ネット上の残酷な写真や動画を検閲するコンテンツ・モデレーターをテーマにした映画『見知らぬ人の痛み』が、4月19日より公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルが披露された。
暴力や悪がインターネットを介してますます表面化する現代。大手テック企業から委託を受け、ネット上の残酷なイメージを検閲するコンテンツ・モデレーターに着目した本作は、「そうして私たちはプールに金魚を、」などで知られるスカラシッププロジェクト・第5回MOON CINEMA PROJECTで企画グランプリを受賞。同プロジェクトの助成を受けて制作された。MOON CINEMA PROJECTは、昭和30年代に活躍した映画監督・井上梅次と、その妻であり女優の月丘夢路が、日本映画・演劇界の振興を目的として設立した一般財団法人井上・月丘映画財団が主催するもの。
心に傷を抱え、遠い世界の見知らぬ被害者に寄り添う主人公を演じるのは、『嵐電』『花と雨』『夜明けまでバス停で』など数多くの映画/テレビに出演する大西礼芳。監督は、ドキュメンタリー/フィクションを問わず短編映画で受賞を重ねる天野大地。音楽は、スティールパン奏者でBlack Boboiでの活躍も記憶に新しい小林うてなが担当する。
予告編は、コンテンツ・モデレーターの仕事をする倫子が「子供の死体とか見たことある?」と語りかける、衝撃的な台詞から始まる内容となっている。
ポスタービジュアルは、イラストレーターの小山義人によるイラストがメインに据えられたもの。顔の見えない後ろ姿が、タイトルである『見知らぬ人の痛み』というフレーズと相まって印象的なポスターに仕上がっている。
『見知らぬ人の痛み』
2024年4月19日(金) テアトル新宿ほか全国公開
監督・脚本・編集:天野大地
出演:大西礼芳 小林リュージュ 八代崇司 佐々木心音 小寺結花 佳那
配給:Atemo
【ストーリー】 勤務していた中学校で生徒からのいじめに遭い、教員を辞めた倫子。求職中の彼女は、あるアルバイトに応募する。それは「インターネットの動画サイトにある残酷な動画をひたすら削除し、検閲する」というもの。ネットに拡散し続ける死や暴力。恐ろしい内容に初めは戸惑うものの、削除した内容を被害者の名前と共にノートに書き綴ることで、気持ちを落ち着かせていた。夫の和也にはコールセンターのバイトをすると嘘をつき、倫子は次第にこの仕事にのめりこんでいく…。
ⒸMOON CINEMA PROJECT