チェン・シーホァン「台湾の伝統を知ってほしい」台湾の伝統芸能、布袋戯の人間国宝を追う『台湾、街かどの人形劇』予告編

ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督作品の常連俳優で、台湾の民間芸能のひとつ、布袋戯(ほていげき)の巨匠リ・ティエンルー(李天禄)。その息子で、布袋戯の人間国宝チェン・シーホァン(陳錫煌)の10年を追った、台湾ドキュメンタリー映画界の巨匠ヤン・リージョウ(楊力州)監督作『台湾、街かどの人形劇』が、11月30日より公開される。このほど、本作の予告編、メインビジュアル、場面写真がお披露目となり、併せて、日本で布袋戯ブームを生み出した「Thunderbolt Fantasy Project」の原案・脚本・総監修を担当した、ニトロプラスの虚淵玄と、本作の主人公で台湾の人間国宝・チェン・シーホァンよりコメントが寄せられた。

映画『戯夢人生』などホウ・シャオシェン監督作の名脇役にして、布袋でできた人形衣装の中に手を入れて操る布袋戯の大家であるリ・ティエンルー。長男チェン・シーホァンは、母の姓を継いだことで父との間に深い葛藤が生まれ、自身が80歳を超えた今も、そのわだかまりは消えることはない。本作では、家と名前、芸を継ぐこと、親子でありながらも師弟であるが故の葛藤と闘いの記録が描き出される。

予告編には、映画『悲情城市』のホウ・シャオシェン(候孝賢)監督がインタビューに応じる映像も収められている。

■虚淵玄 コメント
ここにあるのは布袋劇という芸能の原風景です。東離劍遊記のファンになってくださった方であれば、その背景となった伝統の厚みを、このドキュメンタリーから感じ取っていただけると思います。

■チェン・シーホァン コメント
伝統文化が薄れている中でこうした伝統を記録するのはいいことだと思う。日本での上映もとてもいいことだと思う。台湾だけでなく、日本にもたくさんの布袋戯ファンがいる。日本の皆さんにも見てもらえて嬉しい。特に日本の若い人たちに見て、台湾の伝統を知ってほしい。若い人たちは伝統を正確には知らないから。

『台湾、街かどの人形劇』
11月30日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督:ヤン・リージョウ
監修:ホウ・シャオシェン
出演:チェン・シーホァン
配給:太秦

【作品概要】 台湾の人間国宝で布袋戯の人形師、チェン・シーホァン(陳錫煌)は、80歳を超えたいまも世界各国で公演し、多くの人々を魅了している。墨を摺る指先、キセルを燻らす恍惚とした人形の表情、ダイナミックで軽やかな大立ち回り、繊細で力強い生命力にあふれた人形たちが、陳錫煌の指先から生み出されていく。70年代以降、現代風にアレンジされた布袋戯(ほていげき)がテレビで人気を博す一方で、伝統的な布袋戯の観客は減少していった。台湾の伝統芸能を継承する為に奔走する陳錫煌の元には、フランス人のルーシーをはじめ多くの弟子が集まっているが、薄れゆく伝承への焦りは日々募る一方だ。チェン・シーホァンは、侯孝賢監督映画の常連俳優で、人間国宝であった偉大なる父、リ・ティエンルー(李天禄)の背中を追いかけ続けてきた。いまも毎朝、父から受け継いだ小さい赤い小箱に話しかける。赤い小箱の中の戯劇の神“田都元帥”。それは父との対話であり、自身の芸との対峙でもあるのだ。チェン・シーホァンの10年に寄り添った記録には、私たちがまだ知らない美しく生命力に溢れた台湾があった。

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