第48回ロッテルダム国際映画祭でタイガーアワード特別賞を受賞し、第92回アカデミー賞のオランダ代表にも選出された注目作『テイク・ミー・サムウェア・ナイス』が、9月13日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開となる。日本公開に先駆け、予告編・ポスタービジュアル・場面写真が解禁された。
主人公はオランダ生まれのボスニア人少女アルマ。消息の途絶えていた父の入院をきっかけに、母の勧めでたったひとりボスニアへ旅立つ。従兄のエミルや、その“インターン”を名乗るデニスとの出会いを通じて、アルマは自分の居場所やアイデンティティを探し求めることになる。
解禁された予告編は、キャッチーな音楽と共に旅の道中を切り取りながら、少女でも大人でもない“宙ぶらりん”な存在であるアルマの複雑な心情を浮かび上がらせる映像に仕上がっている。またポスタービジュアルには、プールサイドで日光浴をしながら老婦人に“男とは何か”を問われる印象的なシーンが使用され、独特のユーモアと可愛らしさが漂う。
本作は、エナ・センディヤレヴィッチ監督の初長編作品。彼女自身のルーツや思春期の葛藤を反映させた半自伝的作品であり、ジム・ジャームッシュ作品やMogwaiの楽曲「Take Me Somewhere Nice」に強く影響を受けている。撮影、美術、衣装、音楽などあらゆる要素が緻密に構築され、モノクロームのように淡々と、それでいて確かに心を揺さぶる青春の記録となっている。
アルマ役を演じたのはサラ・ルナ・ゾリッチ。彼女のふてぶてしくも繊細な存在感が、映画全体に唯一無二の魅力を与えている。
▼予告編
■映画情報
タイトル:テイク・ミー・サムウェア・ナイス
公開日:2025年9月13日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
原題:TAKE ME SOMEWHERE NICE
監督・脚本:エナ・センディヤレヴィッチ
出演:サラ・ルナ・ゾリッチ、エルナド・プルニャヴォラツ、ラザ・ドラゴイェヴィッチ
音楽:エラ・ファン・デル・ワウデ
製作年:2019年
製作国:オランダ・ボスニア
上映時間:91分
カラー/4:3/オランダ語・ボスニア語/日本語字幕:上條葉月
配給:クレプスキュール フィルム
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