MC:石橋凌さんは、小松菜奈さんの意外な一面を教えてもらっていいですか?
石橋:その前に遣都くんのを。私もシーン的には少ないんですよね。ただ数年前にNHKのドラマで遣都くんと、息子と父親役で共演させてもらいまして。もう、その時から壁は厚かったです(笑)。そして、今回も現場に行きますと、やっぱり壁が厚くてですね、一緒のシーンじゃないんですけども、今日ほどまだコロナが深刻じゃない2020年の2月、3月でしたから、それでも役柄的にマスクをしてゴーグルをつけて、防護服みたいなのをかぶってますので、なおさら壁が厚いと思いました(笑)。でも今日は本当に、朝からすごくにこやかで。おめでとうございます(笑)。
林:あ、ありがとうございます(笑)。
石橋:それで、菜奈さんは初めてご一緒しまして、家を出て行こうとする孫娘を止めるおじいさん役ということで、映画の場合はリアルな部分が重要だと思いますので、アクションのシーンでも手を抜かないというか、力を入れないとお互いの遠慮がスクリーンに映ってしまうので、ある程度力を入れてやりまして、「菜奈ちゃん、どう?」と聞いたら「全然大丈夫です」とのこのとだったので、本番も思いっきり力を込めて、2人の揉み合いのシーンを撮ったんですけど、意外な部分というのは、小松菜奈は屈強だというね。頑丈であるということです。
小松:私は頑丈です(笑)。
MC:林さんは、小松さんの意外な一面に気が付きました?
林:女優さんとしても異色だと思いますけど、お話ししてみるととっても良い意味で普通の感覚を持った、接しやすい方で。菜奈ちゃんとは、壁は厚くなかったよね(笑)?
小松:そうですね(笑)。
林:僕は、ある程度期間がないと、最初から話すもんじゃないと。菜奈ちゃんにはいつも驚かされるんですけど、今日も『スター・ウォーズ』に出てきそうな、どこかの星の王女みたいな格好で(笑)。宣伝活動中、いつも菜奈ちゃんと一緒に現場に入ったら、まずはスタイリストさんと「今日の菜奈ちゃんの衣装を確認しましょう」と。菜奈ちゃんに負けない、一緒に並んでも「“かすまない林”でいこう」と話して(笑)。今日は衣装を見させていただいて、僕の楽屋では「今日の菜奈ちゃんは、“王女”で来ました」というような話し合いが行われておりました(笑)。
MC:小松さん、知ってました(笑)?
小松:知りませんでした(笑)。メイクルームの壁は薄いんですけど、そんな話はなく(笑)。でも、今日は遣都さんも、衣装の模様が寄生虫みたいな(笑)。
林:合わせさせていただきました(笑)。
MC:ありがとうございます。本作は虫の仕業で恋に落ちるというストーリーなんですけれども、皆さんが今まで経験された“運命の出会い”を教えていただけますか? 林さん、どうでしょう。
林:今回の現場のメイクさんが、僕が10代の頃に一度ご一緒させていただいたメイクさんなんですけども、今回10年ぶりぐらいで、あのときのままお母さんのように接してくださって、支えてくださって。壁が厚いエピソードの言い訳なんですけど、本当に難しい作品で、心の変化していく様がとても難しくて、撮影も順番がバラバラで、自分の中でいろいろなことを整理しなきゃいけない状況で、朝から現場に入ってメイク時間もずっと台本とにらめっこしていた記憶があるんですけど、そんな中でメイクさんが、さりげなくクラッシクミュージックをかけてくださったんですよ。その時にすごく集中できて。ゾーンに入ったというか。いろんなひらめきがあったりして。クラシック音楽って、そこまで聴いてきた訳ではなかったんですけど、メイクが終わったことも気づかなかったぐらい集中したんですよ。それが、後から聞いたらフジコ・ヘミングさんという世界的ピアニストの音楽で、その出来事があってから、集中したい時とか行き詰まった時とか、フジコ・ヘミングさんのピアノを聞くようにしていて。自分にとってスイッチを入れる為の毎日のテーマ曲みたいになっていて。なかなか仕事が空いている日にコンサートのチケットが取れなかったんですけど、今日、ネットでコンサート情報を調べていたら、2階の1席だけポツンと空きがありまして、取ってきました (笑)。
MC:運命ですね(笑)。小松菜奈さんはいかがでしょうか?
小松:すごい個人的な話なんですけど、私の周りに、名前が“ゆうすけさん”と“まいさん”っていう人が多いんです(笑)。“ゆうすけさん”と“まいさん”という夫婦で、すごい仲の良い方が2組いるんです。これは運命なんじゃないかなって思うんですけど。きっとこの会場にも“ゆうすけさん”と“まいさん”っていう名前の方がいるんじゃないかな?
MC:いますか?(会場から手が上がり)
小松:いた! 運命ですね(笑)。いつも、“ゆうすけさん”と“まいさん”の話になると、どっちの話をしているのかも分からなくなるというか、お互いに(笑)。
MC:ありがとうございます。井浦さんはいかがですか?
井浦:僕は毎年、誕生日にバースデー登山をするようにしていて、その日は仕事しないって決めていて、誕生日はどっかの山に登るんですけど、今年は山梨県の金峰山に1人で登ったんですね。その1日しかチャンスがないので、天候がどうであれとりあえず現地まで行ったんですけど、曇りで霧も多くて全く景色が見えない状態で。なんでその山に行ったかっていうと、山頂に五丈岩っていうとんでもない巨石がありまして、その巨石を目指して登山したんですけど、もう全然見えなくて。山道も真っ白で、山頂に行っても景色は望めないなーって思いながら3時間くらいで頂上に着いたんですけど、荷物を降ろしてカメラを出してとかやってたら突然霧がびっくりするくらい晴れて、五丈岩が本当に“登場!”みたいな(笑)。五丈岩だけじゃなくて山梨と長野の県境にある山なんですけど、山梨も長野もクリアに見えるような状態になって。五丈岩が誕生日プレゼントをくれたような、山とか自然って時として呼ばれてしまうというか、運命的というか偶然にしてはなあという、山のギフトをいただいたっていう感じです。
MC:山と会話ができるんですね?
井浦:できません。やめてください、おかしい人になっちゃうので(笑)。そういう方向を持っていかないでください(笑)。