河瀨直美監督「ロカルノでの再会は、25年越しの奇跡」最新作『たしかにあった幻』2026年2月全国公開決定

河瀨直美監督の最新作『たしかにあった幻』が、2026年2月に全国公開されることが決定した。本作は、第78回ロカルノ国際映画祭(2025年8月6日~8月16日)のインターナショナル・コンペティション部門クロージング作品として正式招待され、現地時間8月15日にワールドプレミアが行われる。

河瀨監督は、「2000年公開の『火垂』でロカルノ国際映画祭に出会い、その受賞は私にとって忘れられない想い出です。25年の月日を経て再びこの地で新作を発表できることに心から感謝しています」とコメントを寄せている。

『たしかにあった幻』は、小児臓器移植を舞台に、命の尊さと愛の深さを描いた人間ドラマ。フランスから来日した移植コーディネーター・コリー(ヴィッキー・クリープス)が、臓器提供を待つ子供たちやその家族と関わりながら、失踪した恋人・迅(寛一郎)の行方を追い続ける姿が描かれる。

兵庫、大阪、奈良、岐阜、屋久島、パリを巡る壮大なロケーションで、臓器移植に関わる現場のリアルを取り入れた撮影が行われた。

主人公コリーを演じるのは、『ファントム・スレッド』(2017)で世界的評価を得たヴィッキー・クリープス。寛一郎が恋人・迅役を務める。音楽は中野公揮、配給はハピネットファントム・スタジオが担当する。

近日解禁予定の予告編では、コリーが移植現場で人々と向き合う姿や、恋人迅との回想、そして愛と喪失、希望が交錯する印象的なカットが収録される予定。河瀨監督ならではの叙情的な映像表現とドキュメンタリー的リアリティが融合した、深い感動を呼ぶ仕上がりとなっている。

■映画情報
タイトル: 『たしかにあった幻』
公開日: 2026年2月 全国公開
監督・脚本: 河瀨直美
出演: ヴィッキー・クリープス、寛一郎
音楽: 中野公揮
配給: ハピネットファントム・スタジオ

ストーリー:
国際人材交流事業の一環で来日したフランス人女性コリー(ヴィッキー・クリープス)。彼女は小児臓器移植実施施設で移植コーディネーターとして働く中、厳しい現実に直面しながらも人々との関わりを通して「命の重さ」を再認識する。だが、彼女の心を支えていた恋人・迅(寛一郎)が突如姿を消し、コリーは「愛」と「喪失」の狭間で真実を探す旅に出る。

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