【全文掲載】田中圭「すいません、ビビっていて…」異様な雰囲気に飲まれ、一言も口をきかなかった共演者に謝罪

MC:ありがとうございます。続きまして、志田さん。宏美という役でしたけど、どのように挑んだんでしょうか?

志田:宏美はバスケ部に所属しているんですけど、私自身、運動は好きなんですけど、球技が本当に苦手で。バスケはドリブルすらできないぐらい下手だったので、これはマズイと思って、バスケ部の友達にお願いして朝からマンツーマンで指導してもらって、リハーサルでも全然シュートが入らなくて、このままだったらヤバいなと思って。監督から「とりあえず本番いこう」と言われて、どうしようと思いながらやってみたら、奇跡的にシュートが一発で入ったんですよ(笑)。自分でも入ったことにビックリしちゃって、必死に驚きを顔に出さないように一生懸命、平静を装っていました(笑)。

MC:では皆さんがご覧になっていたシュートが決まったシーンは、一発でできたということですか、監督?

今泉:…そうだったですか、ね(笑)? 意外と、バンバン入れていた印象がありましたけど、そんなに入ってなかったんですね(笑)。

志田:入らなかったです(笑)。

今泉:あれは一発です。たぶん(笑)。

MC:頑張った甲斐があったということですね(笑)。続いて松木さんは、あこがれの先輩に片思いをしている陽子という女の子の役でしたけど、演じられていかがでしたか?

松木:陽子は素直でまっすぐという第一印象で、自分とも性格が重なるところもありました。でも、演じているときはあんまり意識してなかったんですけど、じつは天然っぽいところもあるんじゃないかと思って、たとえば先輩と一緒に夏目さんのお花屋さんに行って話をしているシーンとか、急にお茶を一気飲みし始めるとか、周りがちょっとくすっとなるような一面があるんじゃないかって思いました。あと、ひとつ後悔していることがあって、先輩と同級生と三人でラーメンを食べているシーンがあるんですけど、そこで先輩は監督から「チャーシューを食べてください」という指示があったんですけど、私にはなくて(笑)。だからチャーシューが食べられなかったという後悔です(笑)。

田中:監督! チャーシュー食べさせてあげてくださいよ!(笑)。

今泉:ちょっと待ってくださいよ(笑)。勝手に食べていいよ、全然(笑)。食べていいし、「チャーシューを食べて」という指示を出したことも覚えてない(笑)。たぶん、みんなの目をバラつかせたかったんでしょうね。そうか…。エレナさんにチャーシューいかせれば良かったですね、完全なる演出ミスですね、これは(笑)。

松木:食べようと思ったら回収されちゃって(笑)。

今泉:あそこらへんは、前後にスローモーションがあるじゃないですか、ラーメン食べているところもスローモーションで撮ったりもしてたんですけど、ものを食べるのをスローモーションにしたら、めちゃくちゃ汚くて(笑)。全然ダメだってなって、チャーシューとかで探っていって…。そうですね、すいません。今度はチャーシューを食べるだけのために、ご一緒したいぐらい(笑)。

松木:よろしくお願いいたします(笑)。

MC:その時は、ぜひリベンジを(笑)。続いて白鳥さんは、映画の中で田中さんとのシーンが多かったと思いますが、田中さんとお仕事をしてみて、どうだったですか?

白鳥:圭さんが、お花屋さんの役だったので、休憩中とかに花を切ったりとか、花束を作る練習をしていて、すごいなと思いました。

田中:ありがとうございます(笑)。

MC:一生懸命やっている姿を見ていたんですね(笑)。そんな見られていて田中さん、白鳥さんとの撮影はどうでしたか?

田中:楽しかったです。撮影のときは8歳とかだったんですけど、全然子供として見てないというか、共演者として見られるぐらい。実際に、夏目よりも大人な一面もあったりとかもする彼女なんですけど、楽しかったですね。別に特に気を使うこともなく、だから撮影の合間も花を切る練習をして、見てたんだね(笑)。ありがとう(笑)。そんな感じです、すごく楽しかったです。

MC:監督、青木家から夏目が出てきた後のシーンですか、ここで白鳥さん演じる、さほのセリフが追加になったというお話を伺いましたが。

今泉:車の中で、タバコのを吸いながら「子供の前ですけど」というシーンが、自分が頭で思っていたシーンの温度とちょっと違ったんですよね。それは、田中さんが、子どもの前で見せちゃったらから、もっと良い人になるとか、もっと子供に対して「ごめんね」とか気を使うと思ったら、意外とイライラが残っていたりとかしていて。それを見たときに、「自分が思っている方に寄せてください」というよりかは、「そっちの方が人間ぽくて本当かも」と思って。そのシーンを田中さんの温度で見ていたときに、白鳥さんに「しょうがないこともあるんじゃない」みたいなセリフを、現場で付け足して、そのセリフは台本になかったんですけど、二人の距離感とか温度を見ていたときに、子供のほうが大人なことを言うとか、自分も子供がいるんですけど、なんかそういうことってあるなと思って。そうすると、田中さんがそれを聞いた表情で終われるなと思って足しましたね。

MC:良いシーンですよね。

今泉:この映画、唯一撮影しなおしたシーンもあって、一回撮ったんですけど、「やっぱりもう一回撮り直したい」って言って、別日に。それはお芝居じゃなくて天候だったんですけど、「撮れない可能性もあるから撮ろう、でも天気がもうちょっと良い日に撮り直そう」と言ったシーンが、二人がラーメン屋から帰っていって、木帆が「もしかしたら好きなんじゃないか、片思いか」みたいなことを話しながらフラフラと歩いていくシーンだけは、もう一回撮り直させてもらって。あそこは、本当にお芝居じゃない空気になっていて、すごく自分も好きなシーンのひとつです。

MC:ありがとうございます。続いて、ともさかさん。この作品の中で、インパクトのある役を演じられたかなと思いますが、役作りや意識したこと、監督からのリクエストなど、なにかありましたか?

ともさか:どうなんでしょう。たぶん、あの人なりにスジが通っていて、あの人なりの正義感とか、いろいろなものを背負った上での告白だったと思うので、演じる上でなにか面白いことをやろうという意識とかはなく、努めて真面目にやったつもりだったんですけど。でも、第三者の目で見ると、当たり屋みたいな人じゃないですか(笑)。だから夏目さんは不憫だなと思って(笑)。申し訳ないなと思いつつ、やってました(笑)。

MC:とてもユーモラスな感じになってましたけど、監督は現場でこだわったことなどあったんですか?

今泉:大事なのは、笑いのシーンはすごく作るのが難しいんですけど、演じている方が面白いと思わないというか。そこにいる人たちは別にそれが当たり前だと思っていたり、言いすぎてしまう言葉とかも本人のスジは通っているみたいなことを意識すると、真剣に見える分、お客さんが観たときに面白くなるので、「このシーンは面白いシーンなんで」みたいなことはしないようにしてましたけど。でもやっぱり面白くなっちゃって、建物から出た後の肩をずっとどつくのとかは、そう言いながらもどんどん面白い方に寄っていっちゃって(笑)。「右肩だけか、左肩だけを攻めてください」みたいな謎の指示を出したり(笑)。それはなんなんだろうと、俺も思ってたんですけど。

田中:「右肩だけどつかれて、一周してください」って(笑)。

今泉:最後だけ、左肩をどついて戻してた感じもするんですけど(笑)。中の芝居を作るときは、その意識があったのと、お三方とも演劇をされているのもあって、ああいう時間の空気をどういうものにしようとしているか知ってくださっていたので、あの撮り方としては、どこを寄りで撮るのかを決めずに、三人の芝居も最初から最後まで全部撮って、二人の芝居も撮って、後は寄りと寄りと寄りを頭から最後まで全部通すんですよ。そうするとお芝居って、途中で止めて感情でやるとやりにくいけど通したほうが、もちろん何回もやる大変さはあるんですけど、役者さんたちはお芝居が好きな方たちだし、信用してお互いの関係性で通してやったほうがいいなと思ったので。あのシーンもセリフをいくつか足していて、ともさかさんに「『好きです』って言葉を二回ぐらい増やしていいですか?」みたいな(笑)。

ともさか:そうでした(笑)。ダメ押しで。

今泉:「ここでもう一回『好きです』って言ってもらっていいですか?」みたいな。でも、言ったときにも「はい」って、それがどういう意図で伝えているかを理解してくれているので、その説明をする必要はないというか。

ともさか:そうですね、あんまり具体的なやりとりはなかったですね。きっと、こうだろうなと。監督が書かれている台本に、すべてあるような気がしたから。

今泉:嬉しい(笑)。あとは、激しくしようと思えば、いくらでも激しくできるシーンだったので、例えば掴みかかるとかも試してみたんですけど、触るって簡単なので、なるべく触らないでやりましょうと。まあ、肩は触ってるんですけど(笑)。室内では触るのを止めましょうという話をしたりとかはしてましたね。