「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」を含む世界8つの映画祭で観客賞を受賞した、アルゼンチンのパブロ・ソラルス監督作『THE LAST SUIT』(英題)が、邦題『家(うち)へ帰ろう』として、12月より公開されることが決定し、併せて予告編がお披露目となった。
本作は、アルゼンチンからポーランドへ、88歳のユダヤ人仕立屋が70年ぶりに親友に会いに行くロードムービー。ブエノスアイレスに住む88歳の仕立屋アブラハムは、ブエノスアイレスからマドリッド、パリを経由して、ポーランドに住む70年以上会っていない親友に、最後に仕立てたスーツを届けに行く旅に出る。親友は、ホロコーストから逃れたアブラハムを助け、匿ってくれた命の恩人であった。アブラハムは旅の途中で様々な困難に遭うが、出会う女性たちが手を差し伸べ、やがてかたくなだった彼の心も開けていく。出演には、『タンゴ』のミゲル・アンヘラ・ソラ、『シチリア!シチリア!』のアンヘラ・モリーナらが顔を揃える。
本作は、ホロコースト体験者であり、生涯「ポーランド」という言葉を口にすることすら拒んだ、パブロ監督の祖父との実体験をもとに、監督がカフェで耳にした「70年以上たってから親友に会いに行く」という老紳士のエピソードから着想を得て完成された。
今年7月に行われた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」では、パブロ監督が初来日を果たし、本作は観客賞を受賞。海外映画祭でも「アトランタユダヤ人映画祭 2018」「プンタデルエステ映画祭 2018」「マイアミ国際映画祭」「サンディエゴラテン映画祭」「ロサンゼルスユダヤ人映画祭」「ワシントンユダヤ人映画祭」「フィラデルフィアユダヤ人映画祭」で観客賞を受賞しており、本映画祭の受賞により8つ目の観客賞受賞となった。
■パブロ・ソラルス監督 コメント
幼い頃から抱いていた祖父が引き継いでいた複雑な思いを観客と共有したい、という夢を胸に、このような個人的な話の脚本を書き、監督をしました。コンペティションとして出品している映画祭では「観客賞」が監督にとって最も価値のある賞だと常々感じています。本物かつ唯一の「審査員」からこの努力を認めてもらえるということなのですから。この作品のおかげで、世界中を旅して様々な文化を体験することができました。日本に来たことで私の人生は変わるでしょう。
『家(うち)へ帰ろう』
12月 シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:パブロ・ソラルス
音楽:フェデリコ・フシド
撮影:フアン・カルロス・ゴメス
出演:ミゲル・アンヘル・ソラ アンヘラ・モリーナ オルガ・ボラズ ユリア・ベアホルト マルティン・ピロヤンスキー ナタリア・ベルベケ
配給:彩プロ
© 2016 HERNÁNDEZ y FERNÁNDEZ Producciones cinematograficas S.L., TORNASOL FILMS, S.A RESCATE PRODUCCIONES A.I.E., ZAMPA AUDIOVISUAL, S.L., HADDOCK FILMS, PATAGONIK FILM GROUP S.A.