東出昌大「セリフも過激。リアリティを追求」映画『菊とギロチン』ヒット祈願法要・女相撲土俵入りレポート

瀬々敬久監督が『ヘヴンズ ストーリー』から8年振りに放つオリジナル企画のアナーキー青春群像劇『菊とギロチン』が、7月7日より公開される。このほど、6月27日に東京・両国にある回向院(えこういん)にて、本作のヒット祈願法要・女相撲土俵入りが行われ、キャストの木竜麻生、東出昌大、寛一郎、渋川清彦、嘉門洋子、前原麻希、仁科あい、瀬々敬久監督が登場した。

本作は、大正末期の関東大震災直後の日本を舞台に、かつて日本全国で「女相撲」が興行されていた史実に基づき、時代が急速に不寛容な社会へと向かう中で、女相撲の一座と実在したアナキスト・グループ「ギロチン社」の青年たちの出会いを描くオリジナルストーリー。

厳粛な空気に包まれた仏殿に集まったキャスト陣。阿弥陀如来像の前に立った東出と寛一郎は「今回、僕たちは映画『菊とギロチン』のヒット祈願に伺いました。どうか『菊とギロチン』のヒット祈願のほど、どうぞよろしくお願いいたします」と深々と頭を下げた。

本作のヒロイン花菊を演じた木竜は「ヒット祈願をさせていただけことに、大変嬉しく思っております」と挨拶。「ギロチン社」中心メンバー・中濱鐵を演じた東出は「大変熱い、嘘のない映画になっている。クラウドファンディングという形で資金を集めさせていただいたので、セリフも普通の映画では言えないくらい過激。残酷に見えるかもしれないけれど、リアリティを追求した」と作品に込めた熱い想いを語った。

中濱の親友役・古田大次郎を演じた寛一郎は「皆んなの熱い気持ちで、ヒットさせることができると信じています」と述べながら、撮影時の思いがこみ上げたのか涙ぐむ場面も。親方役を演じた渋川は「すべてにシビレました。素晴らしい現場で、こんなに素晴らしい映画あまりないと思う」と作品を大いにアピールした。

イベントでは出演者たちによる女相撲イッチャナ節や土俵入りも披露され、気合いの入った掛け声が会場にこだましていた。

『菊とギロチン』
監督・脚本:瀬々敬久
脚本:相澤虎之助
ナレーション:永瀬正敏
出演:木竜麻生 東出昌大 寛一郎 韓英恵 渋川清彦 山中崇 井浦新 大西信満 嘉門洋子 大西礼芳 山田真歩 嶋田久作 菅田俊 宇野祥平 嶺豪一 篠原篤 川瀬陽太
配給:トランスフォーマー

【ストーリー】 大正末期、関東大震災直後の日本には、不穏な空気が漂っていた。軍部が権力を強めるなか、これまでの自由で華やかな雰囲気は徐々に失われ、人々は貧困と出口の見えない閉塞感にあえいでいた。ある日、東京近郊に女相撲一座「玉岩興行」がやって来る。力自慢の女力士たちの他にも、元遊女の十勝川(韓英恵)や、家出娘など、ワケあり娘ばかりが集まったこの一座には、新人力士の花菊(木竜麻生)の姿もあった。彼女は貧しい農家の嫁であったが、夫の暴力に耐えかねて家出し、女相撲に加わっていたのだ。「強くなりたい。自分の力で生きてみたい」と願う花菊は、周囲の人々から奇異の目で見られながらも、厳しい練習を重ねていく。いよいよ興行の日。会場には、妙な若者たちの顔ぶれがあった。彼らは「格差のない平等な社会」を標榜するアナキスト・グループ「ギロチン社」の面々で、アナキズム運動を牽引した思想家の大杉栄が殺されたことに憤慨し、復讐を画策すべく、この土地に流れ着いていた。「ギロチン社」中心メンバーの中濱鐵(東出昌大)と古田大次郎(寛一郎)は、女力士たちの戦いぶりに魅せられて、彼女たちと行動を共にするようになる。「差別のない世界で自由に生きたい」―その純粋な願いは、性別や年齢を越えて、彼らを強く結びつけていく。次第に中濱と十勝川、古田と花菊は惹かれあっていくが、厳しい現実が容赦なく彼らの前に立ちはだかる。

©2018 「菊とギロチン」合同製作舎