都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として「サイレント・ブレス」や、NHKにてテレビドラマ化され話題を呼んだ「ディア・ペイシェント」を世に送り出した南杏子による原作を、吉永小百合主演、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行共演で映画化する『いのちの停車場』が、5月21日より公開される。このほど、本作のメインビジュアルと場面写真がお披露目となった。
本作は、今の日本の長寿社会における現代医療制度の問題点や、尊厳死・安楽死などの医療制度のタブーに正面から向き合い、それらに携わる医師、患者、その家族が描かれる感涙の物語。
メインビジュアルには、診療所の前に立つ咲和子(吉永小百合)、野呂(松坂桃李)、麻世(広瀬すず)、仙川(⻄田敏行)の「まほろば」メンバーの姿が収められる。まるで家族写真のような温かさのあるこのカットは、まさに本作の主題ともなる“家族の愛”を象徴するような1枚である。
場面写真には、「まほろば」メンバーが集い、日々の出来事ついて語り合う憩いの場「BAR STATION」で食卓を囲む和やかなシーンや、ゴミの散乱する並木徳三郎(泉谷しげる)宅へ麻世と共に初めての診療に訪れた咲和子が、⻑年勤めた救命救急医の現場では考えられなかった患者の“要求”に面食らい、在宅医としての難しさに直面するカット、さらに、おもちゃのスティックを手に神妙な面持ちの野呂に翼を連れて話しかける麻世や、野呂からのプレゼントである“魔法のスティック”を大事そうに抱えてベッドで横になり、野呂と麻世にある相談を持ちかける若林萌(佐々木みゆ)の姿が切り取られている。難病を患いながらも一途に生きようとする萌に、野呂と麻世も懸命に向き合いながら悩みもがく。劇中ではそんな二人の姿も繊細なタッチで描かれ、揺れ動く二人の関係性にも注目が集まる。病に苦しむ父・白石達郎(田中泯)からのある重大な相談について、雪の降る中ひとり思い悩む咲和子に麻世が正面から向き合う場面は、本作のテーマでもある“家族”、そして“いのち”について深く考えさせられる重要なシーンである。咲和子の出した答えは果たして…?
『いのちの停車場』
5月21日 全国公開
監督:成島出
原作:南杏子「いのちの停車場」
脚本:平松恵美子
出演:吉永小百合 松坂桃李 広瀬すず 南野陽子 柳葉敏郎 小池栄子 みなみらんぼう 泉谷しげる 石田ゆり子 田中泯 西田敏行
配給:東映
【ストーリー】 都内の救命救急センターで働いていた主人公・白石咲和子(吉永小百合)は、ある事件をきっかけに故郷の金沢へ戻り、在宅専門医として「まほろば診療所」で働き始める。院⻑の仙川徹(⻄田敏行)、亡くなった姉の子・翼を育てながら働く看護師の星野麻世(広瀬すず)、東京から咲和子を追いかけてやってきた医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)も加わり、いつしか「まほろば」は咲和子にとってかけがえのない家族のような存在に。穏やかな時間を過ごすため、自分らしく生きるため、様々な理由から在宅医療を選択した患者やその家族と向き合ううち、咲和子は“命の終わり”に心地よく寄り添う医療とは何か、深く考えるようになる。
©2021「いのちの停車場」製作委員会