⻄加奈子「映画が終わっても光は消えなかった」、藤原季節「他人は簡単に届かない場所で生きている」著名人絶賛!福田麻由子『グッドバイ』予告編

是枝裕和監督の元で映像制作を学んだ宮崎彩監督が、福田麻由子を主演に迎え、少女から大人に変わりゆく主人公の視点から家族の変容と決別をほろ苦く描き出す『グッドバイ』が、4月3日より公開される。このほど、予告編がお披露目となり、併せて、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

母親と二人暮らしのさくらは、ある日職場の保育園で園児の保護者である、新藤と出会う。彼に、離れて暮らす父の姿を重ねるようになるさくら。やがて彼女はかつての父親に関する“ある記憶”を思い出す。

予告編では、保育園で働き始めたさくら(福田麻由子)が園児の保護者である新藤(池上幸平)に離れて暮らす父の姿を重ね、かつての父親に関する“ある記憶”を思い出すまでが杉本佳一による儚く美しい音楽とともに映し出される。「知らないほど、近くおもう。」というコピーも印象的だ。

▼著名人 絶賛コメント

■⻄加奈子(作家)
言えなかった言葉や、飲み込んだ思いが、画面のあちこちで光っていた。映画が終わっても、その光は消えなかった。

■藤原季節(俳優)
映画には作る人の思いが映っていて欲しい。感情の原点はどこにあるのか。特にさくらの家族のシーンでは監督の個人的な思いを感じて、他人の家を覗き見しているようで引き込まれた。現実にはロマンや夢よりもまず生活や生息があり、しかしまず存在そのものが気高く孤高なものなんだとさくらが教えてくれた。あのラストカットのように、他人は簡単に届かない場所で生きている。

■大野いと(女優)
見る前から何がグッドバイなんだろうと気になっていました。さくらは何と“グッドバイ”したのか、この映画の66分間がとても濃厚で、見終えた今でも考えています。何気ないと誰もが思う日常がリアルな空間で映し出されているのに、そこには全く何気なくない大切な過去や瞬間があることを感じることができました。さくらと桜、保育園の子供たち、食卓、出てくる物への愛情が画面越しに伝わってきて心に残る映画になりました。

■る鹿(モデル/シンガー)
淡々と日常を見せるようにみえますが、映像の構図とシーンの切り替えがとても綺麗で、複雑な感情を少ないセリフに絞ってとてもシンプルな表現が心に沁みました。見せない美学もあるっていうのを感じました。見る人それぞれが違う捉え方ができたんじゃないかなって思います。特に結末の展開に驚きました。余韻を楽しめる作品です。

■前田エマ(モデル)
「舌」と「匂い」が、私の中にもある。そしてそれが、私にとっての“家族”だ。この映画を観てそのことを再確認し、嬉しくなりました。

■暉峻創三(映画批評家/大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター)
桜咲く季節をたゆたうヒロインのどんな時間を切り取って見せるかに関する、監督・宮崎彩のきらめく才気。これを見ずして俳優・福田麻由子は語れないと断言できる、静謐にして熱と悲しみを内に秘めた圧巻の演技。春、必見の一作だ。

『グッドバイ』
4月3日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本・編集:宮崎彩
音楽:杉本佳一
出演:福田麻由子 小林麻子 池上幸平 井桁弘恵 佐倉星 彩衣 吉家章人
配給:ムービー・アクト・プロジェクト

【ストーリー】 郊外の住宅地、その一角にある上埜家。さくら(福田麻由子)は母親(小林麻子)と二人で暮らしている。仕事を辞めたさくらは、友人の頼みから保育園で一時的に働くことに。そこで園児の保護者である、新藤(池上幸平)と出会う。やがて彼に、幼い頃から離れて暮らす父(吉家章人)の姿を重ねるようになるさくら。ある晩、新藤家で夕飯を作ることになった彼女は、かつての父親に関する“ある記憶”を思い出す。一方、古くなった家を手離すことに決めた母。桜舞う春、久しぶりに父が帰ってくる。

©AyaMIYAZAKI