第70回ロカルノ国際映画祭、第47回ロッテルダム国際映画祭に出品され、海外でも好評を博している新鋭・二ノ宮隆太郎監督の最新作『枝葉のこと』の公開日が、5月12日に決定し、併せて予告編がお披露目となった。
前作『魅力の人間』が第34回ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞し、海外映画祭でも注目を集めた新鋭・二ノ宮隆太郎の劇場公開デビュー作となる本作は、監督自身の実体験を基に作り上げた独創的な私小説的作品。
予告編は、主人公の隆太郎が、自宅で庭仕事をしている父親に近づき、友人である裕佑の母親・龍子の死期が近いことを告げるシーンから始まる。6歳で母親を亡くし、龍子に世話になっていた隆太郎は、7年前から彼女の病気を知っていたが、一度も会いに行っていなかった。さらに、郊外の自動車整備工場で働く隆太郎が、仕事終わりに先輩や後輩に誘われて近所の居酒屋やガールズバーに飲みに行く毎日が描かれている。周囲の人間を見下し、常に苛立ちを隠せずにいる隆太郎は、人から疎まれ嫌われているが、その心の奥に隠した大切な感情を、死ぬ間際の龍子に出会うことで変わっていこうとする。
また、『溺れるナイフ』などの作品を意欲的に発表している山戸結希監督から本作へコメントが寄せられた。
■山戸結希(映画監督)
孤独な人間にしか作れない映画があることを、よく思う。『枝葉のこと』を観ると、ずっと寂しかった彼の横顔や背中に鬼気迫る想いがする。暗闇と溶け合うために生まれてきた人。彼自身が、一筋の寂しい光となって。それゆえ二ノ宮隆太郎と映画館は、いつでも宿命的な出会いを果たす。
『枝葉のこと』
5月12日(土)、シアター・イメージフォーラムにて公開
監督・脚本・編集:二ノ宮隆太郎
出演:二ノ宮隆太郎 矢島康美 松本大樹 木村知貴 廣瀬祐樹 三好悠生 新井郁 堀内暁子 辻野正樹 田井竜也 藤田遼平 國武綾 永井ちひろ 岡部成司 嶺豪一 亀井史興 池田薫 いまおかしんじ 二ノ宮哲夫
配給:九輪家
【ストーリー】 横浜の自動車整備工場で働く隆太郎は、関わること全てに諦念を抱く無気力な男。無駄話に興じる職場の先輩や後輩。ガールズバーで出会った女の子。誰にも心の内を語らない隆太郎は、周囲からも変わり者扱いされている。そんな折、幼馴染の裕佑から1本の電話が入る。「うちの母ちゃんが会いたがっている」裕佑の母・龍子はC型肝炎から発症した肝臓がんで余命数日に迫っていた。6歳で母親を亡くし、幼少期に龍子に世話になっていた隆太郎は、7年前から彼女の病気を知っていたにも関わらず、一度も会いに行っていなかった。これは、龍子に会いに行くことを決めた隆太郎の人生の数日間の物語。
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