【全文掲載】成田凌「痛いことが嫌だなと」、伊藤沙莉「生意気な子供だった」人生で後悔していることとは?

MC:成田さんは、役者の道を諦めてサラリーマンになっているという荻野役でしたけれども、まず出来上がった作品をご覧になってどういったご感想になりました?

成田:いい!って思いました。教室のシーンをいっぱい撮るとか、逆に最初のスナックのシーンとか。監督はあんなに優しい人だけど、実はすごい尖った人なんじゃないかと、そういう印象を受けたというか。台本を読んだときに台詞が少なかったんですよ。セリフが少ないからこそ、やれていたこととか感じることというか、共感するようなところもあったと思うんで、その台詞がない自分たちの、例えば伊藤さんが電車に乗る後ろ姿から物語が始まっていく、その後ろ姿を見ただけで、その人の現状が分かるというか、どういう人間だっていうのが分かるような。それをちょっとずつ紐解いていく20分間が続いていて。なんだかこれは、みんなに響いちゃうんじゃないかなとも思いましたけどね。それだけ詰まっていて。だからといって押し付けがましくしたくないし、ただの傷の舐めあいでもないし、本当に寄り添ってくれる人たちがいるよねっていう、それでいいじゃないかと言うような物語なので、素敵だなと思って思いました。

MC:平凡なサラリーマンという役柄になってますけど、監督とはどういったお話をされたんですか?

成田:初めましての時に、荻野という人間がどう生きてきたか、どういう人間なんだっていう文章を頂いたので、そこから荻野という人間を考えながら。まだ余白の脚本なので、現場で監督と話し合いながらやってましたね。

MC:監督、成田さんの最後の顔がぐっときますよね。

萩原:そうですね。最後に出てくる人たちの顔が一番よく見えるようにしたいっていうのがずっとあったので。まだ人生の途中で話しは終わるんですけど、それは凄い意識しました。

MC:そして伊藤さん、前田ゆかという、アイドルになりたかった女性で、10年ぶりに実家に帰るという役柄なんですけれども、オーディションとか何か共感されることありましたか?

伊藤:あそこまで露骨に失礼な審査員に会ったことがないから、こういうのもあるかと思ったけど。最初、書かれていた台本の中で、“自分の番が終わったら帰る”っていう設定というかト書きだったんですけど、私は9歳から役者をやらせていただいてて、いろいろオーディションを受けてきたんですね。だから、その経験をもとに、監督に「自分の番が終わって、明らかにうまくいってないんで、ここにいなきゃいけない。しかも、そのほかの人たちの自己紹介からを全部を見届けなきゃいけないっていう時間が結構きついんですけど」っていう話をしてて、そしたら、「いいですね」みたいな感じで言ってくださって。「じゃあ、そうしましょう」って、残ってても、やっぱりきついんで、その胸の痛み的には自分のやってきた事が何気にその情報を生かせたっていうのはすごい嬉しかったですね。

MC:ちなみに第二話「平凡だけど退屈じゃない」は、燃え殻さんが最初に書いたエピソードだということで、その台詞も痺れますよね。

伊藤:燃え殻さんって、前にお話しさせていただいた時に、普段みんなが通り過ぎる、スポットライトが当たらない人たちに当てるのが好きっていう話を良くされていたので、なんかそういうことなのかなって今回も思いましたね。

成田:「退屈だけど平凡じゃない」っていうセリフ、「大丈夫かな?ちょっと私的すぎるかな?」みたいな事をすごい不安になってたらしいんですけど、「言う人がいると、すっと入ってくるんだな」みたいなことをさっき言ってた。「さすがです」って言ってた。

伊藤:えっ、私!? 人の言葉として受け取ってました(笑)。すみませんでした(笑)。

MC:伊藤さんは子供時代から子役として、この世界にいらっしゃいますけど、夢を途中で諦めようと思った事は無いですか?

MC:自らはないんですけど、「やめた方が良いのかな?」と思ったことはあります。「やってていいのかな」とか、自分の中でレベルアップ、ステップアップしていけるのかなっていう不安だったりとか、保証がなさすぎるから。続けてていいのかなっていうところに陥ったことはありますね。でも結局、好きが勝つから、辞めるには至らなかったですね。

MC:そして、あの藤原さんが演じられた片桐ですけれども、小説家になりたかった青年で、図書館である女性に一目惚れをするという役柄ですけれども、ラブストーリーはいかがでしたか?

藤原:ラブストーリーはいいですよね。喜怒哀楽が全部詰まってるし、離れたら寂しいし、一緒にいたら嬉しいし、楽しいし、なんかわかんないけどずっと不安だし。だからラブストーリーをやれてよかったなあって思いますね。

MC:印象的なセリフで、「芥川賞をとるので付き合ってください」と言う告白のシーンも出てくるんですけれども、成田さんが「このセリフ、藤原さんにすごくぴったりの台詞」だって。

成田:そうそう。わけわかんない真っ直ぐさというか、とりあえず言ってみるみたいな。

藤原:それでも俳優だと、「アカデミー賞を取るので付き合ってください」みたいですよね。めちゃくちゃダサくないですか?それが似合うって結構危なくないですか?大丈夫ですか?

成田:うん、似合います。

藤原:ええー、お返しします(笑)。