【全文掲載】小松菜奈「すごい個人的な話なんですけど…」“運命的な出会い”を告白!

MC:石橋さんはいかがですか?

石橋:私は2人恩人がいまして、一人の方は九州博多のラジオ局のディレクターの方でした。この方が背中を押してくださって、プロデビューすることができました。バンド活動をずっと続けてたんですが、ある時に限界を感じまして。もう九州に帰ろうと思っていた時に、原田芳雄さんのお宅で毎年忘年会があったんですけど、そこにお邪魔していた年に、たまたま松田優作さんが来ているって事を聞いたんですね。もう直感的でした、“自分の今抱えている問題の相談に乗ってもらえるのは優作さんしかいない”って勝手に思ったんですよ。優作さんが飲んでいらっしゃる前に正座をして、「初めまして。石橋といいます」って言ったら、「ああ、知ってるよ。なんだ?」とおっしゃるので、「実は今悩んでます。話を聞いてもらえませんか」って言ったら、「分かった。じゃあ家に来い」ということで、お宅にお邪魔しまして。で、いろいろそれまでの経緯なんかをお話しましたら、「分かった。お前、いつか映画で顔と名前を売れ」とおっしゃったんですね。それから半年後にお宅に呼ばれまして、行ったら優作さんが監督・主演の『ア・ホーマンス』という台本がありまして、「お前、この役をやれ」と。本格的な作品に参加したのはその時が初めてでした。ですから私にとってはそのお二方が恩人ですし、運命の人です。

MC:ありがとうございます。監督はどうですか?

柿本:僕はあんまり運命というか、人生にあまり偶然はないと信じたい派なんですけど、ちょっと変な話があって。自分の会社の名前は“コネクション”というんですけど、22歳の時に初めてブラジルに行ったんですね。初めて行った海外がブラジルで、サルバドールっていう村があって素晴らしい場所で。英語もポルトガル語も喋れないのに行って、ガイドしてくれた2歳上の人が町からさらに車で9時間くらい走った山に連れて行ってくれて、3日くらいかけてずっと山を登っていくんですよ。滝の上に泊まって、3日後に青い洞窟に着いたんですね。幻想的な洞窟で、言葉も分からないから、下山しながらカタコトでしゃべっていると、彼が「僕と君が会ったのは“コネクション”だよ」って言うんですよ。僕はそれまで“コネクション”っていうのは、あんまり良い言葉だと思ってなかったんですね。コネで大学入るとか。でも「これは初めから決まってた運命だから、僕はこの特別な場所に君を連れてきたんだ」と。で、それから十何年経って、ロサンゼルスに行った時にロスの友達に電話しようと思って、藤谷文子さんっていう女優さんがいるんですけど、電話をしたら「会おうよ。ちょうどあなたのことを話してたのよ」と。「何を話してたの?」と聞いたら、藤谷文子さんの隣に居た人が韓国人のカメラマンの方で、紹介しようと思っていたんだと。で、「今どこにいるの?」って聞いたら、10メートル先に居たんですよ。『オールドボーイ』っていう映画のカメラマンだったんですけど、そのまま韓国料理屋さんに行ってお話をして、僕が「会社を作ろうと思っている。“コネクション”っていう名前がいいと思っていて、日本にはご縁っていう言葉があって、それを直訳する英語はないんだけど、もしかして“コネクション”なんじゃないかと思って、それがいいなと思った」と。そしたら、たまたまその人も「さっきその話しをしていた」って。やっぱりいい言葉なんだなぁと思ったっていう。

MC:それはミラクルですね…。さて、ここでお時間です。最後に代表して監督と小松さん、林さんからメッセージをいただきたいと思います。まずは柿本監督からお願いします。

柿本:この映画にクランクインする日に、世の中がどんどんよく分からない方向にいって、スタッフとキャストの皆さんの前で一言だけ喋った時があるんですけど、「今、何が本当なのか、何が正しいのかとかよく分からなくなってると。でも、この映画は心をテーマにした映画だから、いろんな事があるけど自分の心だけを信じて、この映画を作りましょう」と言った記憶があるんですけど、何か困った時は自分の心に耳を傾けていただきたいなと思っています。ありがとうございます。

小松:今日はお越しいただきありがとうございます。この作品の中で閉園してしまった“としまえん”だったり、。“ヴィーナスフォート”(2022年3月27日に閉館予定)が出てきます。私たちにとってもこの作品ですごくお世話になった場所でもあって、思い出の地なので、この作品の中に最後を残すことができてよかったなと思いますし、私も25で、制服姿が正直きついです(笑)。さすがに25歳で制服はキツイなあと思っていたんですけど、今回で見納めというか、この作品で最後なのかなと私は思ってます。いろんな意味で最後のものを、この映画でお楽しみください。今日は本当にありがとうございました。

林:今日はありがとうございました。まだまだ息苦しく感じることも少なくない日々は続くと思いますが、この映画の登場人物たちのように大切なものに目を向けて、ぬくもりを感じたり本当に身近にあるささやかな幸せを噛み締めて、一緒に頑張って生きていきましょう。今日は本当に天気がいいので、双眼鏡を持っていらっしゃる方がたくさんいるので、この後スカイツリーとかに出かけられたらいいんじゃないかなと思って。僕もどっかに、なかなかない青空だと思うので、そういうものからいろんなことを感じて、まだ1日長いので、いい日をお過ごしください。今日はありがとうございました。

『恋する寄生虫』
11月12日(火) 全国公開
監督:柿本ケンサク
原案:三秋縋「恋する寄生虫」
脚本:山室有紀子
主題歌:Awich「Parasite in Love」
出演:林遣都 小松菜奈 井浦新 石橋凌
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 極度の潔癖症で人と関わることができずに生きてきた青年・高坂賢吾(林遣都)。ある日、見知らぬ男から視線恐怖症で不登校の高校生・佐薙ひじり(小松菜奈)と友だちになって面倒をみてほしい、という奇妙な依頼を受ける。露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だったが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。世界の終わりを願っていたはずの孤独な二人はやがて惹かれ合い、恋に落ちていくが…。

©2021「恋する寄生虫」製作委員会