今年86歳を迎え、今が一番面白いミッキー・カーチスの芝居と歌をフィルムに残すべく立ち上がった企画である短編映画『運命屋』が、11月8日より公開される。このほど、本予告編が披露された。
1958年にロカビリー三人男として爆発的なブームを起こし、同年、映画『結婚のすべて』で俳優デビュー。以来、ロカビリー歌手、俳優、タレント、音楽プロデューサー、レーサー、華道家、落語家、画家…。日本芸能史における万能の天才として名を馳せるミッキー・カーチス。
本作は、元ミュージシャンの老人が、人の記憶と命を管理するという謎めいた「運命屋」の女性と出会い、人生最期の決断を前に起きる奇跡の瞬間を、北海道・名寄市の美しい風景の中で音楽と共に描く、切なくもあたたかい物語。“ミッキー・カーチス”を語るために欠かせない音楽については、ミッキー自らが主題歌の作曲を細野晴臣に、劇伴をSUGIZOにオファーした。
本予告編では、ミッキー12年ぶりの新曲となる細野晴臣作曲の主題歌「面影ノスタルジア」の一部を聞くことができる。映像は、ミッキー演じる時雨に「あなたは七日後に寿命を迎えられます。運命で決まっています」と謎の女性・イオリが声をかける物語のオープニングから始まる。運命屋と名乗る彼女は、「このまま寿命を全うするか、寿命を延ばす代わりに一番大切な人の記憶を消去するか」と時雨に人生最期の選択を与える。北海道名寄市の広大で美しい空や、時雨を演じるミッキー・カーチスの人生を刻んだ楽器が並ぶガレージが映し出され、時雨が歌い続けている意味とは、そして最期の選択にどちらの答えを選ぶのか…、優しいギターの音色と切なくも力強いミッキーの歌声と共に紡がれていく物語の行く末に期待が高まる映像となっている。
▼著名人 称賛コメント
■立川志らく(落語家)
ミッキー・カーチス、日本のエンターテイメント界の最大スター。またの名をミッキー亭カーチス。立川流の落語家で志らくの弟弟子。そんなミッキーさんの人生を凝縮したような映画。ハーモニカ、落語口調、悪ふざけ、そして歌声。それらを哀愁で包み込んだ最高のエンターテイメント。ラストシーンの粋さ。傑作です!
■中尾ミエ(歌手・俳優)
「音楽の魅力」と「人生において本当に大事なこと」とは何か、をミッキー・カーチスさんが素晴らしい演技で教えてくれました。「歌えば思い出すんだよ。歌なんてそんなもんなんだよ。」まさにその通りだな、と。全ての記憶が無くなっても、音楽を聞けばその当時が蘇る、そんな魔力が音楽にはあります。私も、つくづく音楽をやっていてよかったなと思いました。
■小泉今日子(俳優・歌手・プロデューサー)
運命のコントロールを回避する音楽。だからみんな音楽に笑って、泣いて、信じて、愛するんだな。愛が溢れた映画に拍手。自分を信じて作品を作り続けているプロデューサーの広山詞葉にも拍手。
■堤幸彦(映画監督・演出家)
ミッキー・カーチス、細野晴臣、SUGIZO、そのラインナップをみて、1960年代からのロックファンが動かないわけにはいかない。しかしそこを超える自然体の物語にじんわり感動、どころかずっと“その意味”を考えてしまう。それは監督・森田と氏、そして最近もっとも推しプロデューサー・広山詞葉さんの「純朴な狙い」に、脳の一部が反応したからに他ならない。見事だ。見事な短編だ!
■マギー(俳優・脚本家・演出家・ミッキー亭一門)
佇まい、息遣い、眼差し、微笑み。台詞ではない『・・・』に込められる情感。齢を重ねてこそ薫る深い味わい。『ただ、そこにいれば、ものがたり』。我が師ミッキー・カーチスの存在感が北海道の空をも優しく包みこむ。
■小山薫堂(放送作家・脚本家)
やわらかな時間の中で紡がれる物語を観て、今は亡き人生の師に言われた言葉を思い出した。「人はね、いい思い出だけを持って老いてゆくんだ。だから恐れずに、色々な思い出をつくればいい」ちいさな奇跡が胸に沁みる人生最期の七日間。限りある自分の運命を考えるきっかけを、この作品からいただきました。
■倉本美津留(放送作家)
その昔ミッキー・カーチスはロックンロールをもたらし我々の国をイカした音楽で目覚めさせた。そして66年経った今、この映画の音楽でまた、我々を覚醒させる。
『運命屋』
2024年11月2日(土)札幌・シアターキノにて先行公開
11月8日(金)よりシネスイッチ銀座他全国順次公開
監督・脚本:森田と純平
プロデューサー:広山詞葉
音楽:SUGIZO
主題歌:「面影ノスタルジア」ミッキー・カーチス(作曲:細野晴臣 作詞:森田と純平/細野晴臣)
出演:ミッキー・カーチス 広山詞葉 伊原卓哉 菊地梨希 高平桃見 ニンジャ 竹江維子 甲本雅裕 橋爪功
配給:フリック
©︎2024 映画「運命屋」