MC:ありがとうございます。では、この800席ある観客席に座っていただいて、お話を聞いていきたいと思います。不思議な光景ですよね(笑)。
松岡:すごい不思議! ここからの景色を見せてあげたい。なんかすごい不思議な気分だ〜。監督が一番不思議なんじゃないですか?
行定:これはなかなかない経験だから、これは記録していたほうがいいよね。今しかない風景だと。
又吉:こういう演劇やったら面白そうですよね? こういうのは見たことない。
MC:映画の公式ツイッターでたくさん質問をお寄せいただいておりました。まずは皆様、絶対に観ていただきたい推しのシーン、皆さんのお気に入りのシーンがあったら教えていただきたいのですが、まずは山﨑さん。
山﨑:ラストは絶対に見てほしいんですけど、二人乗りのシーンがあるんですけど、そこはすごい頑張ったので。すごくいいシーンになってますし。
又吉:感動しました。自転車のシーン。
寛一郎:なかなか大変そうじゃない? 自転車を漕ぎながら台詞を言うって。
松岡:セリフも4ページぐらい、ずっと永田くんのセリフだったんですよ。私が合いの手を入れるのもなく。そして私を乗せて、さらに長回し一本撮り。
行定:カットは割らないと最初から決めてたので。カメラは二台あったのかな?
山﨑:気合を入れて(笑)。
行定:あんまりテイクとってないんですよ。二回だったかな?
松岡:一回も噛まないんですよ。4ページくらい。もう一回、テイクを重ねたのは監督の気持ちで、山﨑さんのNGじゃなかったんですよ。
山﨑:もっと短いシーンでは噛むのに(笑)。
寛一郎:俺とのシーンは噛み噛みだったじゃん(笑)。
山﨑:あそこは逆に仕上げていった感じで。
行定:カットを割らないと言うと、だいたいプレッシャーになるはずなんですよ。もしかしたら、カットをかけないかもしれないから、「なんか足して」って言ったぐらい(笑)。だから、あれだけしゃべってるんだけど、「沈黙しているのと同じように喋ってほしい」って。
又吉:あれだけセリフがあるのに、沈黙しているように見える。松岡さんもセリフがないのに、体勢ですごく感情が伝わってくるんですよね。そこはぜひ見ていただきたいですね。
松岡:嬉しいし、本当に頑張ったよね、山﨑くん。
MC:松岡さんはどのシーンが推しですか?
松岡:推しというか、私的に胸が痛くなったのは、物語の後半で永田くんが沙希ちゃんを迎えに来るシーンがあるんですけど、もうこの二人は…って思ってしまう感じがして。今までずっと永田くんに沙希ちゃんが献身的に支えていて、パワーバランスが“永田くんがいて、沙希ちゃんがいて”っていう感じだったんですけど、あのシーンからはパワーバランスが変わるというか、もうこの二人は一緒にはいないんだなと、思えば思うほど永田くんが急に献身的に、今までずっと振り回していたくせに、急に「荷物重い?持つ?」とか、「俺が漕ぐよ、座りなよ」とか。「鍵は?鍵鍵!」とか言ってるのもいたたまれなくて。あのシーンはきっと皆様も経験したことがある、もう終わりなんだなという瞬間だったんだなと思うんです。
MC:ありがとうございます。そして寛一郎さんはいかがですか?
寛一郎:ぼくは、沙希ちゃんと永田が、二人で家にいて、ずっと永田がゲームやってるんですけど。そこで、りんごをむいて置いておくんだけど。
松岡:なしね。
寛一郎:ごめん、りんごかなしか分らなかった(笑)。なしを食べずに置いてたりとか、なにもせず帰ってきて、風呂に入ると言って。疲れたふりをして風呂に入ると本当に疲れたように思えてくるみたいな、そこ分かるなあと思いながら。男性の人は共感できるんじゃないかなと思いましたね。