ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督作品の常連俳優で、台湾の民間芸能のひとつ、布袋戯(ほていげき)の巨匠リ・ティエンルー(李天禄)。その息子で、布袋戯の人間国宝チェン・シーホワン(陳錫煌)の10年を追った、台湾ドキュメンタリー映画界の巨匠ヤン・リージョウ(楊力州)監督作『台湾、街かどの人形劇』が、11月30日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。
映画『戯夢人生』などホウ・シャオシェン監督作の名脇役にして、布袋でできた人形衣装の中に手を入れて操る布袋戯の大家であるリ・ティエンルー。長男チェン・シーホワンは、母の姓を継いだことで父との間に深い葛藤が生まれ、自身が80歳を超えた今も、そのわだかまりは消えることはない。本作では、家と名前、芸を継ぐこと、親子でありながらも師弟であるが故の葛藤と闘いの記録が描き出される。
ポスタービジュアルでは、台湾の美しい風景の中で、父リ・ティエンルーから受け継いだ戯劇の神“田都元帥”(でんとげんすい)が入った赤い箱を持ったチェン・シーホワンと“田都元帥”が向き合う姿がデザインされている。
本作を手掛けたヤン・リージョウ監督は、34歳にして台湾アカデミー賞といわれる金馬奨最優秀監督賞受賞し、その後も金馬奨50周年記念作品『あの時、この時』をはじめ、多くのドキュメンタリー映画を世に送り出している。本作は、大阪アジアン映画祭2019特集企画「台湾:電影ルネッサンス2019」で上映され、圧倒的に支持された。
■ヤン・リージョウ監督 コメント
この映画は台湾伝統布袋戯の技、その伝承、そして父子関係に関するドキュメンタリーです。10年に及ぶ撮影期間中、布袋戯の文化は言語の弾圧・エンタテインメントの多様化など不可逆な状況を目撃してきました。台湾伝統布袋戯が消えつつある現状にもぜひ目を向けてください。
『台湾、街かどの人形劇』
11月30日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督:ヤン・リージョウ
監修:ホウ・シャオシェン
出演:チェン・シーホァン
配給:太秦
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