MC:皆さんの話を聞いてると思い出してうるうるしてきてしまうんですけど、お客さんもご覧になって涙を流した方がいらっしゃいました?おー、かなりいらっしゃいますよ、田中さん。
田中:だって、実話だもん(笑)。
MC:皆さんも、ここは泣いちゃったなっていうシーンはありますか?
田中:郷敦とか、泣くの?
眞栄田:…泣きますよ。
田中:絶対嘘じゃん、今の(笑)!
眞栄田:(濱津隆之演じる)原田さんが実は西方たちのアンダーシャツとかを身に着けていて、実はそうだったんだっていう。原田さんのキャラクターでそれをやられたときは、ウルっときました。
田中:あれ実話なんだよ?
山田:はい。俺も原田さんと西方さんの会話も好きです。エレベーターの。
田中:裕貴がずっと言ってくれてて。
山田:お芝居なんですけでど、実はというのもあるし、これが本当に行われたと思うと、どういった空気だったんだろうっていう。肌で感じた気がして。もちろん圭さんは西方さんではないんですけど、それを感じられて。すげーなって思って、圭さん。
田中:ありがとうございます(笑)。
MC:土屋さん、田中座長はいかがでしたか?
土屋:私は、すばらしい…
(田中が大げさに謙遜する素振り)
山田:まだ何もいい事言ってないから(笑)。リアクションが早いですよ(笑)。
土屋:そうそう(笑)。テストジャンパーの方とは長くいらっしゃったと思うんですけど、私は短期間でバババッと撮ったので、ほぼ圭さんとしかご一緒していなくて。正直、前の作品でちょっと違う夫婦を演じていたので、切り替えられるかなあ、自分の頭がみたいな(笑)って思ったんですけど、圭さんの安心感だったりとか、心と心を繋げてくださるので、お芝居をしていてもそうやって演じるんだという刺激もいただけますし、(加藤)斗真くんというやんちゃな子役の子がいたんですけど、私は一緒に遊ぶことで必死だったんですが、やっぱお子さんもいるということで、実際に慣れていらっしゃった。あとは…(笑)、いっぱいあるんですよ、いいところが。皆さんをご飯に連れて行ってくれたりとか、みんなを仲良くさせるために、「いっぱい飲むぞ!」みたいな感じになって…
田中:土屋さん!一回、その話止めて。わかんないけど、全然良かったんだけど、これ以上土屋さんがしゃべると何かおかしなことになる気がして(笑)。
土屋:わかりました(笑)。そこが言いたかったんじゃなくて(笑)。あの…、お芝居でも引っ張ってくださいましたし、チームを大切にして現場を引っ張ってくださったなと思います(笑)。
田中:何も悪いことなかったんだけど、ただただ俺がちょっと嫌な予感がしただけ(笑)。
MC:ありがとうございます(笑)。そして今日はですね、素敵なゲストがいらっしゃっております。ご紹介いたしましょう。映画の中で描かれるこのお二人の絆、大変感動いたしました。リレハンメルオリンピック銀メダリストで、長野オリンピックではテストジャンパーとして日本代表を支えました西方仁也さん。そして長野オリンピック金メダリストで、雪印メグミルクスキー部総監督の原田雅彦さんです。どうぞよろしくお願い致します。お話しを伺っていきましょう、まずは西方さん。ご自身の経験がこのように映画になりました。率直な感想はいかがでしょうか?
西方:初めて私の役というところで、田中圭さんがというのを聞いて大変びっくりしました。私の心の内を正確にとても細かく演じていただいて、本当に私がどう感じているのだろうかっていう気持ちが言葉ととなって映像になって皆さんにお伝えすることができたという点では、本当に感謝しております。ありがとうございました。この映画をたくさんの子供たちに観ていただいて、その子供たちが大きな夢を持って将来オリンピック選手になりたいというようなことを言ってくれる映画になってくれればいいなと思っております。ありがとうございます。
MC:ありがとうございます。では原田さん。映画に登場する団体の決勝、西方さんのアンダーシャツとレジェンド葛西紀明選手のグローブを身に付けて跳んだというのは、実際のエピソードなんですか?
原田:はい、そうなんです。リレハンメルオリンピックのことは、私の中でも一生忘れられない出来事です。西方、葛西選手に勇気を与えるつもりで私は一緒に跳ぼうと、シャツとグローブを借りたんですけど、最終的には西方に逆に励まされ助けられることになりました。ありがとうございました、本当に。もう20年も経つんですけどね。本当にありがとうと言いたい所です。
MC:田中さん、私も過去の映像を観てみたんですよ。やっぱり西方というアルファベットが襟のところに見えて、本当に実際につけて跳ばれたようですね。
田中:映画の脚本って、いただいたときにすごくいいお話なのはわかるんですけど、やっぱりどこかで作ってる部分も多いだろうなって思っちゃうところがあって。もちろんそれが悪いこととはまったく思わないですけど、実際に生きた人たちがやったことを、僕らがやらせていただく、体験体感させていただくというので、もちろん見てくださる皆様とか作品全体のことも考えるんですけど、やっぱりご本人が嫌だと思うのが一番嫌なんですよ。例えば自分が何かを話して、それが記事になったときに、やっぱり自分の思いとは違うふうに伝わってるなーとかいう時の悔しさとか、どうしようもできなさは僕自身も知っているので、この台本を頂いたときにやっぱり一番最初に気になったのは、僕は西方さんの気持ちが、どこまで正確に書いているんだろう、一番最初、冒頭で「落ちろ」って思うんですよね。僕はその時に、もちろん映画の作り的に最初「落ちろ」っていうのはわかるけど、実際に西方さんが本当にそんな事を思うわけがないと。同じチームメートで一緒にやってきて、状況はあれども「落ちろ」なんて思わないし、「落ちろ」って思うの嫌だなと。でも、思わなきゃいけない。どうしようかなあって。ご本人がどう思うかが気になってて。撮影が終わるまで、僕は会いたくないぐらい思ってしまったんですよ。ご本人の話を聞いてブレたくないから。で、撮影途中ぐらいでお会いしたので、真っ先にそれを聞いたら、西方さんが「もちろん、落ちろとまでは声に出さないけど、まあ似たようなことを思ってたよ」って言ってくれて。その時に、最初に会えばよかったなじゃないですけど、すごく人間っぽいですよ。すごく人間な気がして、主人公主人公してなくて、「本当に西方さんがそう感じていたことを、そのままやっていいですか?」って言ったら、「思いっきり、そのままやってください」と言ってくださって、ギアが入ったというか。皆さんを感動させる一番の力が実際にあったんだと。事実なので、お二人の絆じゃないですけど、僕らが映画を通して体験をさせていただいて、すごく感謝しています。