国民が立ち上がり、国と闘った韓国民主化闘争の実話を映画化した『1987、ある闘いの真実』が9月8日に公開となる。このほど、キム・ユンソク、ハ・ジョンウらの役作りへのこだわりや、1987年当時の街並みを再現するなどリアルさを追求したチャン・ジュナン監督やスタッフの撮影裏話などを、キム・テリがナビゲートするメイキング映像がお披露目となった。
本作は、ソウルオリンピックを翌年に控えた1987年の軍事政権下の韓国で、一人の大学生の死を発端に、韓国全土を巻き込むまでに発展した民主化闘争を描く衝撃の実話。監督を務めるのは、『ファイ 悪魔に育てられた少年』のチャン・ジュナン。韓国の権威ある映画賞のひとつ、第54回百想芸術大賞の映画部門では、最高賞の「大賞」、脚本賞、最優秀男優賞(キム・ユンソク)、助演男優賞(パク・ヒスン)の最多4部門受賞を果たした。
北分子の徹底排除に信念を燃やす南営洞警察のパク所長をキム・ユンソク、学生の死を隠ぺいしようとする警察に対峙するチェ検事をハ・ジョンウが演じ、二人は『哀しき獣』以来、7年ぶりの共演となった。また、危険を顧みず運動家に手紙を運ぶ看守役にユ・ヘジン、拷問死の真相を隠蔽するために逮捕されるチョ刑事にパク・ヒスン、真相追及に奔走するユン記者役にイ・ヒジュン、学生デモに立ち上がる大学生をカン・ドンウォン、警察にマークされている運動家にソル・ギョング、さらに『お嬢さん』で注目され、本作では看守の姪で大学生を演じるキム・テリら演技派俳優が集結した。
メイキング映像では、チャン・ジュナン監督が、徹底的なリサーチと細部にこだわる考証で1987年当時の建築物や街並みを完全に再現した様子が収められている。スーパーや当時の新聞社、さらには大規模なオープンセットを作り、熱気に包まれる支庁広場前や延世大学前、明洞の街並みなどをよみがえらせた。「わずか30年前の話で、記憶に新しい時代を映画にするためにリアルさを追求した。そしてすべてのシーンにおいて、セットも役者の心も本物でなければならないと戒めていました」とジュナン監督。美術だけでなく、衣装の生地にまでこだわった。さらに、「単なる悪人ではインパクトが弱くなる。彼の根っこは何か?外見も実在人物に近づけた」と相当な覚悟で役作りしたキム・ユンソクの圧倒的な存在感、「異端児を軽快に演じようと思った」として現場に臨むハ・ジョンウの真摯な姿ほか、ユ・ヘジン、キム・テリらのコメントや撮影風景、それぞれの俳優に対するジュナン監督の丁寧な演出シーンも必見の映像となっている。
『1987、ある闘いの真実』
9月8日(土)、シネマート新宿ほか、全国順次ロードショー
監督:チャン・ジュナン
出演:キム・ユンソク ハ・ジョンウ ユ・ヘジン キム・テリ ソル・ギョング カン・ドンウォン パク・ヘスン イ・ヒジュン ヨ・ジング
配給:ツイン
【ストーリー】 1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。徹底的に北分子を排除したい南営洞警察のパク所長(キム・ユンソク)が指揮する取り調べは、日に日に激化していた。そんな中、ソウル大学の学生が行き過ぎた取り調べ中に死亡する。隠ぺいのために警察は親にも遺体を見せず火葬を申請するが、何かおかしいと感じたチェ検事(ハ・ジョンウ)は検死解剖を命じる。解剖により学生は拷問致死であったことが判明するが、政府は取り調べをした刑事二人を逮捕することで事件を終わらせようと画策する。これに気付いた新聞記者、刑務所看守らは、事実を白日のもとにさらそうと奔走するが、警察による妨害もエスカレートしていく。また、拷問で仲間を失った大学生たち(カン・ドンウォン)も立ち上がろうとしていた―。
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