MC:完成した映画をご覧になっていかがでしたか?
中島:本当に涙が止まりませんでしたね。人に対しての思いやりがたくさん込められている映画でもありますし、一つ一つのシーンが本当に美しくて観ている人を魅了する映画というか、自分自身も深川監督の演出によって、この作品の世界観に溶け込めたということもあるので、この映像を見て自分が思ったことは本当に美しい映画になったなあっていうふうに自分でも思いました。
松本:最後の方はずっと泣いているぐらい(笑)。自分が出てる作品なんですけど、やっぱりすごく温かい現場でしたし、その温かさっていうのはきっと真ん中に立っている中島さんの持っているものからきていたんだなあっていうのを作品を観ていてもすごく感じましたね。
MC:役作りで心がけたことはありますか?
中島:人間らしいというか、本当に身近に居るどこにでもいるような青年。それが晴人という役だったので、自分の中で小さい頃の記憶を思い出してみたりとか、あと監督にお勧めしていただいた楽曲を聞いてみたり。自然体の自分に、より近づけるような時間の使いかたをしていたんですね。で、その中で、これ自分の中のルーティーンだったけど、やめたことが一つあって。香水を付けるのをやめました。常日頃、香水っていうのは絶対に自分の中で必要なアイテムなので、それを役作りする上で撮影期間中は全くつけなかったですね。
MC:松本さんは役作りで心がけたことはありますか?
松本:病気にかかってしまうっていうところが大きな展開ではあるんですけれども、美咲っていう人のことを考えて、前半の晴人くんと出会って、すごく幸せな時間があって、その後の病気の時間、自分の殻に閉じこもってしまう時間なので、その中にずっと美咲の中には晴人くんが居るので、支えになっているというか、ずっとひとつの光になっていて、そこが大事だなあと思っていたので、やっぱり撮影の前半部分の晴人くんとの時間っていうのは、一瞬一瞬ちゃんと楽しもうっていうのは、ものすごく意識していたと思います。
MC:深川監督にお聞きしますが、演出でこだわられた点はありますか?
深川:初めて運命の人に出会ったことを感じる2人の瞬間で、撮影が2021年3月11日から始まったんですけど、そこを冒頭に持っていって、一番濃密な一番輝く瞬間っていうのをこの2人で作っていくんだって、それは台本にはそういう時間は書いてあるんだけれど、具体的なことはあまり書いてないので、この2人でシーンを作っていくんだって、そういう瞬間を最初に持ってきたんですね。で、それがリハーサルをさせてもらったりとか、今刹那で輝いている一番いい時間を2人で共有することから撮影を始めていて、それを一週間やった後に、だんだん2人の会えない時間が増えてきて、晴人くんが美咲ちゃんを想う時間がどんどん募っていけばいくほど、クライマックスの時にお互いが求め合うことが、いじらしくて突き刺さるものになっていくんじゃないかと思って準備をしました。