ジョン・カーペンター監督の傑作SFホラー『遊星からの物体X』デジタル・リマスター版10月公開!黒沢清監督よりコメントも

南極基地に現れた恐怖の宇宙生物と12人の隊員たちの死闘を描く、ジョン・カーペンター監督の傑作SFホラー『遊星からの物体X』(1982)が、デジタル・リマスター版となって、10月19日より公開されることが決定し、併せてポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、巨匠ハワード・ホークス製作『遊星よりの物体X』(1951)のリメイクで、原作はジョン・W・キャンベル・Jr によるSFスリラー小説「影が行く」。『ハロウィン』(1978)、『ニューヨーク1997』(1981)、『ゼイリブ』(1988)など数々のSF、ホラーの名作で知られるジョン・カーペンター監督が、映画製作を志すきっかけとなった古典の名作をリメイクした。

物語の舞台は、冬の南極基地。宇宙より飛来し墜落、10万年もの間氷漬けになっていた未知の生命体が永い眠りから解き放たれ、人類へと襲い掛かる。人間の体内に侵略し擬態をする“物体X”は、南極隊の仲間へと次々に姿を変え、孤立した基地内に潜む。やがて疑心暗鬼に陥った隊員たちは、死と隣り合わせの混乱の一夜を迎える。

主演は、『バックドラフト』(1991)、『エグゼクティブ・デシジョン』(1996)で知られるカート・ラッセル。『ザ・シンガー』(1979)以来カーペンター監督との親交は厚く、本作がきっかけでハリウッドの第一線で活躍するようになった。未知の生物の造型を手掛けたのは、後に『ロボコップ』(1987)、『セブン』(1995)、『ミッション:インポッシブル』(1996)などを手掛けることになる当時弱冠22歳のロブ・ボッティン。おぞましく斬新なクリーチャーデザインは今なお高い評価を受け、後進のクリエイターに大きな影響を与えた。音楽はイタリアの名匠エンニオ・モリコーネが担当する。

『E.T.』(1982)と同時期の公開だったということもあり、全米公開時に興行的な成功を収めたとは言えない本作だが、長年にわたり熱狂的な人気を誇り、今やSFホラーの傑作として君臨している。スクリーンでの公開は実に36年ぶりとなり、デジタル・リマスター版での公開を記念して、日本ホラー映画の代表的存在である黒沢清監督よりコメントが寄せられた。

■黒沢清(映画監督) コメント
凄い特殊造形と、凄い俳優と、凄い音楽があれば凄い映画ができ上がる。他は何もいらない。それは、1982年カーペンターのこの作品によって実証された映画の基本原理だ。

『遊星からの物体X』デジタル・リマスター版
10月19日(金)、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
監督:ジョン・カーペンター
原作:ジョン・W・キャンベル・Jr「影が行く」
製作:デヴィッド・フォスター ローレンス・ターマン
共同製作:スチュアート・コーエン
脚本:ビル・ランカスター
出演:カート・ラッセル A・ウィルフォード・ブリムリー T・K・カーター デヴィッド・クレノン キース・デヴィッド リチャード・ダイサート チャールズ・ハラハン ピーター・マローニー リチャード・メイサー ドナルド・モファット ジョエル・ポリス トーマス・ウェイツ
配給:アーク・フィルムズ boid

【ストーリー】 南極基地に現れた一匹の犬。それは10万年前に地球に墜落し、氷の下で眠っていた宇宙生物だった。接触した生物の細胞に同化、擬態を行うその生命体は、隊員へと次々と姿を変え、基地の中に侵入する。およそ2万7000時間で地球上の全人類と同化が完了するという試算結果に怯えた生物学者ブレアの手により、通信手段、交通手段を断たれ孤立した基地。誰が本物で、誰が“物体X”かわからないという究極の状況下で、疑心暗鬼に陥る12人の隊員たちは果たして生き残ることが出来るのか―。そして人類の運命は一体―。

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