2019年9月に乃木坂46を卒業した桜井玲香が初主演を務め、岡崎紗絵、三戸なつめが共演する、新鋭・穐山茉由監督の長編商業映画初作品『シノノメ色の週末』が、今秋に公開されることが決定した。
取り壊されることが決まった母校・篠の目女子高校の校舎で、在りし日の思い出を辿るために、シノノメ女子元放送クラブの3人が数年ぶりに集結した。昔の女子校生活を思い出しながら、互いに現在の不満をぶつけあい、週末の度に何度も校舎を訪れるようになる。本作は、大人になりきれない20代女子たちの、等身大の物語。
主人公・大月美玲を演じるのは、2012年にアイドルグループ・乃木坂46一期生としてデビューし、グループ初代キャプテンとしてメンバーやスタッフ、ファンから愛され人気を博すなか、2019年9月に卒業した桜井玲香。桜井は、卒業後は女優として活動、数々の舞台に出演し注目を集め、本作で映画初主演を飾る。演じる美玲は、高校時代は読モをしていてイケてるグループの中にいた。今は、モデル事務所に所属しているが、仕事は順調とはいえない。性格的に媚びるのが苦手で、黙っていれば可愛いとよく言われる。桜井自身の持つ天真爛漫さや強さ、そしてその中に隠された繊細さがスクリーンで唯一無二の存在として体現される。
共演は、今泉力哉監督作『mellow』ほか数々の映画やドラマに出演し、ナチュラルで飾らない明るさや、大人可愛い雰囲気で人気を集める岡崎紗絵と、モデルやタレント、アーティストとして、無邪気な明るいキャラクターで幅広く活躍し、映画やドラマにも多数出演、NHK連続テレビ小説「おちょやん」では、主人公おちょやんの亡くなった母・サエを演じ、その存在感や魅力が評判を集めた三戸なつめ。岡崎は、高校時代には放送クラブの部長を務める真面目であまり目立たない生徒だったが、大学時代から垢抜け、現在は大手広告代理店の子会社で働く「まりりん」こと一ノ宮まり、三戸は、写真家への夢を挫折し、実家暮らしで教育関連のお堅い事務職に就くが、実は廃虚オタクで、篠の目女子の取り壊しを聞きつけ二人を誘い出す“アンディ”こと安東雅美を熱演する。
さらに、まりりんの仕事仲間であり、美玲がオーディションを受けたこともある広告代理店のプランナー・上川龍之介役に工藤阿須加、篠の目女子高校最後の学生・杉野あすか役に、新しい時代をサバイブしていく多様な女の子のロールモデルを発掘するオーディション「ミスiD 2019」でグランプリを獲得した中井友望、そしてパタンナー・酒井役に、これまで数々の映画やドラマなどに出演し日本映画に欠かせない存在である山田キヌヲが扮する。
監督は、これまで自主映画や短編映画などを発表し、映画『ギャルソンヌ 2つの性を持つ女』、『月極オトコトモダチ』、『嬉しくなっちゃって』、『蒲田前奏曲』(若手4監督による連作のうち一編を監督)などを生み出してきた穐山茉由。『月極オトコトモダチ』は、若手映画監督の登竜門「MOOSIC LAB」の2018年度長編部門でグランプリ、最優秀男優賞、女優賞、ミュージシャン賞の主要部門の4冠を受賞。また、第31回東京国際映画祭の日本映画スフプラッシュ部門にも出品されたほか、オーストラリア・中国での上映も決定するなど、国内外で高い評価を得て、2019年には、現役プロデューサーが選ぶ将来性のある新人監督に贈られる新藤兼人賞にもノミネートされ注目を集めた。穐山監督の長編商業映画初作品となる本作では、監督の持つ会社員と映画監督というダブルワークの経験をもとに、社会で働く女性たちの心理を、独自の目線で鋭く柔らかくオリジナル脚本で描く。
▼スタッフ&キャスト コメント
■桜井玲香(大月美玲役)
撮影期間は短くも、とても濃い時間でした。岡崎紗絵ちゃん、三戸なつめちゃんのお二人がとても素敵な方々でずっと笑っていた気がします。映像にもその様子が表れていて、観てくださった方にも伝わるんじゃないかと思います。映画初主演、ということでどうなることかと不安もありましたが、やはり周りの方々に沢山支えていただき、みんなで一緒に作品を作れたことが不安より、楽しい記憶となりました。クラブのメンバーで夜中にスタンバイして東雲を見に行くシーンがあったのですが、とっても力強い光景で感動した事を今も鮮明に覚えています。この映画を観終えた時、フッと肩の力が抜けて楽になった…。皆さんにとってそんな作品になれば嬉しいです。
■岡崎紗絵(一ノ宮まり役)
女子高生時代に戻ったかのような気持ちで、とても楽しく撮影していました。桜井玲香さん、三戸なつめさんとは、すぐに仲良くなれて、お二人ともとてもお話ししやすく、終始和やかな雰囲気の現場でした。過去の関係性から大人になった今の関係へ。変わったところもあれば、変わらずにいるところもあって、三者三様のキャラクターでみんな違うけれど、放送クラブでの繋がりが強くあったからこそ大人になっても一緒に関係を続けられるのだと思います。大人になった3人の関係性の変化は見どころです!学生時代に心を巻き戻して青春に浸って観て頂ければと思います。
■三戸なつめ(安東雅美役)
私は、カメラが好きでオタク気質な「アンディ」こと安東雅美を演じさせて頂きました。アンディは常にワクワクすることを考えている子で、演じていてすごく楽しかったです!3人での撮影期間はとても居心地が良くて、本当に学生に戻った様な懐かしい気持ちでした。見所は3人が誰もいない学校で好き放題するところ(笑)。いけないことしている時ってなんであんなにニヤニヤしちゃうんだろうってくらいみんな楽しそうなので表情にも注目して見てほしいなと思います!
■穐山茉由(監督)
私自身女子校出身なのですが、平和で力が抜けていて、世間知らずな女子校の独特な雰囲気を今になって愛しく思うことがあります。世間でイメージされがちな女同士のドロドロした戦いからはちょっと距離を置いて、大人になって漠然とした悩みの中にいる元放送クラブ3人の空気感を大切に描きました。主演の桜井さんの持つ真っ直ぐさと器用でいて不器用な人間らしさが、美玲というキャラクターに命を吹き込んでくれました。観てくれた方へ彼女たちの魅力が届きますように。
『シノノメ色の週末』
今秋 全国公開
監督・脚本:穐山茉由
出演:桜井玲香 岡崎紗絵 三戸なつめ 中井友望 山田キヌヲ 工藤阿須加
配給:イオンエンターテイメント
【ストーリー】 女子校出身、自分の学生時代なんて、世の中で言われてる程尊くもないし、あまり興味もないし、正直忘れていた。とにかくいま目の前に起きている仕事での人間関係とか、お給料にやや見合わない今月のクレジットカードの引き落とし、結婚、漠然とある“女性らしさ”との距離感…そうしたものの方が、自分にとってのリアルだった。そんな中、取り壊されることが決まった母校・篠の目女子高校の校舎で、在りし日の思い出を辿るために、数年ぶりに集まったシノノメ女子元放送クラブの3人。昔の女子校生活を思い出しながら、互いに現在の不満をぶつけあい、週末の度に何度も校舎を訪れるようになる。取り壊される校舎と色あせていなかった青春の日々…。大人になりきれない20代女子たちの、等身大の物語。
©️2021「シノノメ色の週末」製作委員会