MC:内面からこだわったということですが、中田監督とはどのようなお話をされたんでしょうか、監督。
中田:クランクイン前に何度か話し合いました。台本に“貘がハーモニカを吹く”ってあったんですよ。でも、「貘の持ち物はカリカリ梅だけ」と横浜くんに言い切られまして。僕は何とかハーモニカを吹くバージョンと吹かないバージョンと両方撮れないかと思ったんですけど、良い意味で見事な近年稀に見る頑固者で。「絶対に吹きません」と(笑)。
横浜:(笑)。「絶対に吹きません」って言いました(笑)。
中田:で、結局他の俳優さんが吹いたんですけど、それも全部切ってます。だから彼が正しかったということです。
横浜:いやいや(笑)。やっぱり原作をリスペクトっていうところで、カリカリ梅が一番大事だなと。ここにハーモニカが入ってくると、カリカリ梅の強さがなくなってしまう、でも監督の言っていることも分かるっていうところで、結構話しましたよね?
中田:3回ぐらいは。相まみえて。でも楽しかったですよ。横浜君と僕との距離感が縮まって、初日、2日目ぐらいでバチッと同じ方向を向けたので。
横浜:そうですね、本当にそこで話し合えて良かったです。お互いの方向確認ができたんで。
MC:佐野さんは横浜さんと本作で初共演ということになりますけれども、意識したことはありましたか?
佐野:皆さんが現実離れしたキャラクターなので、普通に人を殴ったり拳銃出したりするキャラクターの中で、僕は一般の普通のキャラクターだったので、皆さんと同じ目線に立ってお芝居できるようにというのはすごく意識しました。
MC:横浜さんと共演されて共演の前と後で横浜さんの印象は変わりましたか?
佐野:変わりましたね。流星くんにクールなイメージを持たれている方が多いのかもしれないですけど、僕はすごく仲良くさせてもらって、意外とスゴイ喋ってくれますよね。
横浜:話すね(笑)。
佐野:仕事のこともプライベートのこととかもすごい話しますね。一番知ってるかも知れないです、僕のこと。
横浜:勇斗? それはないんじゃん(笑)。
佐野:そりゃないか(笑)。
MC:横浜さんは佐野さんとの共演はいかがでした?
横浜:ある種、もう一人の主人公なので、皆さんは梶に感情移入して観ると思うんですけど、やっぱり個のキャラクターが強い中で、勇斗はこっちに合わせなきゃいけなかったんですけど、いい塩梅で梶を作ってくれたし、勇斗の人懐っこさとかフラットな感じがマッチして魅力的な梶になってると感じました。
佐野:ありがとうございます。
MC:そして白石さんは普段のイメージとはかなり離れた役だったかと思います。蘭子を演じられていかがでしたか?
白石:見た目のインパクトが一番大きいかなって思って、衣装もヘアスタイルも派手な感じで、ヘアもほとんど地毛で作らせてもらって、私もどんどん蘭子に変わっていく自分を見ていて、すごい楽しませてもらいました。かっこいいだけじゃなくて、ふとした瞬間に見せる女性らしい表情もあるので、見ていただけたらいいなって思います。
MC:声色が変わっていらっしゃるじゃないですか。あの辺りは練習されたんですか?
白石:そうですね、気を抜くと戻っちゃうので、そこは監督に何回も何回も「いつもの白石さん出てるから」と言っていただきました(笑)。