【全文掲載】成田凌「痛いことが嫌だなと」、伊藤沙莉「生意気な子供だった」人生で後悔していることとは?

MC:ありがとうございます(笑)。ここで、実は皆さんにサプライズです。本作の原作者、燃え殻さんより。お手紙を頂戴しておりますので、代読させていただきます。まずは監督へ。

一番最初に萩原監督から、「『ボクたちはみんな大人になれなかった』の映画を僕にやらせてください」という熱いメールをいただいたのは、今からもう4年以上前になりますね。何か一緒にできないかと萩原監督の仕事場で何度も何度も話し合ったのが懐かしいです。萩原監督もちょうど仕事で悩んでいる時で。僕も慣れないものを書く仕事に悩むを超えて病んでいるような時でした。最悪の時に最高の仲間に出会えたんだなと振り返って、今思います。「俺たち、これからどうやって生きていこうか?」という打合せらしからぬシリアスな話をしていた時、「どちらの道に進んでも足踏みしているよりいいじゃないか。前へ進もう。そんな物語にしたいよね」と方向性が決まったことも鮮明に覚えています。夢を持って生きている人も、夢破れた人も、そもそも夢なんて持たないで今日頑張っている人も、死にたいなんて冗談と本気半分くらいで生きている人にも、何もないよりは良かったじゃないかと人生を振り返ったときに人は思うから、思うはずだからとそっと背中を押してくれるような、そっと寄り添ってくれるような、そっと抱きしめてくれるような、そんな作品になった気がします。ありがとうございました。燃え殻。

続いて出演者の皆様にも届いております。代読させていただきます。

試写を観させていただいた時、すべての登場人物たちがそこに生きていると感じることができました。それどころか、彼らがまだこの世界のどこかで今この瞬間も踏ん張ってうまく行ったり行かなかったり、泣いたり笑ったり、なんとかかんとかやってんのかなと、ドラマの世界と現実がいまだ地続きになっている始末です。ラーメンちとせやでチャーシュー麺を食べてみたい。ライブに行ってペンライトを振って声援を送りたい。バビロンのままに励ましてほしい。これで良かったんだよと前田ゆかには言ってあげたい。荻野にはそれでも粘って役者になる夢を諦めないでいてほしい。望月かおり先生が幸せだと思える瞬間に立ち会えて嬉しかった。この作品に命を吹き込んでくださったすべての出演者の皆様に、最大限の感謝と拍手を送りしたいです。心から愛せる作品になりました。燃え殻。

というふうにいただきました。いかがでしたか監督。

萩原:感動しちゃって。燃え殻さんと話してると、自分自身もその言葉に励まされるじゃないですけど、今は白黒はっきりつけたがるじゃないですか。でも、そうやって決めて、どんどん前に進んでいかないといけないと思うんですけど、でも、そうじゃなくて、別にグレーでいいじゃないかと。夢を追っかけて、諦めることが悪いみたいな風潮になってますけど、諦めたらいいじゃんっていう。話してると、すごく自分自身の肩の荷が降りていった瞬間があったので、その時のことを思い出して、胸が熱くなりました。

MC:ありがとうございます。代表して成田さんにも伺いましょうか?

成田:自分も作品を観て、命が吹き込まれいると思ったし、ひとりひとりを見て、「そうそう、自分も」と思いながら。燃え殻さんにそう言っていただけるっていうのが一番嬉しいですね。原作者の方がよかったと言ってもらえる作品ができたということが何よりだと思います。

MC:ありがとうございます。最後に萩原監督と成田さんに、一言ずつみなさんにメッセージを頂きたいと思います。

萩原:今日という日を迎えることができて嬉しいです。僕が大好きな方たちと一緒に仕事ができて、それぞれのキャラクターに命が吹き込まれて動いている姿を見て、自分も現場でも編集しながらも、何度も胸が熱くなった瞬間がありました。ようやく、皆さんに観てもらえる日が来たことを、本当に嬉しく思っています。もし少しでも心に残ったなら、ぜひほかのお友達やご家族にもお話をしてくれたらと思います。本日はありがとうございました。

成田:人生につまずいて、失敗だらけの人生の方が当たり前じゃないですか。そんな中で、もがいてるけど進んだ道が、チャレンジしてミスをしても、それは失敗という一個のくくりじゃないと思うし、この出演者たちが演じた何かを諦めて辞めた人たちの先にある物語を感じていただければなという作品になってますし。それぞれすぎて、なかなか一個にまとめるのは難しいですけど。やめることが間違いじゃないと必ず思ってもらえる作品になってます。やめることにも勇気がいるし、ずっと楽しいわけじゃないので。でもやっぱり進んでいる、それでいいじゃないかと言う作品になっています。少し辛い思いをした時に抱きしめてくれるような、寄り添ってくれるような作品が、皆さんに届いたらいいなと思ってます。配信だからずっと見続けてもらえる作品になっているので、自分達もそうだし、見てくれた方にこれから見てくださる方にもずっと愛して頂ける作品になるかもしれないなという思いを持っています。ぜひ皆さんに楽しんでいただければと思ってます。今日はこれから配信前に観ていただけるということで、ぜひ楽しんでください。本日はありがとうございました。

Huluオリジナル「あなたに聴かせたい歌があるんだ」
2022年5月20日(金)より、Huluにて独占配信(全8話)
監督・原作協力・脚本:萩原健太郎
原作・脚本:燃え殻
脚本:藤本匡太
音楽:白戸秀明
テーマ曲:キリンジ「エイリアンズ」
出演:成田凌 伊藤沙莉 藤原季節 上杉柊平 前田敦子 田中麗奈

【ストーリー】 高校2年生だった僕らは教室で、エロ本に赤い下着姿で写る27歳の女教師をクラス全員で見殺しにした。あれから10年が経ち、僕らはあの時の先生と同じ27歳になった。あの時先生が流した歌は、今の僕らに何を語りかけるのだろう…。あの時、17歳だった僕らは27歳の大人を冷めた目で見ていた。17歳は、どんな夢も叶うと信じていた無敵で最強の時期だったけれど、時間は誰にでも平等に流れている。僕らはあの時の大人と同じ27歳になった。役者になる夢を諦めきれずにもがく荻野智史(成田凌)、アイドルになりたかった前田ゆか(伊藤沙莉)、小説家志望の片桐晃(藤原季節)、武道館ライブを目指す中澤悠斗(上杉柊平)、人気アイドルのものまねに活路をみつけた島田まさみ(前田敦子)、そして17歳だった彼らの心に27歳という年齢を刻んだ元英語教師の望月かおり(田中麗奈)。27歳だった先生と27歳になった生徒たちの運命が10年の歳月を経て再び交わろうとしていた。

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