太平洋戦争末期の激戦地「ペリリュー島の戦い」を描いた劇場アニメーション『ペリリュー −楽園のゲルニカ−』が、終戦80年の節目となる2025年12月5日(金)より全国公開される。原作は、武田一義による同名漫画(白泉社・ヤングアニマルコミックス)。かわいらしいキャラクターデザインとは裏腹に、戦争の狂気を圧倒的なリアリティで描いた本作は、第46回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞しており、今回ついにアニメ映画化となった。
主人公・田丸均を演じるのは板垣李光人。田丸の相棒である吉敷佳助役には中村倫也が決定。二人の若き実力派俳優が、過酷な戦場に生きる日本兵を熱演する。
主演の板垣は、収録前に実際の舞台であるパラオ・ペリリュー島を訪問。戦跡が点在する島の風景に触れながら「80年前も、2025年の今も、そしてこれからも、命の尊さは平等でありその尊厳は普遍的」と語り、「この作品を通して、それを感じていただけたら嬉しい」とコメント。自身が演じる田丸については、「戦場で仲間の最期を記す“功績係”という過酷な役割を担う人物であり、激しくも繊細な葛藤を大切に描きたい」と話している。
今回解禁された特報映像では、田丸が「お母さん、お元気ですか?」と手紙を読むシーンから始まり、凄惨な戦場の様子が描かれていく。「過酷ですが、きっと日本に帰ります」と決意を口にする田丸に対し、中村倫也演じる吉敷が「生き残ろうぜ、田丸!」と声をかける、力強い友情の一端が垣間見える内容となっている。
併せて公開されたティザービジュアルでは、ペリリュー島のジャングルの中でノートに絵を描く田丸と、彼に語りかける吉敷の姿が描かれる。その周囲には、今なお島に残るゼロ戦や戦車が佇み、戦場での一瞬の平穏を感じさせる印象的な一枚となっている。
▼特報映像
https://youtu.be/nkcMaN_50Ug
■作品情報
タイトル:ペリリュー −楽園のゲルニカ−
公開日:2025年12月5日(金)全国公開
キャスト:板垣李光人 / 中村倫也
原作:武田一義「ペリリュー ―楽園のゲルニカ―」(白泉社・ヤングアニマルコミックス)
監督:久慈悟郎
脚本:西村ジュンジ・武田一義
音楽:川井憲次
アニメーション制作:シンエイ動画×冨嶽
配給:東映
あらすじ:
太平洋戦争末期の1944年、美しい南国・ペリリュー島に配属された21歳の日本兵・田丸均は、漫画家志望の腕を見込まれ、亡くなった仲間の“勇姿”を遺族に伝える「功績係」という特殊任務を任される。次第に戦局が悪化し、持久戦を強いられる中、仲間の死を美談に仕立てる田丸の心は次第に葛藤に満ちていく。そんな田丸を支えたのが、同期の上等兵・吉敷佳助だった――。極限の戦場で生まれた、若き兵士二人の絆と生き抜く希望が胸を打つ。
©武田一義・白泉社/2025「ペリリュー −楽園のゲルニカ−」製作委員会