福田麻由子「宮崎彩監督には本当に感謝」大人に変わりゆく少女の視点から描く家族の変容と決別『グッドバイ』3月公開!

是枝裕和監督の元で映像制作を学んだ宮崎彩監督が、福田麻由子を主演に迎え、少女から大人に変わりゆく主人公の視点から家族の変容と決別をほろ苦く描き出す『グッドバイ』が、3月下旬に公開されることが決定した。併せて、特報映像、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となった。

母親と二人暮らしのさくらは、ある日職場の保育園で園児の保護者である、新藤と出会う。彼に、離れて暮らす父の姿を重ねるようになるさくら。やがて彼女はかつての父親に関する“ある記憶”を思い出す。

共に暮らす母。離れて暮らす父。父を求める娘…。ありふれた家族の姿を通して、家族のゆらぎを切り取った本作は、第15回大阪アジアン映画祭にて初上映され注目を集めた。

主人公のさくらを演じるのは、「女王の教室」「白夜行」などで子役として非凡な才能を発揮し、近年ではNHK連続テレビ小説「スカーレット」、『蒲田前奏曲』などで深みを増した演技を見せる福田麻由子。娘から女性に変わりゆく役柄を繊細に演じ切った。そのほか、さくらの母役に小林麻子、園児の父親・新藤役に池上幸平、保育園の同僚役に『仮面ライダーゼロワン』に女性ライダー役で出演するほか、バラエティでも活躍中の井桁弘恵、幼馴染役に佐倉星、離れて暮らす父役に『シン・ゴジラ』などの吉家章人が扮する。

監督・脚本は、是枝裕和監督の元で映像制作を学び、本作が初⻑編監督作となる弱冠25歳の新鋭・宮崎彩。日常の機微を積み重ねた丁寧な演出で、ゆっくりと、しかし確実に変わりゆく家族の姿を優しく、せつなさを込めて浮き彫りにした。

特報映像には、主人公さくら(福田麻由子)が父(吉家章人)と再会するまでの姿が、杉本佳一による儚く美しい音楽とともに映し出される。

ポスタービジュアルには、さくらの哀感を感じさせる表情が収められる。「知らないほど、近くおもう。」というコピーと桜の花びらが添えられ、家族の切ない変容を感じさせる。

■福田麻由子(さくら役) コメント
撮影を開始したときから約3年が経ちました。映画館で公開していただけることが決まって、本当にありがたく、嬉しく思います。同世代の仲間たちともがきながらひとつの作品をつくれたことは、とても大きな経験でした。オファーをいただいたとき宮崎監督から、半分あてがきで書いたと言われました。その意味が、完成した作品を観てはじめてちゃんとわかったように思います。自分の嫌いなところ、目を背けたいところが、映されていました。個人的には観ていて苦しい気持ちになりましたが、私という人間に愛を持って真正面から向き合ってくれた宮崎監督には、本当に感謝しています。この映画がみなさまに届くことが、怖くて、楽しみです。

■宮崎彩(監督) コメント
小さな世界を撮ろう。ごく限られた空間と関係でつくられた、その世界の、綻び。社会で気づかれなくとも、きっとここではパンデミックより大きな変化だ。私はどうしても福田麻由子の眼で、覗きたかったのです。あの世界を真摯に生きてくれてありがとう。劇場で、誰かが見つけるのを、待っています。

『グッドバイ』
3月下旬 渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー
監督・脚本・編集:宮崎彩
音楽:杉本佳一
出演:福田麻由子 小林麻子 池上幸平 井桁弘恵 佐倉星 彩衣 吉家章人
配給:ムービー・アクト・プロジェクト

【ストーリー】 郊外の住宅地、その一角にある上埜家。さくら(福田麻由子)は母親(小林麻子)と二人で暮らしている。仕事を辞めたさくらは、友人の頼みから保育園で一時的に働くことに。そこで園児の保護者である、新藤(池上幸平)と出会う。やがて彼に、幼い頃から離れて暮らす父(吉家章人)の姿を重ねるようになるさくら。ある晩、新藤家で夕飯を作ることになった彼女は、かつての父親に関する“ある記憶”を思い出す。一方、古くなった家を手離すことに決めた母。桜舞う春、久しぶりに父が帰ってくる。

©AyaMIYAZAKI