北原里英「サニーに一番救われたのは私」『サニー/32』スペシャルトークイベント レポート

キャプテンを務めるNGT48、並びにAKB48グループからの卒業を春に控えた北原里英が女優業を本格始動する映画『サニー/32』が2月17日より公開中。公開1週間後となる2月24日、新宿バルト9にてスペシャルトークイベントが開催され、北原里英と白石和彌監督が登壇した。

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「犯罪史上、最も可愛い殺人犯」と呼ばれた11歳の女の子“サニー”の信望者である2人の男に拉致・監禁をされた中学校教師と、サニーを求めて雪深い山小屋にやってくる狂信的な信者たちの驚愕の物語を描いた本作。北原演じるのは、24歳の誕生日に突然拉致され、ネットで神格化された“サニー”としてアイドル的存在になっていく主人公・藤井赤理。トップアイドルが偶像=ネットアイドルを演じることで、北原と赤理がリンクしていく展開は、北原自身「撮影が進むにつれて(現実と虚構が)曖昧になっていった」。共演者とは「不思議な絆が生まれていった」といい、「家族のような絆が生まれていっている。それは、共演者のみなさんに対する愛というか、どんどん愛おしくなっていった」と共演者と疑似家族になることも現実と虚構の境界線が曖昧になった原因だと述懐。白石監督は「実際のアイドル活動とシンクロするのは、当然北原さんを主演に迎えるにあたり、そういう風に見えたほうがいいと思った。なので、事前の準備として、アイドル活動を全力でやってほしいと伝えた」と、現実と虚構を曖昧にさせることが狙いだったことを明かした。

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拉致・監禁後、赤理が覚醒することで一気に展開が変わる本作。覚醒するシーンでは「抱きしめる」行為があるが、白石監督は「赤理の過去の設定はあまり作っていないが、抱きしめられることがない痛みを知っているという過去を持っているとして、赤理には抱きしめてほしいと思って」と裏設定を語った。「抱きしめる」ことは、北原にとっては「普段NGT48で後輩たちと先輩の私という構図なので、抱きしめることが日常茶飯事。人を殴るよりは、抱きしめるほうが得意」といい、「演じる上では意識はしなかった」というが、白石監督からは「相手の個人を認めてから抱きしめるように」というアドバイスから、北原流の「抱きしめ方」を確立している。

本作の魅力のひとつは、赤理が被害者・偶像・聖母と立ち位置が展開し続けることが多面的な物語になっている。本当の赤理は一体どの瞬間か?という質問が投げられると、赤理を演じた北原自身は「抱きしめてるとき」ときっぱり。観客にも同様の質問を問うと、均等に手が上がる。「解釈が色々ある映画だと思うので、どれも正解だと思いますね」と観客に解釈を委ねた。

最後に、北原は「サニーに一番救われたのは私じゃないかなと思います」と明かし、「観た人の一筋の光になる映画になってくれたらいいですし、非日常を求める方のスパイスになってくれたらいいなと思います」と本作をアピールした。

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『サニー/32』
2月9日(金) 新潟・長岡で先行公開中
2月17日(土) 全国公開中
監督:白石和彌
脚本:髙橋泉
出演:北原里英 ピエール瀧 門脇麦 リリー・フランキー 駿河太郎 音尾琢真 山崎銀之丞 カトウシンスケ 奥村佳恵 大津尋葵 加部亜門 松永拓野 蔵下穂波 蒼波純
配給:日活

【ストーリー】 冬の新潟の或る町。仕事も私生活も振るわない中学校教師・藤井赤理(北原里英)は24歳の誕生日を迎えたその日、何者かに拉致された。やったのは二人組で、柏原(ピエール瀧)と小田(リリー・フランキー)という男。雪深い山麓の廃屋へと連れ去り、彼女を監禁。柏原は「ずっと会いたかったよ、サニー……」と、そう赤理のことを呼んだ。“サニー”とは、世間を騒がせた「小学生による同級生殺害事件」の犯人の通称。そのいたいけなルックスゆえに「犯罪史上、最もかわいい殺人犯」とネットなどで神格化、狂信的な信者を生み出すことに。この“サニー事件”から14年目の夜、二人の男によって拉致監禁された赤理。赤理は正気を失っていきながらも、陸の孤島と化した豪雪地帯の監禁部屋から脱出を試みるが、それは驚愕の物語の始まりにすぎなかった―。

Ⓒ2018『サニー/32』製作委員会