新鋭・二ノ宮隆太郎監督の最新作『枝葉のこと』5月公開決定&メインビジュアル

第70回ロカルノ国際映画祭、第47回ロッテルダム国際映画祭に出品され、海外でも好評を博している新鋭・二ノ宮隆太郎監督の最新作『枝葉のこと』が5月に公開されることが決定した。併せて、本作のメインビジュアルがお披露目となり、監督と本作を鑑賞した各界著名人からコメントが寄せられた。

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前作『魅力の人間』が第34回ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞し、海外映画祭でも注目を集めた新鋭・二ノ宮隆太郎の劇場公開デビュー作となる本作は、監督自身の実体験を基に作り上げた独創的な私小説的作品。周囲の人間を寄せ付けず、鬱屈とした日々を過ごす主人公・隆太郎は、監督自身が演じる。隆太郎の抱える強い焦燥感はやがて、幼少期に母親代わりだった友人の“おばちゃん”、そして実の父親への深い愛憎に繋がっていく。

また、物語の舞台となっている横浜市二俣川は、監督が幼少期から過ごしてきた町で、劇中に登場する実家や友人宅も実際の場所を使って撮影。事実とフィクションを巧みに織り交ぜながら、郊外に生きる若者の行き場のない暴力衝動と現代の家族像を鮮明に描き、世間からすれば“枝葉のこと”に過ぎないささいな気持ちの揺れ、一人の若者の人生を変えなくてはいけないと感じる瞬間を切り取った青春映画となっている。

監督&著名人 コメント

■二ノ宮隆太郎監督
この映画の物語は、自分が幼い頃に一番お世話になった大切な方との実際にあった出来事が題材になってます。信頼するスタッフ、キャストが、良い映画を作れる可能性に賭けて集まってくれました。昔、その一番お世話になった大切な方と、良い映画を作る約束をしました。約束は果たせたと思っています。ひとりの人間の人生のけじめの出来事を観ていただけたら幸いです。

■山下敦弘(映画監督)
良いとか悪いとかじゃなく、いろんな説得力に満たされた映画だった。とにかく画面に釘付け。主演の佇まいが“一人初期北野映画”のようだった。

■間宮夕貴(女優)
凄い映画を見てしまいました。胸がギューってしめられる作品でした。ドキュメンタリーかと思うほどのリアルなシーンで映画ということを忘れてしまいそうでした。

■トニー・レインズ(映画評論家)
こんなにも、何気ない日常の中に潜む心の動乱を巧みに捉えた作品が近年あっただろうか。二ノ宮隆太郎は今、日本の独立系映画において最も目覚ましい成功を収めている。

■キム・ヨンウ(釜山国際映画祭ディレクター)
『枝葉のこと』は紛れもなく、今年のアジアのインディペンデント映画において最も優れた作品のひとつだ。長編2作目にして二ノ宮隆太郎は独自のスタイルと世界観を築き上げ、 アジアを代表する新鋭監督となったことを賞賛したい。

■カルロ・シャトリアン(ロカルノ国際映画祭アーティスティック・ディレクター)
『枝葉のこと』は、監督自身による卓越した演技によって、骨太でありながら繊細な作品となっている。二ノ宮は少しずつ自分自身の殻を破りながら、人々の生活のもろさを浮き彫りにし、同時に敬意を表しているかのようだ。

『枝葉のこと』
5月、シアター・イメージフォーラムにて公開
監督・脚本・編集:二ノ宮隆太郎
出演:二ノ宮隆太郎 矢島康美 松本大樹 木村知貴 廣瀬祐樹 三好悠生 新井郁 堀内暁子 辻野正樹 田井竜也 藤田遼平 國武綾 永井ちひろ 岡部成司 嶺豪一 亀井史興 池田薫 いまおかしんじ 二ノ宮哲夫
配給:九輪家

【ストーリー】 横浜の自動車整備工場で働く隆太郎は、関わること全てに諦念を抱く無気力な男。無駄話に興じる職場の先輩や後輩。ガールズバーで出会った女の子。誰にも心の内を語らない隆太郎は、周囲からも変わり者扱いされている。そんな折、幼馴染の裕佑から1本の電話が入る。「うちの母ちゃんが会いたがっている」裕佑の母・龍子はC型肝炎から発症した肝臓がんで余命数日に迫っていた。6歳で母親を亡くし、幼少期に龍子に世話になっていた隆太郎は、7年前から彼女の病気を知っていたにも関わらず、一度も会いに行っていなかった。これは、龍子に会いに行くことを決めた隆太郎の人生の数日間の物語。

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