東出:僕は、自分を見張って欲しいです。なんか、そこそこ真面目に仕事をしてる自負はあって、そこそこ家事とか家庭人の一面もあるんじゃないかなとか思うし、男友達と飲みに行くと「ワー」とかやってるんですけど。客観的に見て、どちらかといえば「クズ」なのか、「いや結構頑張ってる方だと思いますよ」とか。家族からの見られ方は一面じゃないですか。仕事からの見られ方だと「真面目だと思うよ」とか言われるけど、トータルで見てどっちなのかっていうのを調べて欲しいなって思います。
MC:確かに。これは結構、皆さん共感するんじゃないでしょうかね。トータルで一体自分はどうなのか、これは確かに調べてもらいたいっていうのは、お気持ち分かります。さあということで、まだまだお話を伺いたいのですが、お時間が来てしまいました。ここで最後に、皆様を代表しまして東出さんから、これから本作をご覧になる皆様に向けてメッセージをお願いいたします。
東出:はい。結構。舞台挨拶ですと、コメディとかヒューマン系とかだと、「和気藹々とした現場で」っていうところから始まって、舞台上でトークが盛り上がったりとかあると思うんですけど、今回現場がシリアスだっただけに、なかなかクロストークとかっていうところにも至らないですみません、堅いことばかり言って。申し訳ありませんでした。ただ、僕が演じた佐伯修一というのが話の軸としてもし仮にいるとすれば、彼は犯罪被害者遺族になったがために、人生が一変して。ただ、いろいろな手記を読んだり、ルポ(レポート)を読んだりして、「被害者遺族の方ってどういったことを考えてるんだろう」って思ったときに、加害者に対して「不幸になって欲しい」、「厳罰、極刑を望む」、「この手で殺めたい」、「復讐したい」とか、様々な思いはあるんですけど、その事件を境に、それでもやっぱり自分が生を全うする限りは幸福になりたいと。上向いて突き進むようなエネルギーをそこに感じたので、佐伯修一も事件で一変した人生を歩みながらも、幸福に転じたいというもがき苦しむ姿が、また共演者の皆様からいろんなエネルギーを受けて変わっていくっていうのが全6話なのかなって思います。僕らが営んでる日常とは全然かけ離れた、非日常の世界だとは思うんですけれども、でも世界のどこかで起きてることだと認識しながら、絶対、その認識を裏切らないようにしながら撮った作品だと思います。ですので、重いとか、でも光が見えたとか、いろいろなご意見があると思うんですけど、僕らは僕らなりにこういうのが真実じゃないかなと思って真摯に向き合ったお仕事です。そこには胸を張るので、皆様にも気に入っていただけますと大変光栄です。…大丈夫ですか、こんな堅い話で?
瀬々:100点ですね。
東出:(笑)。もう、また血圧のこと考えてらっしゃったのかと。
瀬々:違うよ!佐伯、最高!と思ったんだよ。
東出:怖い怖い(笑)。まあ、そんな感じです!今日、6話のうちの1話です。是非、最後まで楽しんでいただけたら幸いです。本日はありがとうございました!
「連続ドラマW 悪党 ~加害者追跡調査~」
5月12日、WOWOWプライムにて放送スタート(全6話)
毎週日曜よる10時~放送 ※第1話無料放送
監督:瀬々敬久
原作:薬丸岳「悪党」(角川文庫)
脚本:鈴木謙一
音楽:大間々昂
出演:東出昌大 新川優愛 青柳翔 蓮佛美沙子 山口紗弥加 寛一郎 篠原ゆき子 中島歩 渡辺いっけい 三浦誠己 山中崇 波岡一喜 柄本明 板谷由夏 益岡徹 松重豊
【ストーリー】 刑事を辞め探偵事務所で働く佐伯修一(東出昌大)は、依頼者の細谷(渡辺いっけい)から「息子を殺し、少年院を出て社会復帰している加害者の男を追跡調査してほしい」と頼まれる。所長の木暮(松重豊)の命令で調査を開始する佐伯だが、彼自身も幼いころに姉を殺された被害者遺族で、犯人への復讐心を胸に抱えて生きてきた。調査を進めると、対象の男・坂上(青柳翔)は振り込め詐欺をし、さらなる犯罪に手を染めていた。細谷は、坂上を観察していた佐伯に「その男を赦すべきか否か、その判断材料を見つけてほしい」と追加依頼する。そして坂上に接触した佐伯は、ある結論を細谷に告げる。その後も、「犯罪加害者の追跡調査」を続けることになった佐伯。調査によって、明らかになっていく犯罪加害者たちのその後。そして佐伯は、はるか(新川優愛)の力を借りて、かつて姉を死に追いやった3人の「悪党」に辿り着く。燃え盛る復讐心に駆られる佐伯が取った最後の行動とは…!?