【全起こし】東出昌大、松重豊の差し入れを食す姿に「孤独のソレだ!」と感動「連続ドラマW 悪党 ~加害者追跡調査~」完成披露試写会&舞台挨拶レポート 全文掲載

MC:はい、次行きますね(笑)。では、本作の原作は、犯罪の加害者側や被害者側の両面の心理を鋭く描き出すベストセラー作家・薬丸岳さんの小説です。瀬々監督は、去年公開された映画『友罪』でもタッグを組まれたばかりですが、今回の『悪党』ならではの魅力だったり、『友罪』との違いはどんなところにあるのか、教えていただけますか?

瀬々:真面目な話をすると、『友罪』はかつて少年Aと言われていた人が主人公で、加害者の怪物が人間の心を取り戻すという話だったんですけど、今回は被害者の方たちが主人公なので、人間である人々がどうやって日常、普段の気持ちを取り戻すかっていう話で、違うなっていうのはそれをすごく意識して取り組んだっていうのはありました。

MC:ある意味、加害者側から、そして、被害者側からと、対をなすような作品になっている本作ですね。この重厚な人間ドラマを豪華俳優陣の方々が織りなしているというところも本作の見どころの大きな一つです。そこで、松重さんをはじめ、柄本明さん、益岡徹さん、渡辺いっけいさんといったベテラン俳優の皆さんに加え、ゲストキャストには、旬の実力派俳優の皆さんと、多彩なキャストが集結されています。東出さん、皆さんとの共演というのはいかがでしたか?

東出:はい。瀬々監督の演出のもと、結構皆で伸び伸びやっていたんですけど、もとから一癖も二癖もある人たちというか、尊敬の面も込めてそういう形容になるんですけども、すごい素敵な現場でした。皆さん、一筋縄ではいかないお芝居をなさってたように思います。また、そういう姿を見て力をもらったように思います。

MC:ありがとうございます。そして、瀬々監督から見てもこの皆さんとの撮影を振り返っていかがでしたか?なぜニヤニヤされているんですか?

瀬々:すいません、いきなりきたなと思って(笑)。あの、そういう意味では本当に、それぞれ出自が違うというか、いろんなところから出てた俳優さんたちが共演してるんですけど。皆さん、あるテンションでむき出しの気持ちを出してぶつかり合ってるシーンが結構多いので、是非そういうところも観ていただきたいなと思います。まあ、松重さんもね、最後こうむき出したりしますからね。

松重:それはネタバレになるからあんまり言わないほうが良いんじゃないの。どういう人か分からないところで始めた方が。

MC:まあ、監督自ら仰っていたのでOKということで(笑)。木暮が最後の最後にどういった風になるのかっていうあたりも、是非ともご注目いただければと思います。では、キャストの皆さんについてお話を伺ったところで、瀬々監督についてもお話を伺いたいのですが。

瀬々:もうそういうネタやめましょうよ!

MC:いやいや。是非ともね、ここは松重さんにお話を伺いたいです。瀬々監督とはこれまでも度々ご一緒されていますが、監督の魅力だったり、監督の作品に出演することの魅力は、俳優さんから見てどういうところなのか教えてください。

松重:あのね、瀬々さんはちょっとズルいんですよね。なんか、自分でいろいろ迷ってて、自分で判断がつかないようなふりをして、役者にいろんなものを委ねていくんで。「こうかなああかな」って言って、そこに誘導されてって、思うツボにはまってしまうっていう、本当に人たらしなところがあります。そこがでも、魅力なんですけど。頭ごなしに「こうしてください、ああしてください」じゃなくて、「こういうことも考えられると思うんですけど」みたいなことで誘導していくところがあって。でも一番信頼しているというか、フィリピンで変わったSF映画撮ったこともありますし、作品にいろんな幅があるんですよね。こういうちゃんとした重厚な作品もあれば、もともとピンクで出られた方で、もう巨匠だと思われてるけど、ピンク四天王の中の一人なんで、そこから出られてるという、もう、いろんな幅があるという。その幅の中で僕らも遊ばせてもらえるというような監督さんだと思いますけど。いかがでしょう?

瀬々:…また目が笑ってない。