沢尻エリカ、初めての海外映画祭に犬童一心監督と参加!『猫は抱くもの』第21回上海国際映画祭 レポート

心に孤独を抱えてしまった女性と、自分を彼女の恋人だと信じて疑わない猫との関係を描いた映画『猫は抱くもの』が6月23日に公開となる。このほど、6月21日に第21回上海国際映画祭にて、コンペティション部門に選出された本作の上映と舞台挨拶、記者会見が行われ、主演の沢尻エリカ、犬童一心監督が登場した。

本映画祭は、長編劇映画、ドキュメンタリー、アニメーションの3つのコンペティション部門があり、本作は長編劇映画のコンペ部門に邦画として唯一選出。主演の沢尻と犬童監督が急遽上海に飛び、満席の1200人の観客の前での舞台挨拶と、メディアの数が50を越える報道陣が詰めかけた記者会見に臨んだ。

舞台挨拶を前にレッドカーペットを歩いた沢尻と犬童監督。ファンクラブのメンバーや現地のファンも大勢詰めかけ、200名を越す人々からの熱烈な歓声の中、沢尻と監督が登場した。中には5時間かけてきたファンも。本作が上映される「Shanghai Film Art Center HALL 1」に敷かれたレッドカーペットの先にある上海国際映画祭のパネルの前に立った二人はサインし、そして花束が贈呈された。沢尻は終始笑顔で「シェイシェイ、ありがとう」とコメントした。

1200人もの観客でソールドアウトとなった本編上映後に、上海国際映画祭にふさわしい、華やかなGUCCIのドレスをまとった沢尻が登場すると、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が鳴り響いた。中国国内でもドラマ「1リットルの涙」がテレビ放映されており、それを機に沢尻は中国でも高い知名度と人気を得ている。会場にも沢尻の中国でのファンクラブ「沢尻会」(現在約9000名。2008年発足)の多くのファンたちが詰めかけ、ファンとのQ&Aが行われた。

実は、沢尻は新作の撮影の真っ只中でスケジュールはビッシリ。当初は映画祭の参加は全く予定されていなかったが、沢尻の強い希望もあり、至難のスケジュール調整を経ての渡航となった。今回は日帰りのわずか9時間の中国滞在。帰国の便の時刻が迫ったため、記者会見も泣く泣くの中座となり、沢尻は「ファンの皆様との距離がすごく近くて、とてもうれしい気持ちになりました。また上海に来られるように頑張りたいと思います」と言葉を残して再び機上の人に。日帰りという弾丸トラベルとなった今回の映画祭参加だったが、沢尻も犬童監督も大満足の時間となった。

本映画祭で、日本映画として最高賞の「金爵賞」を受賞すれば、2005年の三原光尋監督作『村の写真集』以来の快挙となる。注目の金爵賞は、6月24日に開催される閉幕式で発表される。

■ファンとのQ&A
犬童監督:素晴らしい大きな劇場で自分の作品が上映されることがすごく嬉しいです。一緒に見たかったです。こんな大きなスクリーンで見ることはもうないと思うので。

Q:監督は以前、猫の映画を撮られていますが、監督自身猫がお好きなのですか?

犬童監督:そうです。僕は家に2匹猫を飼っていて、この映画で吉沢亮さんが演じているロシアンブルーの良男の演技に対して、家で飼っている猫の動きや性格を伝えました。

Q:ロシアンブルーの猫を主役にしたのは何故ですか?

犬童監督:原作の小説でもロシアンブルーが主役で、それでロシアンブルーで演技のできる猫を探しました。

Q:この作品は沢尻さん6年ぶりの主演作ですが、上海国際映画祭で上映された感想を聞かせて頂けますか?

沢尻:6年ぶりの主演映画で、すごく自分の気に入った作品になりました。その映画が海外で上映されることになって嬉しいです。

Q:猫に対する自分の想いや感想をお聞かせ下さい。

沢尻:この映画がきっかけでこの良男を家で引き取って、家では「グリグリ」と呼んでいるんですけど、凄く素敵な子で、家族の一員になって、もともと家は犬を2匹飼っていて、これで猫が一匹来て本当に賑やかな家になっておかげで楽しく過ごしてます。

Q:作品の中ではすごい吉沢さんと触れ合うシーンが多いんですけど、そのときは恥ずかしいとか思いました?

沢尻:ちょっと恥ずかしかったです(笑)。あまりにも近いので、最初はすごい照れ臭かったんですけど(吉沢さんが)人間だってことを忘れて、吉沢さんが本当に猫っぽく演じてくれたので、猫だと思って可愛がりました。

Q:「1 リットルの涙」のときからのファンです。

沢尻:シェイシェイ。嬉しい、ありがとう。

Q:中国の観客の情熱をさっき感じられたと思いますが、これから中国進出とか、そういう考えはありますか?

沢尻:正直(進出)したいです!中国映画はスケールも大きいし、見ていて本当に凄いなあと思うことがたくさんありますので。そういう作品に関わることができたら、私も嬉しいなぁと思いますし、(出るときは)中国語を勉強したいと思います。

『猫は抱くもの』
6月23日(土)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:犬童一心
脚本:高田亮
原作:『猫は抱くもの』(大山淳子著・キノブックス刊)
出演:沢尻エリカ 吉沢亮 峯田和伸 コムアイ(水曜日のカンパネラ) 岩松了 藤村忠寿 内田健司 久場雄太 今井久美子 小林涼子 林田岬優 木下愛華 蒔田彩珠 伊藤ゆみ 佐藤乃莉 末永百合恵 柿澤勇人
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 主人公の沙織(沢尻エリカ)は、とある地方都市のスーパーマーケットで働くアラサー女性。かつてはアイドルグループ「サニーズ」のメンバーとして芸能界で活動していたが、歌手としては芽が出ず、すべてに嫌気が差して都会から逃げてきた。今の自分を好きになれず、周囲ともうまく馴染めない彼女にとって、心を許せる唯一の存在は、ペットショップで売れ残っていたロシアンブルーのオス猫「良男」(吉沢亮)。嬉しかったこと、哀しかったこと、腹が立ったこと…。すべてを受け止めてくれる「良男」に向かって、沙織は日々、妄想を交えながら語りかける。そして「良男」は、いつしか自分を人間だと信じ込み、恋人として沙織を守らねばと思い始める。そうやって過ごしてきた、こじらせた1人と1匹の日常にも、変化が訪れて…。

©2018 『猫は抱くもの』製作委員会