既成の価値観と闘い続けた20世紀最初のフェミニスト・アーティストとも呼ばれるニキ・ド・サンファルと、オノ・ヨーコ、草間彌生をはじめ世界で活躍する女性アーティストを撮影してきた松本路子、2人のアーティストが最後にたどり着いた奇跡の彫刻庭園「タロット・ガーデン」を巡るドキュメンタリー映画『Viva Niki タロット・ガーデンへの道』が、9月25日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルが披露された。
本作は、ニキ・ド・サンファルと10年以上にわたり交流してきた写真家・松本路子がこれまでに撮影した写真と、今回の映画のために新たに追ったニキの作品の映像、関係者へのインタビューで構成されるドキュメンタリー映画。本作のナレーションを務めたのは、俳優、プロデューサーとして活躍する小泉今日子。本編のエンディング曲も上田ケンジとのユニット「黒猫同盟」として制作している。
ニキ・ド・サンファルは20世紀を代表するアーティスト(1930-2002)。フランス貴族の娘として誕生、女性としての様々な困難を怒りと共にアートに反映させてきた時代を経て、開放感に包まれた女性像「ナナ」シリーズを創作。20世紀のヴィーナスとも呼べるカラフルで陽気なナナは徐々に巨大化していく。さらに遊び心あふれる数々の野外彫刻や建造物を創り、その集大成として生まれたのが「タロット・ガーデン」である。イタリアはトスカーナのオリーブの森にあるこの彫刻庭園には、大アルカナのタロットカード22枚の寓意画が彫刻や建物として作られている。奇想天外で愉快なマジカルワールドは、だれもがワクワクする空間となっており、現在も多くのファンが訪れている。
本作で監督・撮影・脚本を手掛けた松本路子は、オノ・ヨーコをはじめ、世界で活躍する女性アーティストのポートレートなどを撮影し、その作品は国内外の美術館に永久収蔵されている写真家である。1981年から10年以上にわたり、ニキの大胆にしてきわめて繊細、何よりも自由な発想と遊び心に魅せられ、写真撮影を通し彼女と交流を続けてきた。松本が「生涯でやり残したことは何か」と考え始めた時、「ニキともう一度向き合ってみたい」と思い至る。そして映画製作のために、ヨーロッパ各地、アメリカ、日本国内の作品を訪ね、そして「タロット・ガーデン」を再訪した。こうして2人のアーティストの刺激的で幸福な出会いから誕生したのが、本作である。
■小泉今日子 コメント
ニキは自分自身ときちんと闘った人。悲しみや怒りを乗り越えて、自由で大胆だけど慈愛に満ちた作風に辿り着く。松本監督が丁寧にタロット・ガーデンを案内してくれる。さあ、一緒にニキの世界を旅しましょう!
ポスタービジュアルには、自分の作品に寄り添うニキ・ド・サンファルと、生涯をかけて作りあげ、今も人々から愛されている「タロット・ガーデン」がデザインされ、ニキの作品の世界観が堪能できる。
松本が撮影したニキの自宅での写真と、本作のために新たに撮り下ろした「タロット・ガーデン」、そして建設中の「タロット・ガーデン」でくつろぐニキの、場面写真3点も公開された。
『Viva Niki タロット・ガーデンへの道』
2024年9月25日(水)より東京都写真美術館ホール、
9月27日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・撮影・脚本:松本路子
ナレーション:小泉今日子
オリジナルエンディング曲:黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)
配給:ミモザフィルムズ
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