MC：ありがとうございました。さて、須藤さんも、今日はお母さんらしき人たちがいっぱいいらっしゃいますけど。

須藤：そうですね。嬉しいですね、ぜひお母様方にも観ていただきたいので。私は今回、母ちゃんとして、サトシの表情でキュンとしたところがありまして、いつも元気な母ちゃんが、ちょっと力が抜けた瞬間を心配そうに見ているサトシの顔というのが、日常生活だとそういうのって気づかないじゃないですか。だけど、もちろん映画の中で生きている母ちゃんは、そんなの見られていて、心配されているのも知らなくて。でも、（スクリーンを通して）息子がこんなに母ちゃんのことを思ってくれてたんだ、っていうのに、試写を観ながらキュンキュンキュンキュンしてしまって（笑）。あと、子供にしても、こういう大人になりたくないという人たちがいる中でも、人に優しさをあげられたりとか、信じることとか、親として愛情表現が上手くできていなくても、子供に対して実はすごく愛情をもっているんだということを今回、感じ取っていただきたいので、ぜひ親子で観て、この映画ことを親子で話して欲しいですね。

MC：須藤さんも実際お子様がいらっしゃいますから、感情移入がすごく…

須藤：そうなんですよ（笑）。でも男の子と女の子はだいぶ違うんだなっていうのを感じながら、思春期の男の子は難しいなと思って（笑）。だから、最後に父と子供が、あんな素敵なじゃれ方っていうんですか（笑）。なんか、羨ましかったです。母親じゃやっぱりそこに踏み込めない関係性が2人の中に見られて、ちょっとヤキモチもありました（笑）。

MC：草彅さん、笑ってらっしゃいましたが（笑）。

草彅：はい、あのね。原作の西加奈子さんが、そのシーンを書いていて、なんすかね、あれ、お互いに見せあってね（笑）。前貼りも僕はしてなくて。後ろから見えちゃうみたいで（笑）。だからいろいろなテクニックを使って（笑）。男の事情があるわけですよ。後ろから見えてしまうというね（笑）。

須藤：裏で、2人ですごいミーティングしてましたよね（笑）？「山﨑くん、どうやってんの？？」とか言って（笑）。

草彅：山﨑くんは、かろうじてちょっと、前貼りをしてたんですけど、僕はしないパターンで（笑）。結構大変で、僕初めてだったんです、前貼りが。してみたら、なんか合わなくて、形が（笑）。いろいろあるんですよ。あるんですねえ、前貼りの形ってね（笑）。個人差があって。

須藤：でも、全然最初から躊躇なく、「はい、じゃあいきます」みたいな。意外と潔く、いきましたよね。

草彅：そうですね。思い切りは良いほうなので（笑）。はい、でもここはお互い、勝負だったので。大きさの勝負とかじゃないですよ（笑）。

須藤：記事にできませんから（笑）。

草彅：心の大きさということでね。あのシーンは山﨑くんと戦いというか、うーん、そういう戦いじゃなくてね（笑）。精神的な子と父の。そこから山﨑くんが変わるという、サトシが変わるということなので、僕も緊張して良いシーンが撮れたなと思って。

MC：監督はそれを見ていて、私は役者魂かなと思ったんですけど。

鶴岡：そうですね（笑）。いま、ね…（笑）。

草彅：監督も僕の前貼りがお尻から見えないかって。

鶴岡：そうなんですよ（笑）。あのカット、2人のバックショットを撮るのが、この撮影の一番最後だったんですよ。あのカットがOKだったら、すべての撮影が終わりますというカットだったので、私も気合を入れていて。芝居に集中して見ていたら、お芝居はすごく良かったから、カットがかかった瞬間に大きな声で「OK！」と言っちゃって。周りも「終わるぞ」みたいな雰囲気になるかなと思ったら、助監督さんが「待って、待って。ちょっとバレてました」と（笑）。で、お二人の下の方に注目してチェックしたら、たしかにちょっとバレちゃってました。