『セラヴィ!』音楽面に迫るメイキング映像&音楽担当の世界的ベーシスト、アヴィシャイ・コーエンより日本独占コメント

日本公開のフランス語映画で歴代興行収入第1位を記録した大ヒット作『最強のふたり』(2012)の監督とスタッフ陣により製作された最新作『セラヴィ!』が、7月6日より公開となる。このほど、本作の音楽面に迫ったメイキング映像がお披露目となり、併せて、初の映画音楽を手掛けた世界的ベーシストのアヴィシャイ・コーエンより貴重な日本独占コメントが寄せられた。

本作は、ベテラン・ウェディングプランナーを主人公に、パリの結婚式での一日を舞台に繰り広げられる、人々の人生と思惑が痛快に交差するライフ・エンターテインメント作品。本国フランスでは公開1ヶ月で興収25億円を突破し、2017年興収ベスト10入りを果たした。さらに、13年振りとなる横浜で開催された「フランス映画祭2018」にて、本作が一般投票による「エールフランス観客賞」を受賞した。

本作で音楽を担当するのは、世界有数のベーシストであるアヴィシャイ・コーエン。今回の豪華コラボは、かねてよりその音楽センスに定評のあるエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ両監督がコーエンに熱烈アプローチをしたことで実現。監督の一人であるナカシュが、脚本執筆中にコーエンの曲を聴いていて、その独特なテンポとリズムは物語にピッタリ合うのではないかと考え、これまで映画音楽を手掛けたことのなかったコーエンにダメもとでアプローチをしたことがきっかけだったという。もともと『最強のふたり』が好きだったというコーエンはオファーを快諾。劇中使用されているコーエンの楽曲はいずれも彼の既存の曲で、映画のためにアレンジして全て再録。観客を物語の舞台となる古城へと誘うオープニングシーンで使われている「Seven Seas」をはじめ、各シーンと見事なマッチングを見せている。

メイキング映像では、ナカシュは「このシーンにはこの曲を、と考えながら脚本を書いたんだ」と執筆当時に聴いていたコーエンの曲として「Seven Seas」や「Nu Nu」といった具体的な曲名を挙げ、当初から確固たる音楽的ビジョンがあったことを明かしている。トレダノは「アヴィシャイ・コーエンの音楽はひと言にジャズといっても、様々な音楽要素がミックスされている。この作品にぴったりだった。感情が揺れ動いているのが分かるんだ」とその音楽的魅力を分析。映画ではコーエンの楽曲だけでなく「君の瞳に恋してる(Can’t Take My Eyes Off You)」や「Lovely Day」といった定番ウェディングソングも使用されているが、ナカシュは「誰もが知っている曲もあれば、彼のジャズのように尖って強い印象を残す曲もある。その両方を取り入れたいんだ」と語り、トレダノは「異なるものを掛け合わせどんな化学反応が起こるのかを見たいんだ」と、様々な国籍や境遇の人々がウェディングスタッフとして式の成功のために奮闘する(?)映画のストーリーを音楽でも表現しようとしたことを明かしている。また、劇中のライブシーンや本編映像に加え、コーエンのレコーディングシーンも収められている。

さらに、コーエンによる現レギュラー・トリオとオーケストラを融合させた意欲的なステージが、「アヴィシャイ・コーエン トリオ with 17ストリングス」と題して、8月に日本初上陸を果たす。

©Bernard RIE Photographies

■アヴィシャイ・コーエン 日本独占コメント
2年前、あるコンサート終わりに、2人のフランス人映画監督が私のところに来て、エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュです、と自らの紹介を受けたんだ。映画制作者からアプローチされるのは初めてではないが、彼らが『最強のふたり』(2012年)のつくり手たちであることを伝えられた時に、大物だと気づいたよ。『最強のふたり』は私がとても好きな映画だからね。監督たちから、私の音楽にインスパイアされた映画の脚本を書いていると聞き、音楽使用の許可を求められたのだけれど、初めての映画とのコラボレーションを、この素晴らしい監督たちと一緒にできたことがとても嬉しい。本作では、新しい曲を書き下ろしたのではなく、監督たちが私の既存のレパートリーの中でどの曲を使用したいかが明確で、すでに映画全体に音楽が有機的に織り込まれていたんだ。完成した映画を観た時に、音楽の物語る力や、音楽自体がとても活き活きとしていることに驚いたよ。彼らがどれだけ音楽やミュージシャンからインスパイアされているか理解できるし、逆に私も彼らにインスパイアされたよ。彼らとの仕事を通して、それぞれが芸術としてなりたっている「映像」や「音楽」の使い方、お互いを補完し合うように一緒に働かせる方法や、彼らのもの作りに対しての情熱など、沢山のことを学んだ。この映画は笑えて、刺激的で、彼らのこれまでの作品と同様に人間社会へのメッセージを含んでいる。

『セラヴィ!』
7月6日(金)渋谷・シネクイント他全国公開
監督:エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ
出演:ジャン=ピエール・バクリ ジル・ルルーシュ ジャン=ポール・ルーヴ ヴァンサン・マケーニュ
配給:パルコ

【ストーリー】 ウェディングプランナーとして30年間、数え切れないほどの結婚式をプロデュースしてきたマックスは、そろそろ引退を考えていた。そんなある日、17世紀の城を舞台にした豪華絢爛な結婚式の依頼が舞い込んだ。いつも通り式を成功させようと、完璧な準備を整えたのだが、なんと集まったスタッフたちが全員ポンコツ!!バンドのボーカルは新郎の希望と真逆の歌を熱唱しワンマンショー気取り、カメラマンは写真撮影よりもつまみ食い、ウェイターは新婦にうつつを抜かし、おしゃべりに夢中…。マックスの努力も虚しく、次第に式は大惨事と化す…。前途多難すぎる結婚式は、果たして、チームメンバー一丸となって成功させることはできるのか。

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