松永:なってたんですよ(笑)。撮影中はコロナだったので、みんなご飯とか食べに行けないんですよね。で、ホテルでみんなでこもっていたんですけど、坂口さんはロビーで毎晩お酒を飲んでて、そこの横に坂口さんの組の役のメンバーがいつもいたっていう(笑)。あと、ディーンさんって、めちゃくちゃ身体すごいんですよ。アクショントレーニングを見ていても、格闘家なんじゃないのかなと思うくらいすごくて、だからこそ坂口さんのような方じゃないと、しっかり撮れないんじゃないかなと思って。だからアクションシーンの撮影で結構大変なんですよ。ワンシーンごとに撮った後に、みんな休憩する時間があるんですけど、ディーンさんの周りにはトレーナーの人がいるんですけど、坂口さんの周りには劇中の組員が横にいました(笑)。
ディーン:組員がタバコを渡したりしてるんですよ(笑)。すごい面白くて(笑)。
MC:坂口さんは格闘家の方ですから、ご一緒するんだったらさらにパンプアップされたんじゃないですか?
ディーン:そうですね、役作りとして立石のキャラクターに説得力を持たすために必要な肉体であったり、動きとか技術というものはもちろん準備していきました。陣内っていうキャラクターが絶対不動なキャラクターとしていてもらえないといけないじゃないですか。この人は強いんですって周りの人が情報で言ったりするんじゃくて、見たら分かるっていう説得力が大事だったと思うんですよね。だから、立石はどうやっても勝てないでしょうっていう陣内でいていただいて、本当にありがたかったです。
松永:でも坂口さん、ディーンさんの肉体を見て、何か言ってましたよね?
坂口:最初、ディーン・フジオカさんってこんなにでかかったっけ?というのが第一印象で、すごいストイックに身体を作り上げてきたなと感じましたね。
松永:「東京戻って筋トレした」って言ってましたよね(笑)。
坂口:そうですね(笑)。ちょっと悔しくなったので練習しました(笑)。
MC:蒔田さんは、そんな現場の中でみなさんを見ていていかがでしたか?
蒔田:そうですね、私はそんなにアクションはなかったので、現場で見られなかったシーンが多かったんですけど、完成した作品を観て、みんな大変だったろうなぁって思いましたね。ほんとに激しいので…、おつかれさまでした(笑)。
MC:ディーンさん、『Pure Japanese』というタイトルは、どういった意図から作られたのでしょうか?
ディーン:まず最初に、現代社会において日本人の定義って何だろうっていうところからスタートして、DNA的にまったく日本と関係ない人でも、日本で生まれ育ったら日本語を喋って日本人みたいな感じじゃないですか。逆に両親が日本人だとしても、海外で生まれ育って国籍も違ったり日本語も喋れないとか普通にある中で、「日本人の定義って何だろう?」って考えたときに、やっぱり日本語を使う人、“日本語人”かなって思って。「日本ぽい」とか、「これが日本だ」とか、極端な例でいうと「日本のここがすごい」みたいな話になってくると思うんですけど、そういうのを見ている時に、純化された「これが日本人」だっていうイメージって一体何なんだろうって、その根拠はどこにあるんだろうと思って。今ってDNAヘルスチェックキットで自分のDNA構造って分かるじゃないですか。PCR検査キットみたいな感じでパッと「あなたの日本人度はこれぐらいです」みたいなのが出てきたら面白いなあと思って、0から100までメモリがあるとしたら、「Pure Japanese」っていうそのキャッチフレーズというか商品名が、可愛いらしいんだけどすごく皮肉でもあって、存在の根底を揺るがされるような恐ろしさみたいなものも感じられたりとか。そこにいろんなダブルミーニング、トリプルミーニングが込められるなぁと思って、それで「Pure Japanese」っていうタイトルにしました。
MC:ありがとうございます。さて、今のタイトルにちなみまして、「ご自身はピュアですか?」という質問です。坂口さんからいかがでしょうか?
坂口:これだけ長く生きているんで、あまりピュアではないと思うんですけど、先ほどから話がでているように、長山組組員一同として、どうやったら立石を倒せるのかと、それを夜な夜な作戦会議という名の反省会を色々とやりまして、組長として組員のためにひと肌脱いでやりたいという思いがあって、今考えるとピュアな気持ちで撮影していたんだなと思って(笑)。そういう部分はピュアかなと思いました。
ディーン:坂口さん、会社も経営されているじゃないですか。そのお話しを聞いたときに、いろいろ大変だと思うんですけど、ピュアだなと思ったんですよね。従業員に対しての思いというのが。そこらへんが、陣内と通ずるものがあるんだなと思いましたね。
坂口:そうですね。そのまんまだった思います。
MC:蒔田さんはどうですか?
蒔田:私は、まだピュアだと思います(笑)。撮影現場とかなんですけど、カメラマンさんだとか照明さんだとかって、上司がいて部下がいてっていう形で、上司の人にきつく言われている人とかを見ると、同じくらい悲しい気持ちになっちゃったりします。ちょっとピュアだなって思いますね(笑)。
MC:ディーンさんはいかがですか?
ディーン:ものを作るということに対して、ピュアでいたいなと思いますね。それが例えば音楽であっても、何であっても、自分が作るものに対してピュアでいれたらいいなぁって思いながらやってます。