたりとかして、本当のものまね芸人さんが三人いらしたんですかね。凄いパンチがあるなあと思って、少しだけやってくれたりとかしたんですけど、やっぱりその人たちの才能もすごいなって。皆さんプロだなって思いました。

MC:「夏色のメモリー」って、実は伊藤さんもちょっと踊っていらっしゃいますよね。

伊藤:そうですね。私の役が憧れていたアイドルだったので(笑)。

前田:先に練習して、そのシーン撮ってたもんね(笑)。

伊藤:そうです。先にやってましたけど、やりながら「これ前田さん、絶対完璧だよね」みたいな感じで話してました(笑)。

前田:すごい上手だった(笑)。

伊藤:あ、ありがとうございます(笑)。褒められました(笑)。

前田:あのシーン、すごい可愛いですよね。手作りっぽい洋服着て。

伊藤:文化祭みたいな感じで、やってました(笑)。

MC:監督、本当に細かいところまで観て行くと一度観ただけでは観きれない詰まった作品だと思うんですけれども、監督ご自身が注目してほしいというポイントがあったら教えてください。

萩原:やっぱり日陰の人たち、スポットライトを浴びてこなかった人たち、自分の人生なのに、自分の人生の主役から下りた人たちの話であるので、そういう光じゃなくて影を綺麗に撮りたいなと思って、それを意識していて。ただ、核はそれぞれ全員がスポットライトを浴びる瞬間を作りたいなと思っていて、誰にも気づかれないけれど、また自分の人生の主人公に一瞬になるみたいな。そういう瞬間を作りましたね。映像とかすべて含めて、この登場人物たちの心情を表したいと思って、考えてました。

MC:さあ、ここからは、登場人物たちのように「これまでの人生で最も後悔していること」を、ぜひ教えていただきたいんですが。成田さん。

成田:大したことじゃないんですけど、信じられないぐらいのペースで思い出すのが、サッカーの試合中、中学生の時に。ゴールの目の前で、あの時スライディングしていれば点を決められたっていう状況がものすごい浮んできて。多分スライディングして点を決めていれば、もっと戦える人間に育っていたかもしれないなと思って。そのチャレンジをしてからの成功体験みたいなことがね。スライディングしてたら人生変わってたなっていうか。何回も思い出して、今、初めて人前でこの話をしてる。小さすぎて(笑)。サッカーしてたんですけど、人とぶつかりたくないヘディングしたくない、スライディングしたくないという、痛いことが嫌だなと思いながらやってたんですけど。そこで点を決めてたら、痛いこととも戦える人間になっていて、今ここに居ないかもしれないです。

MC:そういう感情を持ってる成田さんだからこそ出来る役があるんじゃないですかね。

成田:今後も別に誰にも言うことはないんだろうけど。なんか今、消化出来た気がします(笑)。この場で、あの頃の自分に、「あれをしてないからダメだったんじゃなくて、あれをしないから意味があるんだよ」っていうことを言ってあげたい。

MC:ありがとうございます。伊藤さんはいかがでしょう?

伊藤:小学生のときにオーディションで、そのとき、ものまねが自分の中でブームで。長州小力さんと柳原加奈子さんのモノマネを、どのオーディションでもやってたんですよ。で、プロフィールに特技を書かなくちゃいけないから、特技がなさすぎてものまねって書いてたら、毎回振られるようになって。一回、あるオーディションのときにものまねやってすごいウケたんですよ。良かったと思って。二次審査にも呼ばれて、「もう一回やって」って言われて、やったんですよ。で、三次審査になった時に、「もう一回やって」って言われて、モノマネ枠で呼ばれてるなって思って。なんか芝居を見てもらって無いなって思って、ちょっとブレイクタイム的な感じで呼ばれてる気が、小学生ながらにしちゃって。で、「やんないよ、何回も」って言っちゃったんですよ(笑)。ませた生意気な子供だったんですけど、そしたら「おっとっと」みたいな感じに審査員さんがなって、終わったんですけど。もちろん落ちたんですけど(笑)。でも普通にやっとけばよかったなって。本当にたまに思い出すんです。そんなよくわかんないプライドなのか、意味がないって思っちゃってやらなかったのが、もっと楽しくやればよかったじゃんっていう。

成田:なんの番組かは自分でわかってるんだ?

伊藤:分かってます(笑)。ちょいちょい思い出しますね。

MC:藤原さんはいかがでしょう?

藤原:僕あんまりなくて。結構、時間が経つと全部プラスに変換できちゃうんですよ。だから、昨日のこととかずっと悔やんでます。「昨日、人に優しくできなかったな」とか、そういう感じですかね。あんま無いです。

MC:さっき悔やんでましたよね?

藤原:そうそう、10分ぐらい休憩があって、お弁当2個食べちゃって、今血糖値が爆上昇してて、ちょっと眠気が(笑)。ライトも温かいし。お返しします!

MC:上杉さんはいかがですか?

上杉:人格形成に影響してるようなっていう話で、高校が海外だったんですよ。日本の方が行きたかったなって思いますね。行ったことはプラスにはなってるのはもちろんなんですけど、そこで結構人種的なことも含めてタフになったこともあれば、日本でもっと身につけられた繊細さもあったよなっていう。わりとシリアスに、制服着て自転車乗りたかったなってのはすごい思います。よく思います。これは頻繁に。どっちが良い悪いでもないんだと思うんですけど、やってみたかったなってのは唯一思うことですかね。それ以外は、季節くんと一緒で、割とプラスに変換されちゃうタイプですね。

MC:続いて前田さんにも同じ質問です。

前田:中学校と高校を、もうちょっとちゃんと楽しめばよかったなって、すごく後悔してます。忙しいふりをしてました。中学の時は。それを口実に学校にどうにか行かないように。「ダンスレッスンです」とか言ってたので、もうちょっとその時、楽しめることいっぱいあったんじゃないのかなーって。卒業式のとき、すごく後悔しまして。並び順が50音順じゃないですか。後ろを向いて校歌を歌わないといけなくて。一番後ろだったんですよ。だから一番前で、歌詞が全然わかんなくて(笑)。みんなすごい泣きながら歌っているのに、それに全く入れない自分がちょっと(笑)。あ、私もったいないことしたなって。その時にすごく思ったんですよね。

MC:そこからやり直したいなみたいなことと思うんですか?

前田:ちょっと思うかも知れない。ちゃんと学校に行ってたら、学生生活送ってたらどうだったんだろうなーっていうのはありますね。

MC:最後に田中さんにも伺いたいんですが。

田中:私は20歳の成人式の時を結構思い出すんですけど、20歳の成人式の日に、お着物を着て髪をセットして頂こうと思って美容室に行ったんですよ。それで結構時間がかかってしまって、大丈夫かなあと思いながらセットしていただいたんですけど、もう式が始まっちゃったんですね。だけど言えなくて、やっていただいてるし。どうしようと思ったけど黙っちゃって。ズルズル長くなってしまって。それでセットが完了したんですけど、「写真撮ってください」っていうことになって。「私も、私も」って写真を撮っていて、慌てて式に行ったら、もう終わりの方だったんですよ。「来たの麗奈?」みたいになって(笑)。最後みんなと写真撮るだけになってしまって。それで式が終わったんですね。だから未だに成人式の季節になると、着物姿で歩いてる人を見たりとか、テレビでやってる姿を見て、式では何があったんだろうって(笑)。みんな何を聞いてたの?何を感じてきたの?っていうことを、よく思うんですよ(笑)。頑張って、途中でも走っていけばよかったなとか、20歳の成人式っていう大事な日にみんなと同じ気持ちを感じたかったなあって思って後悔してますね。

成田:俺、さいたまスーパーアリーナだったから。割と覚えてる。

田中:私は地方だったから、その会場の大きさとかも全然違いますよね。

成田:愛情が分散されますけどね。人生の先輩たちが話してくれる事が、見たことのない知らない、ざっくりした「さいたま市のみなさん」みたいな感じになるので。ボケーッとしてましたよ。

田中:泣いたりしてる人とかいるんですか?

成田:そんな記憶ないなあ…。