『浜辺のゲーム』の夏都愛未監督が、松井玲奈主演で描く3人の異母姉妹が織りなす物語『緑のざわめき』が、9月1日より公開される。このほど予告編がお披露目となり、本作のテーマの一つであるシスターフッドを体現する、岡崎紗絵演じる菜穂子の女子会メンバーを演じた川添野愛、加藤紗希、渡邉りか子、及び、松井玲奈演じる響子の親友を演じた松林うららよりコメントが寄せられた。
主人公・小山田響子(松井玲奈)は、女優を辞め東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってくる。やがて響子の異母妹であり彼女をストーカーする女、同じく響子の異母妹である佐賀の集落に暮らす少女へと物語のバトンが受け渡されていく。賑やかに旅行を楽しむ女性グループが交わり、軽やかな会話劇をすり抜けながら、物語は思いもよらない方向へと進んでいく。
このほど、クラウドファンディングが8月上旬からMotionGalleryにて開始されることも決定した。
▼キャスト コメント
■川添野愛(絵里役)
登場人物それぞれの、社会と自分との付き合い方や向き合い方が印象的で、私は自分自身についても改めて考えさせられました。そういう意味では、私の演じた絵里は、側から見るとずっと危なっかしくて(笑)。衝動に抗うことなく進み、傷つき、少しだけ学んで。これをひたすら繰り返して。それでも前に進み続けることだけはやめない。どうしょうもないけどなんだか見捨てられない絵里が私は大切で、愛おしかったです。このお話の中で時折ざわざわと吹く風が、主人公となるこの3姉妹や、3姉妹の周りの人たちの運命を強く優しく不気味に誘います。抗うことのできない事実と、出会いによって交差していく思いと、それぞれがどう向き合っていくのか。私もみなさんと共に見届ける日が楽しみです。
■加藤紗希(まゆ役)
岡崎さん演じる菜穂子のふとした時に、憂いを帯び、運命を受容していくような表情が目に焼き付いています。くだらないことを話し、ただただ楽しい時間を共有しつつ、気を遣わなくていい関係ゆえに少し不穏な雰囲気になったりする友人関係。脚本を読んでいても演じていても、過去に友人と交わした会話や大切な旅行の記憶が思い起こされ、はっとする瞬間が度々ありました。佐賀の自然は本当におおらかで美しく、表情豊かな景色たちは三姉妹の様々な感情と混じり合いながら画面を彩っていることでしょう。わたしも映画館の大きなスクリーンで観るのが楽しみです。
■渡邉りか子(彩乃役)
『緑のざわめき』というタイトルそのままに、脚本に書かれた文字からだけでも佐賀の緑豊かな景色が浮かび、人間以外の生命力も宿っているような印象を受けました。一見穏やかに時が進むようで、その美しい景色の中にピンと張り詰めた緊張感があり、その糸を観客も一緒に、繊細に寄り添いながら辿っていく、そんな映画になるんじゃないかと感じました。私が演じた女子会メンバーの1人・川崎彩乃は、思ったことを正直に口にする気持ちのいい子です。我が女子会の治安の維持、平和に穏便に!そのことを重視して現場に居ました。全員バラバラで愛おしくて、楽しかったです。夏都監督が生み出したこの作品は、一言では言い表せず、とても複雑です。それが私にとって、ものすごく信じられました。人に届ける上ではこうして何かしら言語化して伝えなければいけない場面がありますが、観て、受け取って頂く皆さんは言語化しなくたって良いです。その気持ちを、いいね、だけでもしてくれるととても嬉しいです。出来る限り、映画館という場所で体感してください。何か言葉にならないものを感じてくだされば、この作品の一員としてとても光栄です。
■松林うらら(保奈美役)
夏都愛未監督が紡ぐ繊細な言葉の在り方に、先ずは共感をし、同じ女性として抱える傷み、運命、独特な世界観が私は好きです。綺麗な姿をしているようで、猛毒が入っていて、カオスで。江口保奈美という存在は、松井玲奈さん演じる主人公、小山田響子の幼馴染という事で、彼女の傷みを誰よりも広大に受け止めている方なのかとおもいました。目の前にいる響子(玲奈さん)はとにかく透明感に満ち溢れ、真っ直ぐ美しい目でした。2人が過ごした時間、空気を想像し、大切にしました。豊かな佐賀の自然たちと葉脈で繋がる性と聖。ある意味でアルファ波効果映画になっているのでは。夏が残る秋、安らぎの時間になりますように。
『緑のざわめき』
2023年9月1日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
出演:松井玲奈 岡崎紗絵 倉島颯良 草川直弥 川添野愛 松林うらら 林裕太 カトウシンスケ 黒沢あすか
監督・脚本:夏都愛未
配給:S・D・P
【ストーリー】 主人公・小山田響子(松井玲奈)は、女優を辞め東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってくる。やがて響子の異母妹であり彼女をストーカーする女、同じく響子の異母妹である佐賀の集落に暮らす少女へと物語のバトンが受け渡されていく。賑やかに旅行を楽しむ女性グループが交わり、軽やかな会話劇をすり抜けながら、物語は思いもよらない方向へと進んでいく……。
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