【全文掲載】天海祐希「堅実で古風。私たちより立派。良くできた娘さん」“ちゃっかり娘”を大絶賛!

MC:ありがとうございました。ここで質問です。氷川きよしさんが歌う主題歌「Happy!」にちなみまして、皆さんの最近ハッピーだったことを伺いたいと思います。天海さんはいかがでしょうか?

天海:それはもう、この映画が公開できる今日の日を迎えたっていうことですね。1年間。公開を延期するというのは、本当に制作サイドの皆さんの苦渋のご決断だったと思います。大変な思いもされたでしょうし、1年間待ったとしてもどういう状況になっているかも分からないまま。でも、1年待ちましょうっていうことでご決断されて。まあね、その1年間というのは、皆さんにこの映画を知って頂くためのお時間を頂けたと思えばいいじゃん!なんて、私はすごく前向きに捉えたんですけれども、本当にその結果、世の中の皆様のご努力その忍耐と我慢のおかげで、こうして客席100パーセントで公開初日を迎えることができて、こんなにハッピーな事がございましょうか!? 皆さんのお元気そうなお顔も見られて、でも皆さんちゃんとマスクもしてくださって、ここに集まってくださっていて、本当にありがたい。もうハッピー以外ないですね、章さん!

松重:その通りでございますよ。ここまでの言葉が出たら、どうハッピーを繋げば良いか分からないぐらいなんですけども(笑)。本当にこの日常が幸せだと思えるっていうのは、やっぱりこの2年間があったってことだと思うので。2年前に撮影していて、孫が生まれるみたいな話もしていましたけど、私事ですけど今年生まれた私の孫に今月ようやく会えました。それも小さなハッピーだったなと思いますね。そういう日常が戻ってきたっていうことが一番のハッピーかなっていうことですね。

MC:新川さんはいかがですか?

新川:この後に何も出てこないですけど…(笑)。でも、やっぱり今日を迎えられたという事は本当に嬉しいですし、正直、作品を撮影したら世に出せるものだという感覚でずっと来てましたので、去年作品が公開されず、当たり前のことじゃないことを初めて実感させていただいたので、今日を迎えられたということがハッピーだなぁと思います。

MC:草笛さんはいかがでしょう?

草笛:私は昔の女優ですから、映画を撮り終わったら私達は何もしなくても良くて、こうして皆様の前に出させていただいたり、しかも映画の公開を迎えられたことを感じたことないんですよね。映画は撮ったらそんまんまだったんです。だから、映画の初日ってこういう感じなんだと初めて味あわせていただきました。本当に素晴らしい、嬉しいことです。心おきなくあの世いけます(笑)。

MC:監督はいかがでしょうか。

前田:撮影中はすごくハッピーでした。すごく思い出しますね、こうやってお会いすると。初めて言うんですけど、僕は小学校の頃から宝塚をよく観て、宝塚のファンだったんで、天海さんとお仕事できることに実はすごくときめいてたんです。小学校の時は僕の中では鳳蘭がアイドルだったんですけど、それからずっと、いつか宝塚のスターとご一緒したいなと思っていて、天海さんと今回お仕事できる事になり(笑)。

草笛:私とは?

前田:あっ…(笑)。もうひとつハッピーなことも思い出しました。現場で草笛さんの歯が取れたことが(笑)。監督って残酷な面もあって、何かアクシデントが起きないかなと、面白いアクシデントが自然に起きないかなって、いつも期待しているんですよね。そしたら草笛さんの差し歯が取れたんですね。

草笛:目の前でポロッと取れちゃったんですよ。あんなに恥ずかしかったことないです。そしたら、「このまんま撮影させて」って。大変なことですよね、私の一生に関わりますから。しかも前の歯ですよ。にこっと笑ったらお終いですよ。ポロッと抜けたんです。それをこの方(天海)が拾ってくださって(笑)。

天海:ちょっとお話ししていたら、「草笛さん、今なんか落ちましたよ」って言って。「あら、歯がないわ」っておっしゃって。みんなまるでコンタクトを探すように、落ちた歯を探して、「ありました!」って。その日はずっと撮影が入っていたので歯医者にも行けなかったんですよね。

草笛:歯医者さんにも反省してもらわないと。女優の歯を入れる時は完璧に入れてくださいねって。

天海:でも品があるんですよ、草笛さんは。何をされても。ねえ皆さん。たとえ毒蝮さんと格闘されても、歯がぽろっと落ちても、かっこいいんですよねー。

MC:それが監督のハッピーな出来事ということですね。

前田:きた!と思いましたよね(笑)。さらに面白くなるなと。十分面白いシーンになるという手応えはあったんですけれども。

草笛:三谷幸喜さんを連れてくるし。

前田:鼻がくっついてましたね(笑)。

草笛:「もっと顔を近く」とおっしゃっている言葉は聞こえたんですけど、私は目をつぶって笑わないようにしてたんですよ。そしたら鼻にチュって。ひどいですよねえ。

前田:あのシーンはラブシーンのつもりで撮ってたんで。

草笛:どうして市役所の人が私とラブシーンしなきゃいけないんですか? だったらこの次はラブシーンのある役にしてくださいね(笑)。

MC:次回作のお約束をいただきました(笑)。では、天海さん、そろそろお時間ですので、代表して一言お願いいたします。

天海:皆さま、本日は本当に劇場に足をお運び下さいましてありがとうございます。大きなスクリーンで『老後の資金がありません!』を観ていただけるようになりました。先ほども申し上げましたけれども、1年間突発的なビックリするような出来事のせいで公開が延期になりました。でもこの1年間、皆さんに観ていただける日を心待ちにして時間を過ごしてまいりました。こうして100%をたくさんの皆さんに観ていただけて、劇場に並んでいただけてとてもとても幸せに思ってます。大変なことが日々ありますよね。いまだに大変な思いをされている方も、まだまだご苦労されている方も多いことと思いますが、ひととき大きなスクリーンで『老後の資金がありません!』を観ていただいて、そして氷川くんの歌とともにハッピーな気持ちでお家に帰っていただけたらいいなと心から願っています。ご近所の皆さんに、そして親戚一同の皆さん、お友達に声をかけていただいて、またまたあの劇場に足をお運び下さい。何度でも皆さんの毎日が元気になるように、『老後の資金がありません!』を使っていただけたら嬉しいなと思っています。本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。

『老後の資金がありません!』
10月30日(土) 全国公開
監督:前田哲
原作:垣谷美雨「老後の資金がありません」
脚本:斉藤ひろし
主題歌:氷川きよし「Happy!」
出演:天海祐希 松重豊 新川優愛 瀬戸利樹 加藤諒 柴田理恵 石井正則 若村麻由美 友近 クリス松村 高橋メアリージュン 佐々木健介 北斗晶 荻原博子 竜雷太 藤田弓子 哀川翔 毒蝮三太夫 三谷幸喜 草笛光子
配給:東映

【ストーリー】 主婦・後藤篤子(天海祐希)は悩んでいた。家計は妻に任せきりの夫・章(松重豊)の給料と篤子がパートで稼いだお金をやりくりして、娘(新川優愛)と息子(瀬戸利樹)を育て上げた。節約をモットーに、老後の資金をコツコツ貯めてきたはずなのに…親の葬式に330万、子供の派手婚に300万!そんな中、夫が失職!と次々とお金の災難が襲い掛かる!なんとかしてやりくりするものの篤子の努力はむなしく出費はかさむばかり。いよいよ姑・芳乃(草笛光子)への仕送りさえ捻出できなくなった篤子は、義理の姉夫婦との話し合いの席で、芳乃を引き取ると口走ってしまう。しかし、元・老舗和菓子屋女将は、超がつくほどの浪費家だった…!貯金0円が目の前に迫る!

©2021映画『老後の資金がありません!』製作委員会