木竜麻生、東出昌大、寛一郎ら総勢30名が大集結!『菊とギロチン』初日舞台挨拶レポート

瀬々敬久監督が『ヘヴンズ ストーリー』から8年振りに放つオリジナル企画のアナーキー青春群像劇『菊とギロチン』が、7月7日に公開初日を迎え、同日、テアトル新宿にて瀬々敬久監督ほか、キャストの木竜麻生、東出昌大、寛一郎、韓英恵、渋川清彦ら総勢30名が集結し、監督自身の演出による舞台挨拶が行われた。

登壇したのは、木竜麻生、東出昌大、寛一郎、韓英恵、渋川清彦、大西信満、嘉門洋子、大西礼芳、山田真歩、嶺豪一、篠原篤、川瀬陽太、大森立嗣、仁科あい、持田加奈子、播田美保、和田光沙、前原麻希、背乃じゅん、田代友紀、原田夏帆、荒巻全紀、池田良、飯田芳、小林竜樹、木村知貴、小水たいが、伊島空、東龍之介、瀬々敬久監督の総勢30名。テアトル新宿史上最多人数の舞台挨拶となった。

舞台挨拶はまず、女相撲一座「玉岩興行」の面々が、親方を演じた渋川清彦を先頭に劇中衣装で登場し、客席内を練り歩き。舞台では、ギロチン社のリーダーで詩人でもある中濱鐡を演じた東出昌大を筆頭に、次の登壇者を紹介し呼び込む「マイクリレー方式」で、寛一郎はじめギロチン社のメンバーが順に登場。挨拶がひとしきり終わると、東出と寛一郎も女相撲の練り歩きに加わり、初日のサプライズプレゼントとして用意されたTシャツや手ぬぐいを客席に投げ入れると、客席から大きな歓声が巻き起こった。そこからさらに、劇中で重要な役を演じた大森立嗣らも登場し、大西信満は「(出演している)井浦新くんも今日来たいと言ってたんですが、他の仕事で来れなかったので、きょうは井浦さんがつくったジャケットを着て来ました」と粋な挨拶をした。

後半には劇中で披露された女相撲甚句「イッチャナ節」を嘉門洋子の三味線、山田真歩の鈴、仁科あいと木竜麻生の唄で聞かせ、そして、劇中で女相撲・最高位の大関・梅の里を演じた前原麻希の「祝い四股」。前原の四股とともに「ヨイショ!」の掛け声が客席からも飛ぶ。そこへ瀬々監督の無茶ぶりが炸裂。「寛一郎、け!!」と監督。「えーっ!」とびっくり顔の寛一郎だったが、監督命令とあっては拒めず、恥ずかしそうにしながらも四股を披露。すると今度は「東出、行けー!」と監督の声。最初は、いやいやと後ずさりした東出だったが、さすがにギロチン社リーダー、覚悟を決めると「ヨシ!」とばかりに力を込めた四股。客席は大盛り上がりだった。

ヒロインの木竜麻生は、初めての主演作の舞台挨拶に感極まった様子で「映画がこうやって広がっていくのが本当に嬉しいです」と涙をこらえながらの挨拶。東出は「たくさんの方の支援やこうして足を運んでくれる方があってこそ、できあがった映画です。夏の暑さを吹き飛ばす、閉塞感を打ち破る作品となりました。監督の言葉ではないですが、あとは世界の風穴へ。そうなればいいなと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします」とコメント。寛一郎は「撮影が2年前だったんで今まで実感がなかったんですが、今日みんなの顔を見たら、あの懐かしい現場を思い出しました。お客さんを前にして、今日公開なんだと、今実感しました」と場を和ませた。

マイクリレーあり、練り歩きあり、プレゼントあり、歌あり、シコありの盛りだくさんとなった舞台挨拶。瀬々監督の心の底から絞り出すような「ありがとうございました!」の声と東出が音頭をとった一本締めで舞台挨拶は終了した。

『菊とギロチン』
監督・脚本:瀬々敬久
脚本:相澤虎之助
ナレーション:永瀬正敏
出演:木竜麻生 東出昌大 寛一郎 韓英恵 渋川清彦 山中崇 井浦新 大西信満 嘉門洋子 大西礼芳 山田真歩 嶋田久作 菅田俊 宇野祥平 嶺豪一 篠原篤 川瀬陽太
配給:トランスフォーマー

【ストーリー】 大正末期、関東大震災直後の日本には、不穏な空気が漂っていた。軍部が権力を強めるなか、これまでの自由で華やかな雰囲気は徐々に失われ、人々は貧困と出口の見えない閉塞感にあえいでいた。ある日、東京近郊に女相撲一座「玉岩興行」がやって来る。力自慢の女力士たちの他にも、元遊女の十勝川(韓英恵)や、家出娘など、ワケあり娘ばかりが集まったこの一座には、新人力士の花菊(木竜麻生)の姿もあった。彼女は貧しい農家の嫁であったが、夫の暴力に耐えかねて家出し、女相撲に加わっていたのだ。「強くなりたい。自分の力で生きてみたい」と願う花菊は、周囲の人々から奇異の目で見られながらも、厳しい練習を重ねていく。いよいよ興行の日。会場には、妙な若者たちの顔ぶれがあった。彼らは「格差のない平等な社会」を標榜するアナキスト・グループ「ギロチン社」の面々で、アナキズム運動を牽引した思想家の大杉栄が殺されたことに憤慨し、復讐を画策すべく、この土地に流れ着いていた。「ギロチン社」中心メンバーの中濱鐵(東出昌大)と古田大次郎(寛一郎)は、女力士たちの戦いぶりに魅せられて、彼女たちと行動を共にするようになる。「差別のない世界で自由に生きたい」―その純粋な願いは、性別や年齢を越えて、彼らを強く結びつけていく。次第に中濱と十勝川、古田と花菊は惹かれあっていくが、厳しい現実が容赦なく彼らの前に立ちはだかる。

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