MC:まず斎藤さんと上野さんにに、ご自身の役どころを説明していただけますか。
斎藤:私の役は桧山健太郎という、広告マンですね。非常にスマートな生活を送っているような男なんですが、彼が突然妊娠するということで、思いもよらない出来事にぶち当たり、彼の環境も含めて自分のキャリアとも見つめ合いながら悪戦苦闘していくという役柄でございます。
上野:私が演じた亜季という女性は、フリーランスで働く三十代の女性で、原作では四十代でしたけど、ドラマでは少し若い設定になりまして、エリートで才能があって女性からの人気がある桧山と、プライベートなお付き合いをしている女性のうちの一人です。桧山から見た亜季は大人で、一緒に居ると楽っていう。亜季も結婚にすがるような、男にすがるような暇もないというか、自分の体がボロボロになっても仕事を優先するというか、まず自分が生きていけるようにならなきゃいけないっていう中で、企業に対して無理な仕事も全部やらなければいけないという弱い立場でありながらも、魂を売らずに頑張ってる女性で、桧山の妊娠をきっかけに在り方が変わっていく女性です。
MC:箱田監督、どんなドラマなんでしょうか?
箱田:1話から8話まで30分に満たないような、すごく気楽に観られるドラマなんですけど、社会派コメディと言ってますけど、いわゆるあの社会っていう捉え方もいろいろだと思いますけど、家族っていう社会もあり、会社っていう社会もあり、それぞれで生きていく中で、こういうことってあるよねっていうのが、桧山が妊娠することで、よりあぶり出されてくるようなことかなと思っていて。シリアスとコメディが半々に楽しめるような感じです。桧山も広告マンという設定なんですけど、私も広告の仕事をがっつりやってるので(笑)。
MC:菊地監督はいかがですか?
菊地:現場でも、今日も男女半々ですけど、スタッフもキャストもいろいろな思いを持って臨んでいただいて、現場でもいろいろ議論もしましたし、一番若いスタッフの意見を聞いたりとか、いろんな考えが入ってきてるドラマかなと思って。まさに今、世の中的にもいろんな価値観が変化していこうとしている空気もありますし、その中で観て頂くといろんな気づきとか発見みたいなものがきっとありつつ、見終わった後にいろんなことを話せるじゃないかと思います。
MC:最初に斎藤さんをキャスティングした理由は何だったんでしょうか?
箱田:大きな会議みたいなのがあったんですけれども、ただここでキャスティングした理由を言うと、公開告白みたいな感じになっちゃうんですけど(笑)。桧山に関しては、すべてにおいて摩擦なくスムーズに、スマートに、仕事に関しても全てパーフェクトに行うみたいな感じの事を良しとしているというか、1話の頃は、仕事もプライベートも自分の思い通りであるみたいな感じのところから、妊娠をきっかけにどんどん転がっていくわけですけれども、桧山がどんどん変化して行く様みたいなものが、七転八倒していく様っていうのがコミカルでもあり、ちょっと胸を打つところもありっていうところで、誰にお願いしたらリアリティを出せるのかということで、ぜひ斎藤工氏に七転八倒して頂いたら楽しいものになるかなと思いました。ビビッときました(笑)。
斎藤:実際、自分もキャスティングさせていただく立場の時もあるんですけど、結構色んな候補の方々が出揃いますよね(笑)。だから僕を選んでいただけてラッキーだなと思いました。
MC:上野さんに関してはいかがですか?
箱田:亜季という役柄がすごく難しくて、上野樹里氏が決まったときのみんなの泣き崩れ方が(笑)。
上野:ちょうどNetflixやりたいって言ってたんですよね。Netflixとかやらないと思われてたんで、「やるんですか?」みたいな感じで。大丈夫でしたか?
箱田:大丈夫ですよ(笑)。
菊地:ちょっと難しい役どころで、男性側から見る亜季と女性側から見る亜季でちょっと違ったりとかしてた中で、上野さんの名前があがった瞬間、みんなに“見えた”感じがあって。斎藤工さんとの絡み合い方が絶妙になるんじゃないかなっていう期待もあって、みんな喜んでましたよね。
MC:難しい役どころでしたよね。
上野:桧山が妊娠して、体の変化とともに女性がよく感情的になりやすいっていうのはあると思うんですけど、ホルモンバランスの変化でそうなっていく姿を目の当たりにすると、そういう時ほど理性を失わない女性の真の強さみたいなものが亜季にはあって、でもそこにイラッとしたり、身をもって分からないからこそ冷静に居られるわけですけど、上からものを言われたら、桧山はイラっとするし、そういうところで女性らしいなって自分で思う強さみたいなものを感じるところもあるし、でも子育てとか子供に妊娠に関して言う一言が、男性にも共感してもらえる部分があるといいなと思いながら、一つ一つやってましたね。