MC：監督はどうでしたか、女優・山田杏奈は？

首藤：とても眼差しが印象的な方だと、お会いしたときから思っていて、現場に入って迷いが出てくるうちに、すごい強い反面、揺れたりするところが魅力的だなと思って。一つ一つのことに集中されて、反射神経が独特で、本だと分からなかった立体になった愛ちゃんが動いているのを感じて、すごく嬉しかったですね。でも、毎日ホテルに帰って、悩んでましたね（笑）。次、どうやって話そうとか（笑）。

山田：私も悩んでました（笑）。ありがとうございます（笑）。

首藤：こちらこそです（笑）。

MC：山田杏奈さんは、振り返ってみてどうでしたか？

山田：私は愛が大変すぎて、自分のことに必死になっちゃってたので…。美雪は、芋生ちゃんとしても本当にお姉ちゃんみたいで、何でも受け止めてくれるお姉ちゃんっていう感覚で、一緒にやらせてもらって安心できましたし…。

芋生：現場でもずっと愛が大変そうでしたよね？

作間：本当に大変そうだったなって思います。

山田：無事、やりきりました（笑）。ありがとうございました（笑）。良かった（笑）。

MC：：それではお時間です。最後に皆さんからメッセージをお願いします。

芋生：今日は短い間でしたが、ありがとうございます。この作品は、いろんな人たちが観てくれて、皆さんの感想がそれぞれあると思うんですけど、私としては自分のことが好きになれない人達に観てもらって、自分のことを肯定してもらいたいし、「大丈夫だよ」って伝えられる作品になっているんじゃないかなと思っているので、もし気に入った方はこの作品をいろんな人に勧めていただきたいなと思っています。本当に来てくださってありがとうございます。

作間：ここにいる皆さん、そして全国の劇場にいる皆さん、今日は本当にありがとうございました。映画の後に僕が出てくることによって、ちょっと消化が悪い感じで家に帰るみたいなことになってしまったら本当に申し訳ございません。こんなにまぶしい青スーツで登場しまして（笑）。でも僕的には初めての映画の舞台挨拶で、上映中に舞台に立つのも初めで、本当に貴重な体験にしみじみとしています、中身は（笑）。関係したすべての方に感謝を伝えたいなと思っています。ありがとうございます。この映画は作品としていろんなものをもらえる、人生が豊かになるような映画ですので、たくさんの方に楽しんでいただきたいなと心から思っています。これからも『ひらいて』をよろしくお願いします。本日はありがとうございました。

山田：ここにいる皆さん、そして全国の映画館にいる皆さん、本当にありがとうございました。昨日公開になって、すごくエゴサしてるんですよね。その感想も読んで、こんなに多くの人に届いちゃってるのかと思って、ちょっと怖いような気持ちもありつつ、でも、ひとりひとりの人に「どうでしたか？」って聞いて回りたいような、私にとってもすごく思い入れのある作品になっていて、これからもっとたくさんの人々に届いて、いろんな人のところでそれぞれの感想が生まれるのが楽しみですし、戦った記録みたいなものを、生み出したものを感じていただけたらすごく幸せなことだなと思います。良かったらSNSに書いてくださったら、すごく力になりますし、映画を生み出す側としてすごく励みになります。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

首藤：本日はご覧いただきありがとうございました。モヤモヤしたり、共感していただいた方もいれば、嫌な気持ちになってしまった方も、退屈だった方も、いろいろいらっしゃると思うんですけれども、私は原作を読んだ時に、美雪とたとえと愛という3人に出会えて、本当に嬉しかったんですが、今回、この3人に出会い直すことができて、本当に良かったなと思っています。皆さんにもこういう形で出会っていただいて、とても嬉しいです。いろんな思いを持っていただけたら、幸いです。今日はありがとうございました。

『ひらいて』
10月22日 全国ロードショー
監督・脚本：首藤凜
原作・綿矢りさ「ひらいて」
出演：山田杏奈　作間龍斗（HiHi Jets／ジャニーズ Jr.）　芋生悠　山本浩司　河井青葉　木下あかり　板谷由夏　田中美佐子　萩原聖人
配給：ショウゲート

【ストーリー】　高校3年生の愛（山田杏奈）は、成績優秀、明るくて校内では人気者。そんな彼女は、同じクラスの“たとえ”（作間龍斗）に片思いをしている。彼はクラスでも目立たず、教室でもひっそりと過ごす地味なタイプの男子。だが寡黙さの中にある聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえに、愛はずっと惹かれていた。しかし、どこか人と関わりを持つことを避けているようなたとえに、愛はなかなか近づけずにいた。自分だけが彼の魅力を知っていると思っていた。しかし、彼が学校で誰かからの手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまった事で事態は一変する。「たとえに、恋人がいるのではないか…」その疑惑がぬぐいきれず、愛はある夜、悪友たちと学校に忍び込み、その手紙を盗んでしまう。手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える地味な少女・美雪（芋生悠）。その時、愛は、初めて二人が密かに付き合っていることを知るのだった。学校内でも目立たない美雪が突如たとえの彼女だと知り、熱い恋心が乱反射する。そして自らの気持ちを隠して美雪に近づいていく愛。そこから愛と美雪、たとえの関係は思いもよらぬ方向へ…。

©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会