【全文掲載】加賀まりこ「次の作品は重要ですよ」、塚地武雅「『桜切るバカ』作るしかない」『梅切らぬバカ』監督にエール!

MC:ありがとうございます。さて、最後にはなりましたけれども、今から作品をご覧くださるお客様にメッセージをいただければといます。監督からお願いします。

和島:この映画では、とても日常というものを大切に描きました。コロナ渦を経て、日常というものをどれだけ自分たちが守ろうとしているのかということ僕は痛感しながら撮ってたんですけれども、やっぱりみんなが自分の日常をとても大切にしていて、それがとても譲れないものであると。それゆえに時々意見がぶつかり合ったりするときもあると思うんですけれども、この映画が終わったあとも、この映画に登場する人たちの日常というのは続いていく。その時にまた皆さんの日常で、この映画で描かれるような人たちと出会うことがあったり、こういった問題に触れることがあったりした時には、この映画を観たときのことを思い出していただけたらなぁと、見守っていただけたらなというふうに思います。どうかこれからもよろしくお願いします。

塚地:一日一日の積み重ねが人生ですし、その人生の中には苦労もたくさんあるでしょうけど、幸せもたくさんあるということを教えてくれるような映画だと思います。山田家の親子を温かく見守っていただけたらなと思います。もしよろしければ、観終わって良かったなと思われたら、SNSに感想なんか書いていただいて、より多くの人に伝わるように。なんならお友達に口コミという形で「良かったよ」と薦めていただいたり、なんなら電車の中で独り言でも「『梅切らぬバカ』良かったな~」なんて言って頂けたらというふうにも思います(笑)。本日はこの後、楽しんで観てください。

加賀:忠さん、そんなに押し付けちゃダメでしょ(笑)。

塚地:すみません(笑)。

加賀:私はもう、ただひたすら皆様が観終わって、こういう息子を街の中で見かけることがあると思います。決してこの子達は攻撃的なことはないので、手を差し伸べなくてもいいので、微笑んであげてください。それだけをお願いいたします。

『梅切らぬバカ』
11月12日(金)より、シネスイッチ銀座ほか全国公開
監督・脚本:和島香太郎
出演:加賀まりこ 塚地武雅 渡辺いっけい 森口瑤子 斎藤汰鷹 林家正蔵 高島礼子
配給:ハピネットファントム・スタジオ

【ストーリー】 山田珠子(加賀まりこ)は、息子・忠男(塚地武雅)と二人暮らし。毎朝決まった時間に起床して、朝食をとり、決まった時間に家を出る。庭にある梅の木の枝は伸び放題で、隣の里村家からは苦情が届いていた。ある日、グループホームの案内を受けた珠子は、悩んだ末に忠男の入居を決める。しかし、初めて離れて暮らすことになった忠男は環境の変化に戸惑い、ホームを抜け出してしまう。そんな中、珠子は邪魔になる梅の木を切ることを決意するが…。

©2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト