【全文掲載】アンセル・エルゴート「第二の故郷に」、山下智久「中から見ていた」、全編日本ロケで“東京”の見え方に変化が!

MC:ありがとうございます。まずはアンセルさんに、今回日本人キャストとの共演となりましたが、いかがでしたでしょうか?

アンセル:とっても良かったです。渡辺謙さんはレジェンドですよね。だから一緒に仕事ができて、とても光栄です。私が初めて謙さんの映画を観たのは『インセプション』です。それから謙さんの表情と声の素晴らしさに感動しました。『硫黄島からの手紙』は感動的でした。

渡辺:この作品の話をしろよ…(笑)。

アンセル:『明日の記憶』も…(笑)。謙さんの演技は、いつもどんな作品でも素晴らしいと思います。だから一緒に仕事ができてとってもとっても光栄です。伊藤英明さんとは、とってもウマが合いましたね。実は新年には故郷に招いていただけました。英明さんとは文字通り裸の付き合いをしました。毎日温泉に入って、ご家族と食事してお母さんの手料理をご馳走になりました。岐阜城の山にも登りました。新年には初詣にみんなで行きました。たくさんの思い出が出来ました。だから英明さんにとっても感謝しています。笠松将さんの演技は大好きです。笠松将さんは、クールで不思議な魅力のある俳優です。クールでも時々感情を激しく表現します。一度、将さんの演技を見たらきっとファンになると思いますよ。

笠松:ありがとうございます(笑)。

アンセル:菊地凛子さんは感情をリアルに自由に表現します。時々そんな自然に出る演技がハッとさせるんです。そんな凛子さんの姿が深く印象に残っています。謙さんの演技は緻密で完璧ですが、僕は凛子さんの方が好きです。

菊地:すいません、謙さん(笑)。

渡辺:(苦笑)

アンセル:(笑)。今回、山下智久さんとのシーンはありませんでしたが、智久の演技はとってもかっこよくて、もちろんみんなよくわかるイケメンですね(笑)。だからホストのキャストは完璧だったと思います。以上です(笑)。

MC:ありがとうございます(笑)。今回は全編日本ロケのハリウッド作品でございましたが、いかがでしたでしょうか。まずは渡辺謙さんからお願いします。

渡辺:1990年代を描くということで、とても近いようで結構古い、例えば街の景色にしても、衣装にしても小道具一つにしても、非常に近いようで遠い昔のもので。最初にマイケル・マンが監督をしてくれたんですけども、非常に彼のリアリスティックな表現に全スタッフがついていくのはとても大変でした。だけど、全員がこんなに大変な仕事は初めてだった。でもこんなに楽しくて面白くて豊かな現場を体験できて本当に嬉しかったと話していました。もちろんキャストもその通りで、日本が大きく揺れ動く時代で、脚本のJ・T・ロジャースが、それぞれのキャストに素晴らしいバックグラウンドを書いてくれたんですね。一通りの新聞記者役、刑事役って言うだけではなくて、それぞれに闇があったり、家庭があったり、いろんな含みを持たせた脚本を書いてくれたので、本当にやりがいのある作品でしたし、1本の映画では描ききれないストーリーが8本の中にあるんですね。もしかすると、8本でも描ききれてないストーリーがあるんですね。だからこれだけの大きなプロジェクトの中で参加できたっていうのは本当に楽しみでもありますし、この先僕自身もすごく楽しみにしています。

MC:菊地凛子さんはいかがでしょうか?

菊地:私も本当に自分の見慣れた場所から現場に向かうわけですけれども、セットとか新聞社の場所もすごくリアルで、ビルの奥から全部作り込まれている場所をマイケル・マン監督に歩かされて、ちょっとセリフを言うようなところでも、臨場感を持たせるために、広い新聞社の中でエキストラの皆さんを動かしていくんですけれども、その中で自分が歩いていって自分のデスクに座るっていうまでの芝居でも、なかなかの距離あって、やることが沢山あって、3カ国語ぐらい喋らなきゃいけなくて、とにかく自分のことで精一杯で(笑)。そういう意味でもリアリティとか臨場感とか、90年代の東京を描かれていると思いますし、その環境下でも日本語を一生懸命アンセルが頑張っていて、彼は本当に情熱をもって新聞記者を演じていましたし、私自身も緊張していたんですけども、マイケル・マン監督に「しっかりして。女優だろ?」って言われて(笑)。ああ、そっか。そうだよなー、頑張んなきゃなー、みたいな(笑)。覚悟を決めて現場に挑んだっていう感じで、毎日がすごく新鮮でした。本当に良い経験をさせて頂きましたし、これがもっともっと広く皆さんに観ていただける作品になっていくといいなぁと、育っていくといいなというふうに心から思っています。