伊丹十三監督の大ヒット作『お葬式』や、滝田洋二郎監督『おくりびと』の系譜を継ぐ、“死”をテーマにひとりの女性の人生を描く令和の不謹慎エンターテインメント『カオルの葬式』が、11月22日より公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルが披露された。
本作は、国内のみならずスペイン、シンガポールから集結した新進気鋭のスタッフ・クルーと製作された国際共同製作作品。総勢1000人を超えるオーディションで選ばれたキャストとともに、岡山県北にある宝樹寺をメイン舞台に、微かに残る古来よりの葬儀と、今を生きる人々の姿を色鮮やかに描き、大阪アジアン映画祭にて、JAPAN CUTSアワードを受賞。ニューヨークでも多くの喝采を浴びた。
物語は、カオルという女性脚本家が亡くなったという知らせを、10年前に離婚した元夫の横谷が受けるところから始まる。彼女が残した遺言には、横谷がカオルの葬式の喪主になるようにと記されていた。横谷が東京からカオルの故郷・岡山に到着すると、そこに居たのはカオルが遺した9歳の一人娘・薫。他にも通夜・葬儀に集まるのは、脚本家であったカオルのマネージャー、プロデューサーの先輩や親友、葬儀を取り仕切る婦人会や地主一家など、一癖も二癖もある人々だった。
監督は数々のドラマ演出・プロデュースを手がけ、短編映画『空っぽの渦』で多くの国際映画祭にノミネートされた湯浅典子。カオル役に一木香乃、その元夫・横谷役を関幸治、カオルの一人娘・薫役に新津ちせの他、原田大二郎、黒沢あすか、足立智充、田中モエ、滝沢めぐみ、川島潤哉、蔵本康文、木村知貴、大岩主弥、錫木うりなど実力ある個性派が揃った。また、音楽監督をジョアン・ビラ、撮影監督をビクター・カタラ、照明をポール・ピーティクス、サウンド・エディターをギエルモ・ルーファス、オフライン編集をマルク・ミチャらスペイン人スタッフが務め、鮮やかで美しい映像と厚みのある音響で、物語をより重層的に仕上げている。
予告編は、東京で暮らすカオルと横谷の過去の美しい日々と、対照的に葬儀に集まった腹にイチモツありそうな面々が赤裸々に感情をぶつけ合う様が、まるで地獄から轟くようなドラミングの音と共に画面一杯に溢れだす。
ポスタービジュアルは、夜中に裸で机に向かい、集中している女性・カオルの後ろ姿に、「一人の脚本家が死んだ」というコピーが重なる。それをなぞるように引っ張った線の上には、チャーリー・チャップリンの「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」という言葉も添えられている。
『カオルの葬式』
2024年11月22日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・共同脚本・プロデューサー:湯浅典子
出演:関幸治 一木香乃 新津ちせ 足立智充 田中モエ 滝沢めぐみ 川島潤哉 蔵本康文 木村知貴 大岩主弥 錫木うり 黒沢あすか 原田大二郎
配給:ムービー・アクト・プロジェクト PKFP PARTNERS
【ストーリー】 カオルという名の女性が亡くなった。彼女が残した遺言には、10年前に離婚した元夫・横谷がカオルの葬式の喪主になるようにと、記されていた。横谷が東京からカオルの故郷・岡山に到着すると、そこに居たのはカオルが遺した9歳の一人娘・薫。カオルの通夜、葬儀に集まる様々な人々。脚本家であった彼女のマネージャー、プロデューサーや先輩や親友そして葬儀を取り仕切る婦人会や地主一家など腹にイチモツありそうな故郷の人々。そして嵐の夜、事件が起きる…。
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