柄本佑演じる末井青年と本人がまさかの共演!『素敵なダイナマイトスキャンダル』原作者・末井昭が“情念の爆発”シーンでカメオ出演!

伝説のカルチャー・エロ雑誌の編集長・末井昭の自伝的エッセイ「素敵なダイナマイトスキャンダル」(ちくま文庫刊)を、柄本佑を主演に迎え、冨永昌敬監督が映画化した『素敵なダイナマイトスキャンダル』が3月17日より全国ロードショーとなる。このほど、原作者の末井昭が本作にカメオ出演することが発表された。

SDS末井昭氏&柄本佑

本作は、7歳の時に母親が隣家の若い息子とダイナマイト心中するという壮絶な体験をした末井青年が、工員、キャバレーの看板描きと職を転々としながら、70~80年代のサブカルチャーを牽引する伝説の雑誌編集長となっていくまでを描いた青春グラフィティ。

末井青年は成績優秀だったにも関わらず、高校を卒業するや否や大阪の工場に就職。しかし憧れていた工場で「自衛隊で研修」と言われてしまい3ヶ月で幻滅、興味のあったデザインを学ぶべく、学費のために牛乳配達のバイトに励む。念願叶ってデザイン学校に通い始めたものの、学生運動の煽りで学校は閉鎖。生活のため、次に就職したディスプレーの会社では、自分のデザインはまったく理解されないばかりか、“ダイナマイト心中”をした母のことも揶揄され、すっかりやさぐれてしまう。そこで出会った先輩のキャバレーの宣伝デザインに衝撃を受けた末井青年は、「自分の情念のデザインができるのはここだ!」と、キャバレーの宣伝課に転職。しかし、朝礼で無意味な社訓を大声で読み上げさせられ、宴会のような騒ぎだけが続く毎日を送ることになる。

「商業主義の中で衰弱してしまったポスト・モダニズムを突破したい!」と、いつも難しいことを考えていた末井青年の情念は遂に、“夜の街で身体中にペンキを塗りたくりストリーキング(全裸で疾走する前衛芸術のパフォーマンス)をする”という形で爆発!本作では、突拍子もない方法で、誰もが多かれ少なかれ経験したことのある“若い頃の行き場のない情念”を昇華させようとした青年の行動を、原作へのリスペクトを込め表現した。主人公・末井昭を演じた柄本拓が全裸でピンクのペンキを頭から被り、すべての鬱憤を晴らすかのように楽しげに街を疾走する姿は、まさに青春そのもの。清々しい感動すら覚える印象的なシーンとなっている。

SDSストリーキングメイキング

そんな、人生のターニングポイントともいえる“情念の爆発ストリーキング”シーンに、原作者である末井は“全裸で全力疾走するピンクの男に驚く男”として出演。さらに、末井はカメオシーンで流れるサックス演奏も務める。約50年の時を経て、柄本佑演じる若き日の自分と共演することとなった末井は「佑くんが演じる若かりし僕と、現在の僕が出会う。さらにこのシーンで流れる音楽も僕が演奏しているので、忘れられないシーンになりました」と語っている。

ダイナマイト_メイン

『素敵なダイナマイトスキャンダル』
3月17日(土)より、テアトル新宿、池袋シネマ・ロサほかにて全国公開
監督・脚本:冨永昌敬
出演:柄本佑 前田敦子 三浦透子 峯田和伸 中島歩 落合モトキ 木嶋のりこ 瑞乃サリー 政岡泰志 島本慶 若葉竜也 嶋田久作 松重豊 村上淳 尾野真千子
主題歌:尾野真千子と末井昭「山の音」(TABOO/Sony Music Artists Inc.)
配給:東京テアトル

【ストーリー】 バスも通らない岡山の田舎町に生まれ育った末井少年は、7歳にして母親の衝撃的な死に触れる。肺結核を患い、医者にまで見放された母親が、山中で隣家の若い男と抱き合いダイナマイトに着火&大爆発!!心中したのだ─。青年となり上京した末井昭は、小さなエロ雑誌の出版社へ。のち編集長として新感覚のエロ雑誌を創刊。読者の好奇心と性欲をかきたてるべく奮闘する日々の中で荒木経惟に出会い、さらに末井のもとには南伸坊、赤瀬川源平、嵐山光三郎ら、錚々たる表現者たちが参集する。その後も発禁と創刊を繰り返しながら、数々の雑誌を世におくりだしていく…。

©2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会