第73回ベルリン国際映画祭で審査員特別賞を受賞した『助産師たちの夜が明ける』が、8月16日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルが披露された。
本作は、若い助産師たちが出産に立ち合い、突きつけられる現実に驚きながらも成長していく様を、ドキュメンタリーのようなリアルなタッチで描いた感動作だ。実際の出産シーンを織り交ぜながら、観客がその場に立ち会っているかのような臨場感で描き出す。監督は『愛について、ある土曜日の面会室』がヴェネチア国際映画祭正式出品を始め、ルイ・デリュック賞等受賞のレア・フェネール。自身の体験を基に、フランスのみならず、どこの国でも誰もが直面する普遍的なストーリーに、熱い共感の声が寄せられた。
5年間の研修を終えたルイーズとソフィアは、念願の助産師として働き始める。しかし、その期待に反するように緊張感が大きくのしかかる。貧困、移民、死産…様々な事情を抱えて産科病棟を訪れる人々。オーバーワークとストレスに押しつぶされそうになりながらも、新しい命に出会う日々の喜びが助産師たちの結束を強めていくのだった。
脚本執筆にあたっては俳優と助産師が共に参加するワークショップを行い、俳優たちが助産師の話を基に即興でシーンを作っていくという手法をとった。これを基に『みんなのヴァカンス』、『よりよき人生』や初長編監督作『愛について、ある土曜日の面会室』等でも脚本を手掛けたカトリーヌ・パイエとフェネール監督が脚本を共同執筆した。撮影には6つの病院が使われ、助産師たちが俳優に技術的指導や医療手順の説明、脇役まで務めるなど全面的な協力が得られた。出産シーンの映像は、実際にこれから出産する産婦と家族の許可を得て、「絶対に出産を妨げない」と助産師にも了解を得た上で撮影された。実際に俳優たちが出産や、赤ん坊の蘇生現場という難しい場面に立ち会うこともあったそうである。
物語にリアリティーを与えるべく、出演する多くの俳優たちは、映画への出演経験の少ないフランス国立演劇アカデミーの学生たちを抜擢したほか、『危険な関係』のNetflix版にも出演したエロイーズ・ジャンジョー(ルイーズ役)を筆頭に、ベテラン助産師役のベネを演じたミリアム・アケディウら、フランスの若手実力派たちが見事な演技で作品にリアリティを加える。ミリアム・アケディウは『その手に触れるまで』でマルグリット賞助演女優賞受賞(ベルギー)、『チタン/TITANE』で助演を務める等の実力派である。
『助産師たちの夜が明ける』
2024年8月16日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
監督:レア・フェネール
出演:エロイーズ・ジャンジョー ミリエム・アケディウ
配給:パンドラ