『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』スピルバーグ監督&キャストらの特別インタビュー映像

2大オスカー俳優メリル・ストリープとトム・ハンクスがスティーヴン・スピルバーグ監督作品で初競演を果たした映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』が3月30日より公開中。このほど、スピルバーグ監督をはじめとするスタッフとキャスト陣に加え、劇中で活躍する実在の記者たちを当時そばで支えた親族らのインタビュー映像が収められた特別映像が公開された。

本作は、政府が約30年もの間隠し続けた、ベトナム戦争に関する衝撃的な事実が記された機密文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の全容を国民に公表しようと奔走する新聞記者たちの勇敢な姿を描いた実話に基づく物語。スピルバーグ監督が、トランプ大統領就任45日後に「今、撮るべき作品」として、予定していた作品よりも先に本作の撮影を敢行。劇中で描かれる“報道vs国家”という戦いには、トランプ政権の元で揺れる今のアメリカや、政府によってジャーナリズムに規制がかけられている現代の状況に、かつて胸に掲げた“報道の自由”という信念を今こそ思い出すべきというメッセージが込められている。

機密文書を掲載しようと立ち上がった記者のひとりが、当時全国規模の主要報道機関で唯一の女性経営者だったワシントン・ポストのキャサリン・グラハム。男性中心の社会だった時代、夫の死をきっかけに経営者となった専業主婦が、会社の命運を握る重要な決断を迫られたことは当時の新聞業界に大きな影響を与えたようで、キャサリンの実の娘で現在のワシントン・ポストの編集者であるラリー・グラハム・ウェイマウスは「“フォーチュン500”の初の女性経営者よ。当時の写真を見ると彼女はいつも男性に囲まれていた」と振り返る。そして、キャサリンを演じたメリル・ストリープは「当時女性はまだ陰の存在だった。そんな中、キャサリンが世間に注目される。文書の影響によってね」とコメントしている。

キャサリンの相棒として共に文書の掲載に踏み切ったのは、キャサリンにヘッドハンティングされ、ワシントン・ポストに入社した編集主幹のベン・ブラッドリー。ベンを演じたトム・ハンクスが「ベンは新聞一筋の男だ。常に真実を求めていた」と明かしているように、ベンは根っからの熱血記者気質で、文書を掲載することで政府によって投獄されるかもしれないというリスクを厭わない勇敢さを持ち合わせていた。実の妻であるサリー・クインが明かす「ベンは言ったわ。“痛々しくても真実を選ぶ”と」という言葉からは、記者としてぶれることのないベンの意志の強さが窺える。

スピルバーグ監督は、本作について「真実の重要さを語る作品だ。おおまかにではなく、その細部までもね」とコメント。さらに「当時と今のマスコミの状況は同じだ。マスコミは1971年と同様に、圧力を受けている。2017年の“17”を逆にすると“71”だ。両者は数字的に、いとこのような存在だよ。歴史の振り子が、現代に戻ってきた感じがする」と劇中と現在の報道機関に似通っている部分があることついても言及している。

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
3月30日(金)より公開中
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:リズ・ハンナ ジョシュ・シンガー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:メリル・ストリープ トム・ハンクス
配給:東宝東和

【ストーリー】 ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、アメリカ国防総省がベトナム戦争に関する経過や分析を記録し、トップシークレットになっていた文書、通称“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在をNYタイムズがスクープするも、その後の記事は政府の圧力で差し止められる。そこで、アメリカ初の女性新聞発行人として足固めをしようとしていたワシントン・ポストのキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は、同紙の編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)らとともに、ライバル紙であるNYタイムズ紙と時に争いながらも連携、政府の圧力に屈することなく真実を世に出そうと奔走する―。

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