イスラエル国内で上映禁止となり、ベンヤミン・ネタニヤフ首相自らが公開中止を求めて法的手段に出ようとした衝撃のドキュメンタリーが、日本でついにスクリーンに登場する。第97回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ショートリストに選出された『The Bibi Files(原題)』が、邦題『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』として11月8日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開されることが決定。予告編とキービジュアルも解禁された。
映画は、2017年にリークされたイスラエル首相ネタニヤフの警察尋問映像を軸に展開。葉巻や高級品の贈答、財界との癒着など汚職の実態が生々しく映し出される。尋問においてネタニヤフは強気な態度を崩さず、「友を近くに置け、敵はもっと近くに置け」と映画『ゴッドファーザー』の名セリフを引用する姿も収められている。
さらに、イスラエル諜報機関シンベトの元長官や、元広報担当、調査報道ジャーナリストらが証言者として登場。国家権力が腐敗していく過程を内側から暴き出す。ネタニヤフが有罪回避のため極右勢力と結託し、分断を深めたイスラエルの現状を追及することで、「権力者はなぜ腐敗するのか」という普遍的な問いを突きつける。
解禁されたポスタービジュアルでは、葉巻を手にしたネタニヤフの姿が描かれる。そこから立ち上る煙はやがて爆炎となり、兵士たちの影を浮かび上がらせる。キャッチコピーは「真実は煙幕の向こう側にある」。小さな贈り物が、やがて国家を揺るがす大きな悲劇に繋がっていく構図を示している。
予告編では、普段のニュースでは見られない“人間ネタニヤフ”の素顔を垣間見ることができる。圧倒的な存在感を誇るリーダー像の裏に潜む、権力と欲望の危うさを鮮烈に映し出している。
イスラエルでは上映禁止、親イスラエルの米国でも劇場公開されなかったにも関わらず、国際的には大きな話題を呼び、アカデミー賞ショートリストに選出されるなど注目を集めた本作。ドキュメンタリー界の巨匠アレックス・ギブニーが製作総指揮、監督は『アニタ 反逆の女神』で注目を集めるアレクシス・ブルームが務めている。
▼予告編
■作品情報
タイトル:『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』
原題:The Bibi Files
公開日:2025年11月8日(土)
公開劇場:シアター・イメージフォーラムほか
監督・製作:アレクシス・ブルーム
製作総指揮:アレックス・ギブニー(『「闇」へ』アカデミー賞®受賞)
製作年:2024年
製作国:イスラエル・アメリカ
言語:英語、ヘブライ語、アラビア語
上映時間:115分
字幕翻訳:額賀深雪
配給:トランスフォーマー
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