ドン・ヒョンベ、共演のボイメン 田中俊介を「長い間付き合っている友人のよう」『デッドエンドの思い出』初日舞台挨拶レポート

国内はもちろん、翻訳された数多くの小説が海外でも高い人気を誇る作家・吉本ばななが、自身の最高傑作と語る小説を、主演に少女時代のチェ・スヨン、共演にBOYS AND MENの田中俊介を迎えて映画化した『デッドエンドの思い出』が2月16日に公開初日を迎え、同日に新宿武蔵野館にて行われた初日舞台挨拶に、ドン・ヒョンベ、チェ・ヒョンヨン監督が登壇した。

主人公・ユミの友人ジンソン役のヒョンベは、日本での舞台挨拶初体験。「日本の映画館は初めて。新鮮な気分です」と笑顔で、本作について「偶然にこの作品のシナリオを読んで、本当に面白いと思いました。ジンソンという役柄に没入できたし、演じたいと思った。心を動かされたのです」と熱弁した。ヒョンヨン監督については「サイコー!」と笑わせ、「本読みの段階から大好きになりました。作品に対するイメージもしっかりとできていて、現場ではたくさんの演出を受けることができました。そんな私は幸せ者」と感謝しきりだった。

スヨンとの共演には「少女時代と言えば、私にとってはスター!女優としてのスヨンさんと一緒に演技するときは楽しい気持ちでいっぱいでした。自分は本当にラッキーな男」と感慨。田中については「現場でいいエネルギーをくれる方。長い間付き合っている友人のような印象を受けました。私が日本語の練習をしていると教えてくれたりして、その時間が幸せな思い出となっています」と人生初の日本人俳優との共演を振り返った。

ロケ地となった名古屋も初めて訪れ「東京や大阪は、常に忙しく動いているようなイメージだけれど、名古屋はゆっくりでリラックスできるような雰囲気。何もしていなくても癒される場所なので、気持ちも非常に楽でした」と好印象。笑える話として「東京や大阪の量販店ドン・キホーテは『急いで買わなければ!』という気持ちになるが、名古屋はゆっくりと品物を選べるような雰囲気。それが個人的にいいなぁと思いました」と笑わせた。

名古屋ではご当地グルメにも舌鼓。ちなみに本作の公開を記念して新宿武蔵野館で販売された名古屋名物・味噌トーストは即完売で、ヒョンベは「本当に美味しい!」と太鼓判。最後にヒョンベは「皆さんがどれほどこの映画を観てくれるか、SNSで毎日チェックしますので、どんどん宣伝してくださいね」とPR。ヒョンヨン監督も「もう少し編集の時間があれば…と思う部分もあるけれど、皆さんの顔を見てちょっとだけ安心しました。どのような評価をもらえるかわからないけれど、スタッフ・キャスト全員の力を合わせて作った作品」と思いを込めて、ヒョンベについては「人間的にもいい俳優。絶対に売れる俳優だから、頑張ってほしい」とエールを送った。

『デッドエンドの思い出』
2月16日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2月2日(土)シネマスコーレにて、名古屋先行公開
監督:チェ・ヒョンヨン
原作:よしもとばなな「デッドエンドの思い出」(文春文庫刊)
出演:チェ・スヨン(少女時代) 田中俊介(BOYS AND MEN)
配給:アーク・フィルムズ

【ストーリー】 30歳を目前にしたごく普通の日々を送っていた韓国人女性・ユミ(チェ・スヨン)。ひとつだけ気にかかっている事があるとすれば、仕事で名古屋へ行ってしまった婚約者テギュとの未来だった。そんなユミはふと思い立ち、テギュに会いに名古屋へと向かう。久々の再会を待ちわびていたユミが、テギュのアパートで見たのは、見知らぬ女性の姿だった。突然知らされたテギュの裏切りに絶望し、あてもなく街をさまようユミ。そんな彼女がたどり着いたのは、エンドポイントという名のゲストハウスを兼ねた古民家カフェだった。エンドポイントのオーナー・西山(田中俊介)は不思議な存在感でユミに寄り添い、カフェに集うちょっぴりおせっかいな常連客たちも傷ついたユミの心をゆっくりと癒していく。そして西山の心の傷に触れた時、ユミの中で確実に何かが変わり始めた…。

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