MC：ありがとうございます（笑）。それでは岡山さん、「最近の日本映画にはない攻めている映画」だとか、「よくぞ作った」など、映画評論家やマスコミの方がつぶやいているんです。こういった作品に出るうえで、演じる上で気をつけたことはありますか？

岡山：まず、台本を読んでみて、普段自分に馴染みのない言葉だったり、新聞記者さんたちの習慣だったりがあったので、実際に望月さん（原案の望月衣塑子）からいろいろお話を聞かせていただいたりとか、実際の新聞社に見学をさせていただいたりとか、資料を読んだりとか、とにかく準備はいろいろな方向からやりましたね。ウンギョンさんと、事務所が一緒なので、事務所で本読みをしたりとか。

シム：ですね（笑）。

岡山：コソコソ練習してました（笑）。

MC：実際、シムさんと現場でもガッツリと共演されたじゃないですか。印象はいかがでしたか？

岡山：年齢的には同い年なんですけど、すごい楽しかったですね。実はそんなにしゃべってないんですよ。劇中で。僕は有起哉さんとウンギョンさんがやり取りしているのを、遠くから見ているというのが多かったんですけど、普通に面白かったです（笑）。やる度にお芝居がどんどん変わって、一人で決めたことをやってるということじゃなくて、空気とかで毎回。それが遠くから見ていて、すごい…。

北村：ちゃんと視線を感じていた（笑）。ジーッと見てるなって（笑）。

岡山：ジーッと見てました（笑）。

MC：シム・ウンギョンさんはいかがでしたか？

シム：私も楽しかったし、一緒の事務所なので、事務所で一緒に本読みしたり、いろいろ話しながら『新聞記者』という映画をどうやって演じたら良いのかという話をたくさんして。楽しかったですね。

MC：ありがとうございました。高橋さんは、藤井道人監督の前の作品にも出られていて。

高橋：はい、去年、『日本ボロ宿紀行』という深夜ドラマの監督の作品に出させていただきまして。ロードムービーといいますか、ボロ宿を巡るという、かなりコメディタッチの作品だったものですから、その直後に監督からこの作品のお話をいただいて、これはまた全然違う作風の監督の意欲的な挑戦する作品だと思いましたので、監督におまかせして、自分はとにかく神埼という役を演じるだけだなと思って。

MC：現場で監督の演出をご覧になっていて、今回のこの現場はいかがでしたか？

高橋：監督は淡々と演出をなさる方だし、とても俳優に対して優しいんですよ。監督は俳優の演技に対して、寄り添ってくれるというか。怖いこともさせられましたけどね（笑）。映画を観てもらった方には分かると思いますが、本当に怖かったです（笑）。

松坂：どうやって撮影したのか、僕らは現場にいなかったので分からなかったですけど。

藤井：実際にギリギリのところに立っていただいて、ワイヤーをつけて安全なんですけど、見ている方もすごい怖いというか。和也さんは、あそこの縁に立っているわけですからね。

高橋：本当に、あんなに怖い思いは芸能生活長いですけど初めてでしたね（笑）。

MC：ありがとうございました（笑）。北村さんは、完成披露でも非常に熱い想いを語っていただきましたが。

北村：そうでしたっけ（笑）？ でも、昨日、初日で、僕も光栄な気持ちでおります。いろいろ考えていたんですけど、僕ら役者というのは結構シンプルで一冊の台本を読んで、「面白いな、やってみたいな」って思うか思わないか、それに尽きるといいますか。僕は直感に頼っているんですけど、もちろん裏でプロデューサーの方が本当に苦労してこの日になんとかこぎつけたとは思うんですけど、なるべくそういう考えとか、思想とか哲学とかを無視して、偏らずにフラットなところで映画に参加できたらなと思っていて、今回も本当に「骨太な作品」とか、「社会派、衝撃的な」とか、いろいろあるんですけど、それはもう観ている方々が決めていただくというところで、逆にこういうときこそ、堂々と毅然と観てくれた方に「ありがとうございます」と言っておくべきなんじゃないかと思います。

MC：作品ができあがったときはどのような感想をお持ちになられたんですか？

北村：面白かったですよ。全然、意外でした。重い、暗い気持ちに傾いちゃうのかなと思ったんですけど、ひとつのエンターテインメントとして観やすくて。予想外でしたね。監督も照明とか音楽とか、そういった演出を含めての力だと思っております。