沢尻エリカ × 犬童一心監督『猫は抱くもの』ロシアンブルーの美形猫役に吉沢亮!峯田和伸、コムアイも出演

思いどおりの生き方ができず、いつしか心に孤独を抱えてしまった30代女性と、自分を彼女の恋人だと信じて疑わない猫との関係を描いた、ちょっと不思議な物語『猫は抱くもの』が、6月23日に公開される。このほど、個性豊かな共演陣として、吉沢亮、銀杏BOYZの峯田和伸、映画初出演となる水曜日のカンパネラのコムアイの出演が発表された。

『猫は抱くもの』解禁素材

主演は『ヘルタースケルター』(2012)以来6年ぶりの主演作となる沢尻エリカ。メガホンをとったのは『ジョゼと虎と魚たち』、『メゾン・ド・ヒミコ』など繊細な恋愛ドラマから、『のぼうの城』のような歴史大作まで幅広いジャンルで演出の冴えを見せてきた犬童一心。少女マンガ史に輝く大島弓子の名作『グーグーだって猫である』の映画版とドラマ版も手掛け、“猫を撮らせたら日本映画界随一”とも言っても過言ではない“猫映画の名手”でもある。“人の世界”と“猫の世界”を思いもよらぬ手法で混在させた本作は、両者の心の繋がりを繊細で温かい眼差しで描きだし、“猫映画”の決定版にして、犬童ワールドの集大成とも言える内容だ。

原作は、人気推理小説「猫弁」シリーズで知られる大山淳子の同名小説(キノブックス刊)。そのユニークな世界観を、キネマ旬報ベストテン・脚本賞を受賞した『そこのみにて光輝く』をはじめ、『さよなら渓谷』、『きみはいい子』、『オーバー・フェンス』など骨太な作品を次々に手掛けた脚本家・高田亮が、映画でしかなしえない手法で再構築した。犬童監督とは、ドラマ版『グーグーだって猫である』でタッグを組んでおり、本作で2作品目となる。

劇中では実写の猫に加えて、擬人化された猫たちが多数登場する。主人公・沙織(沢尻エリカ)の相手役で、自分を主人公の恋人だと思い込む、ロシアンブルーの猫・良男(よしお)を演じたのは、今最も注目されている若手演技派俳優の吉沢亮。『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』と人気漫画の実写化作品でのコミカルな演技も高評価され、今年は、岡崎京子原作による『リバーズ・エッジ』や、人気少女漫画『ママレード・ボーイ』でのW主演など、話題作への出演が続く。今回の出演に関して、吉沢亮は「監督の犬童さん、脚本の高田さん、そして主演の沢尻さんと、いつかお仕事でご一緒したいと思っていた方ばかりの現場で、僕にとって夢のような空間でした。猫だけど自分を人間だと信じている良男を、人間の僕が演じるという。とにかく素直に、沢尻さん演じる沙織の事が好きでしょうがないという気持ちを大切に演じました。沢山の方に見て頂きたいです」とコメントした。

また、映画初出演にして、良男の相棒となる猫・キイロを演じたのは、ユーモアと中毒性のある音楽やパフォーマンスでファンを魅了してやまない「水曜日のカンパネラ」のボーカル、コムアイ。「この映画に参加して成長できたことを嬉しく思います。猫の映画と聞いて、猫と遊べる!と思って受けたのに、自分が猫の役だったので、実際に猫と戯れるシーンがなかったのは、落とし穴でした」とお茶目に語り、自身の役柄に関しては、「どこにも通じ、どこにも属さない。猫は、人間と野生を行き来する生き物ですが、特に私が演じた猫・キイロは人間の元で飼われたり、野良として過ごしたり、流れに任せながらも自分で決めているキャラクターです」と、役柄の背景を語った。また、吉沢亮との共演については「吉沢さんは、鋼鉄の男!芝居がどういう向きでどういう表情に見えるかということをはっきり知っていて、常に完璧な猫・良男でした。いつも引っ張っていただいて、感謝しています。吉沢さん演じる良男は、必死なのが可笑しくて、かわいそうな時も笑えちゃう、チャーミングなキャラクターです」と語った。

猫のキイロをこよなく愛し、主人公・沙織の気になる存在として登場する、画家のゴッホこと後藤保(ごとうたもつ)を演じたのは、ロックバンド「銀杏BOYZ」でボーカル&ギターを務める峯田和伸。俳優としての活躍もめざましく、映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』での主演、NHKの朝ドラ「ひよっこ」では有村架純の叔父役で人気を博し、2019年NHK大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺~」への出演も決まっている。犬童監督に関して質問をすると、「オファーを頂いた時に胸が熱くなりました。犬童監督の演出は、細やかで、こちら側に寄りそって意見を言ってくださって、とても心強かったです」と語り、共演者の印象については「主演の沢尻さんは、目がまっすぐで、嘘がなにもない方。コムアイさんは、動物的で、本当に猫みたいでした」とコメントを寄せた。

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『猫は抱くもの』
6月23日(土)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:犬童一心
脚本:高田亮
原作:『猫は抱くもの』(大山淳子著・キノブックス刊)
出演:沢尻エリカ 吉沢亮 峯田和伸 コムアイ(水曜日のカンパネラ) 岩松了
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 主人公の沙織(沢尻エリカ)は、とある地方都市のスーパーマーケットで働くアラサ―女性。かつてはアイドルグループ「サニーズ」のメンバーとして芸能界で活動していたが、歌手としては芽が出ず、すべてに嫌気が差して都会から逃げてきた。今の自分を好きになれず、周囲ともうまく馴染めない彼女にとって、心を許せる唯一の存在は、ペットショップで売れ残っていたロシアンブルーのオス猫「良男」(吉沢亮)。嬉しかったこと、哀しかったこと、腹が立ったこと…。すべてを受け止めてくれる「良男」に向かって、沙織は日々、妄想を交えながら語りかける。そして「良男」は、いつしか自分を人間だと信じ込み、恋人として沙織を守らねばと思い始める。そうやって過ごしてきた、こじらせた1人と1匹の日常にも、変化が訪れて…。

©2018 『猫は抱くもの』製作委員会